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ツナガルことをデザインする。NOMADOプロジェクト始動。

前回の記事では、わたしたちツナガル株式会社のコアバリューの話をしました。

それは、「人生を変える出会いを作ること」

これを実現するために、わたしたちが行っている「NOMADOプロジェクト」を紹介しようと思います。

フランスと日本をつなぐ、実証実験


プロジェクトの第1弾として、2022年3月、フランスの5つの小中学校の児童・生徒と大分県をつなげる実証実験を行いました。
NOMADOプロジェクトは、二拠点のコミュニティにつながる機会をつくりコミュニケーションを育むものです。NOMADO="の、窓。" というネーミングにも隠されているように、窓に見立てた大きなスクリーンを介して、リアルタイムで双方向のコミュニケーションを可能にします。

このときに重要視しているのは、接続したその瞬間だけの感動だけでなく、ふたつのコミュニティ間に介在する壁の理解、参加者との体験の共創、体験後のフォローアップを含めたリアルな関係を生むことです。


そのためにNOMADOプロジェクトのチームメンバーはまず、プロジェクトに参加する5つの学校の先生にデプスインタビューを実施し、教室ごとに異なる課題について理解を深めました。
外の世界への無関心、教養不足、地域内の格差、授業妨害・・・それにノルマンディーという地域に共通する壁もありました。当たり前ですが、フランス語と日本語の言語の壁。そして首都・パリから離れた土地柄ゆえの、物理的・心理的な距離による異文化へのアクセス性の低さ。
こうした個別の課題や、社会的な壁に合わせた体験デザインを行ったのが今回の実証実験です。

Experience 1 
食材を交換してフードメニューを開発する

最初の体験は、マンデス小学校から11歳の学生26人と、日田市にある多国籍レストラン大原屋さんを繋ぎ、フランスと日本の食材を使って新しいサンドイッチのメニューを考案しました。フランスでよく食べられるイチジクのジャムや、パテ、チーズ、ドライソーセージ。日本側からは大分県の名産・柚子胡椒や、味噌、きな粉、などを持参し、フランスの子供たちに実際に口にしてもらいながら、具材を日仏で交互に選んだ独創的なサンドイッチを作りました。意外にも、ゆかり、さきいか、わさび漬けなど大人の味覚がフランスの子供たちに大ウケ。そうした子供たちのリアクションに大原屋さんも驚くばかり。ひと切れのバゲットの上に異文化を見つける体験となりました。

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Experience 2
ストーリーテリングによって差別問題を考える

12~15歳のモルテン中学校の生徒26人と大分県日田市の市民のみなさんが共同で「差別」をテーマにワークショップを開催しました。集まった参加者が、差別する人、される人、差別目撃する人の役割を演じて、どんな差別が起こりうるのか、差別をされたらどんな気持ちになるのか、差別を目撃した時どんな行動を取るのか、について意見を出し合いました。差別的な状況に直面した時の対処法を「差別をやめるようにラップにしてSNSで配信する」など、フランスの子供たちからにはクリエイティブな意見がたくさんあり驚かされました。それぞれのチームが創作したストーリーを漫画にして配布する予定です。

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Experience 3
漢字をきっかけに異文化への扉を開く

大分県の書道家による書道教室に、スルドヴァル小学校の児童24人が参加しました。実際に筆を握る前に、表音文字である「ひらがな」「カタカナ」と、表意文字である「漢字」とで構成される日本語の文字文化について説明。生徒たちは書道家から、「とめ・はね・はらい」といった筆さばきの基本のレクチャーを受けながら、「日本」という漢字や、自分たちが選んだ熟語をさっそく毛筆していました。日本の伝統文化を体験しながら、文字が持つ機能や言葉のニュアンスの違いを学ぶ体験になりました。つながりの証しとしてフランスの子供たちに漢字の名前を授けています。日本への関心を持ち続けてくれることを願っています。

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Experience 4
マナーの意味を知り、オリジナルの"道"をつくる


茶道家・鳥越宗郁氏と竹林宗眞氏による茶会に、コンデ小学校の児童23人を招待しました。「お茶を淹れるだけなのに、こんなに道具があるのはなぜ?」「男の人も茶会に参加できるの?」「季節によって違うの?」・・・好奇心に満ちた子供たちからは、茶道についての質問がとめどなく溢れました。単に茶道の流れを知るだけでなく、茶道の作法を通じて形式の美しさや、おもてなしの精神を感じ取ってくれたのだと思います。そして、自分の周りの機会をつかって「紅茶道」「珈琲道」をつくってみようと宿題を持ち帰っています。それぞれ、どんな"道"をつくるのでしょうか。

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Experience 5
非言語クイズ大会

最後の体験では、日田市の幼稚園の園児とサン・ジョセフ小学校の7歳から9歳の児童たち22人でクイズ大会を開催しました。両国の特徴的な食べ物やあいさつ、動物、遊びなどをテーマに、演劇やイラストといった非言語によるコミュニケーションでクイズを出題。例えば園児たちはラキューというブロック玩具を使って、マグロ、サーモンといった寿司を作ってフランスの子供たちに披露していました。フランス側の児童たちはノルマンディーの特産であるリンゴのお酒シードルについて、演劇などで表現しました。言葉が通じない相手に対しても「どうしたらコミュニケーションが取れるか」を子供たちと先生方が精いっぱい考えて行動してくれました。

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五つの体験を通じて、果たして「人生を変える出会い」は作れたのか?
次回の記事では、この実証実験がもたらしたインパクトについて語っていきたいと思います。


・・・次回に続く・・・

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