成功と絶望
人の成功に、自分の絶望を重ねてしまう癖、辞めたい。
あまりに成功体験の少ない僕は、人の成功が自分の出来なさへの絶望へと変わる。
これも出来ない、あれも出来ない。
あいつはかっこよくて運動も出来て頭も良くて、あの子は可愛くてみんなから人気で。
それは皮肉や妬みではなくて、あまりにも自分が出来ないがために、出来ないことにひたすら絶望するのだ。
成功してる彼らは凄いし、時には彼らの努力を全て知っているからこそ、褒め称えるときもある。
しかしながら、そこで素直に喜べなかったり、素直に拍手を送れないのは、何度も味わった絶望を、再び今まさに感じとっているから。
少し前までは全く受け入れられなかった絶望と、共存して生きている。
少し前までは隠せなかった絶望を、心の内に上手に隠している。
彼らは先に行く。僕は追いかける。
追いつけない。
心の中で勝手に、勝者と敗者の線を引いて、彼らには分からないんだって殻に閉じこもる。
僕は知っている、彼らの努力を。
でも知ることが怖いから、知る努力をしていないかもしれない。
誰かの成功を祝うたび、少しだけ殻に籠って自分を守る。
弱虫な怠け者。
置いていかないでくれ。
僕を置いて、先に、未来に行かないでくれ
精神異常者α