【子育て看護師の生きる道】
私が夜勤のある病院で、正社員として働いたのは合わせて5年ほどです。
夜勤のあるフルタイムは、プライベートも自分のことで精一杯。料理もしないし、空いた時間は図書館。部屋はただ寝に帰るだけの場所。
(もちろん遊ぶ時は遊んでましたけど)
結婚願望が強かった私は、この生活では誰かと暮らすのは無理だな…と思い、結婚したら夜勤のない仕事をしようと決めていました。
【結婚と同時に退職】
結婚後は横浜で暮らすことに。夜勤をしていた職場はさっさと退職しました。
日勤常勤の仕事はすぐに見つかりました。近所に某有名グループ傘下の総合病院があったのです。
しかもそこはスタッフの9割が子育て経験者。
子育て真っ最中の人達はそれぞれ働ける時間帯で働き、子育てを終えた先輩たちが夜勤をこなすという働きやすい環境でした。
子育て看護師の働きやすさは、やはり職場にどれだけ子育て経験者がいるかということが、最重要事項だなと感じます…!
(それだけとは限りません!)
【妊娠〜離婚】
私が妊娠した頃は、その部署に一気に6人も妊婦が( ˊᵕˋ ;)
さすがに主任は頭を抱えていましたが、それでも嫌がらせする人もおらず、私は離婚するまでそこで5年間お世話になりました。
戻れるなら戻りたいな〜と思うくらい人に恵まれた職場でした。
(新人教育はいまいちですが、子育て理解はピカイチ!!)
そんな職場に恵まれていたため、離婚後の就活がまさかこんなに大変なことになるなんて…
地方での看護師の仕事の少なさを完全になめていました。
【離婚後の就活】
やっぱり総合病院や市中病院の外来は働きやすいな〜と、思って就活開始!
そこで直面…まず地方には横浜で働いてたような市中病院が少ない。そして日勤常勤という働き方がなかった…!(あるかもしれませんが、4年間地元にいて見つかりませんでした。)
日勤といえばクリニックか…
私は近所にオープンするクリニックの面接に出向きました。面接官はドクターとその妻。「子供が小さいけど熱が出た時の預け先は…シングルマザーだとないよね?」
まぁそうなりますよね…クリニックは最小限の看護師でまわすため、突然の休みは致命的。
(シングルは関係ないだろ!と思いましたが。)
逆に誠意ある対応をして頂いたと感じております。
正社員は厳しいか…と、パートも見てみたけれど、地方病院のパートの時給の安いこと!!
すき家のバイトの方がマシだろ!!ってところもありました。
そこで登録したのは派遣看護師。
他社の人材紹介会社の営業マンには「日勤常勤?もしくは高時給?託児付き?あるわけないでしょ笑」と鼻で笑われていたのですが、派遣担当の青年は違いました…!「僕はシングルマザーの方は子供のために一生懸命働くということを知っています。責任感の強いシングルマザーの方は、むしろ自信をもって紹介できます!」そう言って託児付きの施設を見つけてきてくれました。時給は関東並み。
施設長にも気にいられ即日採用…
まさに人情に助けられた就活となりました。
時給が良かったからというご縁でしたが、働いてみたら楽しい!
そして主任はシングルマザー。離婚で揉めた時にもプライベートでも助けて頂きました。
パートなので回診など責任ある仕事ははずされていましたが、当時4歳と2歳の娘たち。いつ熱を出すのかわからない状況だったため、私の気持ち的には楽でした。
その後、認可の保育園が決まり、変則勤務に対応できなくなったため、退職。
次も施設を選択しました…!
(実は人材紹介で紹介されて半年間小さな眼科で働いたんですが、それは抹消)
次に務めた施設では、託児所を利用しながら半年後にはパートから契約社員に上がることができました。
これまた元シングルマザーの師長が、勤務時間を満たしているスタッフが、オンコールを持てないというだけで、なぜ時給パートなのかと上にかけ合ってくれたからです。
私も「回診など責任ある仕事をするのであればそれに見合った給料にしてほしい」と直接訴えました。
そこから引越しまでの2年間、その師長の元で契約社員として固定給とボーナスをもらい仕事をすることが出来ました。
本当に本当に、人に救われた4年間でした。
【再び上京】
今年の春から私は再び東京の地へ舞い戻りました。次女の小学校入学に合わせて。
実は離婚後1年経った時に、母が末期癌の宣告をうけました。
闘病生活2年間、最後は自宅で看取りました。
父は健在ですが、子育てに協力できるタイプではなく、日祝は児童館(学童)もあいていない。職場の託児所は小学生は預かれない…
この現実が訪れることは、母が癌宣告された時から覚悟していました。
頼れる人がいないシングルマザーが生きる道。
行政が充実していて、日勤常勤の仕事がある地域…関東へ行こう。
私は心の中で決めていました。
色々調べた結果、やはり都内が1番シングルマザーとしては生きやすかったため、子育てを優先したい、その私の想いを聞き入れてくれる職場を必死に探しました。
今日調子悪いんですって言える環境。休める環境。休み明けに、大丈夫?って心配し合える環境。お互い様で働ける環境。
子育てに限らず、そんなあったかい職場っていいなぁと思います。
長くなりましたが、独り身であれば制限なくいくらでも働けていたのが、子育てが始まると制限ばかりです。
そんな子育て看護師の生きる道は「人」にかかっています。子育て理解のある職場は職員にお互い様の意識があるかどうか。
制限ばかりで辛いこともあるけれど、今働ける環境に感謝して、素敵なご縁に感謝して、前向きに生きていきたいなぁと思います。