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15センチ定規みたいなラブストーリー

読んだ本とかいろいろ

タイトルで不安になれる。すごい。
江國香織がエッセイで「小川さんはタイトルが上手。わたしもちょっとは上手だけど」みたいなことを書いていたのを思い出す。なんだかセクシーな表現でかっこいい。
知っている作家同士が親しくしていたりエピソードがなんらかの形で出てきたりすると、別の作品同士のキャラクターがひっそり仲良しだった、みたいな不思議な感覚に陥る。
完璧で不完全。でも、一歩外に出たら壊れてしまうものが一番完璧に近いのかも。張り詰めるような気持ちで進める読書体験、あと人生に何回あるかな。
さざなみ。漣。絵のような漢字だ
マイ・ブロークン・マリコを観た。結構前の写真。「キラキラして掴めなくて」「重力に逆らえない」ひとりでは到底抱えきれないような感情に襲われる漫画で、どんなふうに実写化されるのかと緊張しながら見に行った。キラキラして掴めなくて、重力に逆らえない。カメラの当て方というか、視点の置かれ方がよかった。振り向くまで傷が見えないところとか。読むたびに見るたびに思い出すたびに、出会えて良かったと思える
心がぶっ壊れてしまって、朝目覚めるたびに起きてしまったと絶望していたときに救ってくれた本 突風に吹き飛ばされたような日々の末に、ほんのり冷たく、でもあたたかく、美しく心地の良い風が吹いたのを覚えてる 
帯は小さい引き出しに入れてて、たまにまとめてノートに貼る。「きみはなぜ まぶたを閉じて生きると決めたの」配色といい文章といい行のあけ方といい、良い帯だねえ
本当にへんな本だったな。へんな小説。ミルキーウェイが出てきたので、一旦中断して、買ってから再開した。出てくるものを食べたり飲んだり、出てきた音楽を流したりするのは楽しい。それにしてもへんな本だった。フィクションだから当たり前だよね、とかそういう次元ではなく現実なのに現実が描かれていない。フィクションにおける現実もない。でもこの物語においては現実。直線定規だけで描かれたようなラブストーリー。
川がきらきらしていると嬉しい。

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