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超短編小説 呪われたおもちゃ

 「ねぇ、お母さん。おもちゃ買って! あの怪獣のフィギュアが欲しいんだ」
 いつも通りショウくんはお母さんにおもちゃを買って、とせがんでいました。
 「前買ってあげたおもちゃだって、もう遊ばなくなったじゃない」とお母さんが言うと、「ううん。今度は大切にする」とショウくんは返しました。
 悩んだお母さんは結局、ねだるショウくんのためにその怪獣のフィギュアを買ってあげました。 
 その日、ショウくんは買ってもらった怪獣のフィギュアで遊んでいました。それから数日、ショウくんはそのオモチャもほっぽって、次のおもちゃをお母さんにせがみました。

 その日の夜のことです。ショウくんが寝ていると、誰かがそのそばで喋っていました。「なんで遊んでくれないの? 大切にするって言ってたのに」、「嘘つき、ショウくんの嘘つき」その声でショウくんは目を覚ましました。声のする方を向くと、ショウくんが今までに買ってもらったおもちゃが動いて会話をしていました。それを見たショウくんがあまりの驚きにそれを見たまま固まっていると、おもちゃたちが迫ってきました。「ねぇ、なんで捨てるの?」、「嘘つくなんてひどい」と。そのまま、ショウくんは気を失いました。

 翌日、学校へ行き友達に話しかけましたが、ショウくんは無視されてしまいました。他の子に話しかけたら、ただ一言「嘘つき」とだけ返って来ました。「え、なんで....」ショウくんは言葉を失いました。「嘘をつくショウくんなんて、友達じゃない!」、「ショウくんは嘘つきなんだって」だんだんとショウくんは居た堪れなくなり、教室から飛び出しました。
 一人で走っていると「どうしたの?」と担任の先生が話しかけてくれました。「僕、友達に無視されるの。嘘つき、ショウくんの嘘つきって......」それを聞いた先生は聞き返しました。「どうして、そんなこと言われるの?」それを聞いたショウくんは考えました。
 「僕が......お母さんに......おもちゃを大切にするって言ったのに、すぐ遊ばなくなっちゃったから......」そう答えました。それを聞いた先生は「じゃぁ、どうしたらいいと思う?」と返しました。「僕が、約束を、守る。これからは大切にしたい! もう嘘はつかない。大切にする」とショウくんは返しました。

 「あ、夢かぁ」ショウくんは目を覚ましてすぐにおもちゃに謝った後に、お母さんにも謝りに行きました。「大切にする。お母さんに買ってもらったおもちゃたちを大切にする。もう嘘なんかつかない」と。それからおもちゃが夜な夜な喋り出すこともありませんでした。学校へ行って「おはよう!」と声をかけたら、友達も「おはよう!」と返してくれました。

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