ファッションとテクノロジーの可能性
”オーダーメイド” という言葉を聞いて皆さんはどんなものを想像しますか？
私は幼い頃、祖母に作ってもらったスカートが大好きでした。
自分で生地を選び、自分用に作ってもらった服。お気に入り過ぎてそのスカートばかりはいていた記憶があります。。笑
これも一種の ”オーダーメイド” といえるのではないかと、この記事の内容を考えながら思っていました。
ご無沙汰しております。enamuデザイナーenです。
今回は、私たち "enamuのオーダーメイド" についてのお話を綴らせて頂きます。
ーオーダーメイドブランドを作ったきっかけ。
きっかけとしては、店頭からサイズ展開の問い合わせが多く寄せられてたこと。
ひと昔前に比べ、割と手頃な価格でトレンド性の高い洋服を手にできるようになった現代。
サイズ展開を行うことによる、消費ロスを防ぐためにF(フリーサイズ）としてワンサイズ展開で商品を企画しているブランドも少なくありません。
実際、私たちの会社でもワンサイズ展開のアイテムをたくさん扱っていいます。
ワンサイズの展開で少しでも多くの方に着て頂ける商品にするために、よく使われるテクニックが、ゆるシルエットやゴムギャザーなどのサイズカバーができるデザインが、巷にはかなり増えている様に感じます。
私もそういったアイテムを持っているのですが、動きに対してゆとりがたくさん入っており、動きにくくはありません。ウエストゴムのアイテムなんかはご飯を食べすぎても体に合わせてある程度伸びてくれるので、たくさん食べたいときに重宝しています。笑
だた、こういったテクニックをつかうと、どうしてもカジュアルでゆるい印象に寄ってリラックス感が出てしまうしまうことが多いと感じています。
そのため清潔感を出してクリーンな印象でコーディネートを組みたいときには、自分に合ったサイズのにあったアイテムでコーディネートに取り込むようにしています。
適正なサイズの洋服を着ると、変な位置にしわが出るこや、布が余ってぶかぶかしているという事がなくなるため、こっつりとキレイにまとまります。
そして、そのサイズによるアイテムの変化を使うと、コーディネートにメリハリをつける事ができ、スタイルが良く見せられたりします。
そして、ゆとり少なめのピタッとしたデザインのアイテムでも、自分のサイズにあった洋服であれば、動きづらさや着心地の悪さといった不快感無く、着ることができます。
造り手側としては是非皆さんに、自分のサイズにあった洋服の着心地の良さと、使い勝手が良さ。を知ったうえで、好みに合う洋服を選んでほしい。と思うところがあったります。
ー自分に合ったサイズって？
とはいえ自分に合ったサイズは何なのか？わからない方も多いと思います。私も実際”この寸法です！”というような明確な数値を持っているわけではありません。
ただ、各企業・ブランドごとにターゲットとして設定しているサイズと体型があり、そのサイズと体型に合わせて洋服のデザインやバランスを決めていることがほとんどです。
そのため、お好きなブランドのターゲットとしているサイズ感を、自分と比較することで自分のサイズに合っているかを見極める指標となってきます。
また、日本の洋服には国の定める標準体型というものもあり、その標準体型を基準として企画をしている企業もたくさんあります。
各ブランドごとにに多少の差はありますが、自分が一般的にはどのサイズに該当しているのかを知っておくだけでも、美しい着こなしのできる服選びにつながるかもしれません。
中にはサイズに敏感な方で、用意されているサイズバリエーションの中から、大きいサイズを購入することに抵抗のある方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、私は年を重ねれば重ねるほどに、自分に合っていない服を無理やり着ていることの方が恥ずかしい事だと感じています。
私の若い頃には、有り余るエネルギーのままに、トレンドアイテムを着ていること。とか、ブランドものを身に着けていること。などを、ステータスとしてファッション魅せることが通用していたところがありました。
ですが現在では、ライフスタイルに合わせてファッションが多様化し、なにを身に着けているか。よりも、どのように着こなしているか？というとらえ方の方が大きくなっていますよね。
だからこそ、サイズ表記に惑わされるのではなく、自分に合ったサイズを美しく着こなすことで、素敵な大人女子を満喫できる方が増えてほしいと思うばかりです。
参考までに…JIS規格（9AR)－Mサイズ相当：
身長158㎝ バスト83㎝ ウエスト67㎝ ヒップ91㎝
という事で、オーダーを始めたきっかけは、お客様からの問い合わせを受けて、どうせ、サイズ展開を増やすのであれば、お客様1人1人のサイズに合った商品を多くの人に届けたい。という思いからです。
自分のサイズを知るための、採寸だけというお試しもさせて頂いていますので、名古屋にお越しの際は是非お立ち寄りください。
店頭の状況により、お待ちいただく場合があるかもしれませんので、ご予約を入れて頂くとご案内がスムーズです。
是非一度、実際に体験してみてください。
話したい内容はまだまだありまして…
ーAI自動採寸システムとファッションテック
enamuのオーダーメイドアイテムを作り上げるために欠かせないのが、このAI自動採寸のシステム。
近年のアパレル業界ではちょっとしたビジネストレンドとして、AI（人工知能）を活用したサービスが増えていますよね。
数年前、こういったファッションとテクノロジーを掛け合わした造語としてファッションテックという造語が作られているのを知った時には驚きました。
その先駆けとなったのが、記憶に残っている人も多いと思うのですが、2018年に無料配布で話題となった”ZOZOSUIT”
少し話が長くなりますが、ファッションテックの簡単な歴史をご紹介したいと思います。
”ZOZOSUIT”はAIによる体型測定のために作られたスーツ。
当時のゾゾタウンを運営していたスタートトゥデイが、体型データの活用により、ファッションECの課題であるサイズの不安を解消と、プライベートブランドの”zozo”での活用を目的として発表されました。
私も実際に無料配布の際に取り寄せをした1人で、今もクローゼットの引き出しの中にひっそりと保管してあります。。。笑
ZOZOSUITは”初代”と量産型で測定方法が異なるようですが、どちらも、専用スーツと専用アプリをセットで使うことで、体型測定を行っていました。
当時は社内でも話題となり、最新の機能に同期達と今後のアパレル業界の進展に胸を高鳴らせていたのを覚えています。
ですがその後、その技術に続く様な発表をする企業はすぐには現れず、国をまたぎ色々な国の企業が、独自のシステムで体型測定＝ボディースキャンの開発をしていたようです。
ZOZOSUITへの評価は賛否両論となりますが、当時の社長だった前澤さんは本当にすごい。と改めて思ってしまいます。
この間に話題となった類似の機能を持つアプリケーションがあったら、知識不足で申し訳ないのですが、、、
ZOZOSUITの次に有名となったと認識しているのが、bodygram（2019年に設立のアメリカの企業が提供するアプリケーション。2020年正式リリース）
bodygramはZOZOSUITとは違い私服での採寸が可能で、アパレル業界のみならず、美容や、ヘルスケア業界などいろいろな企業にシステム提供をしています。
凄く端折った説明で申し訳ありません。
興味のある方は是非調べてみてください！！個人的にはすごく面白いと思ってます！！ファッションテック！！！
おすすめです！
話が少しそれましたが、そんないろいろな企業が注目をしている技術を我社でも導入しました！
ーenamuのAI自動採寸
因みにenamuAI自動採寸は自社開発で、自動採寸から商品受注・型紙作成まで一括で行うことができます。
システムで一括作業が出来ることで、オーダーから型紙作成まで少ない人数で、多くのお客様のアイテムを作成することができます。
現在取り扱いを行っているアイテムはパンツのみのご用意で、4デザインの中からお選びいただけます。
採寸の手順はいたって簡単で、3枚の写真をウェブアプリケーションに登録するだけで29項目の数値を割り出してくれるんです。
この項目は、自社でものづくりを行う上で必要になってくると判断した項目となっており、このデータをもとに、お客様のサイズに合わせた型紙を作成していきます。
このシステムの精度の検証のためにかなりの人数の採寸を行わせて頂いたのですが、皆さん口にされるのがここまで細かな寸法を測られたことが無くてどきどきする…。という言葉。
確かに女優やモデルでなければ、現代女性で体を細かく図ったことのある人は、少ないと思う。アパレル業界にいる私でさえバックりとした自分のサイズは知っているものの、細かく採寸することはめったにないです。
冒頭で話したのですが、自分のサイズを知るというためだけに来店いただくのも私的には有りだと思っています。笑
採寸に関しては、文字で読むよりも動画の方がわかりやすいと思うので、リンクを貼っておきます。是非チェックしてみてください。
そして実際に注文する場合には、お好きなデザインや素材を選んで、注文ボタンを押したら完了！
という本当に手軽に作れるオーダーメイドなんです。
店頭に立つ森から、本当に楽しそうにお客様が生地やオプションを選ばれていると聞いて、こちらも本当にうれしくなります。
お値段も既製品のアイテム価格とそれほど変わらないので、ぜひ一度遊びに来て体験していただきたいシステムです！
店頭には生地サンプルや見本なども揃えてあるので、楽しんで頂けたら嬉しいです。
パンツについてのお話はまた別の記事で…