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権威を妄信することの危険性と、上手に信じて上手に疑うバランスの大切さ

手術を受けるにあたって
大変参考になった(かつ、とても面白かった)のが、
原三信病院婦人科の片岡惠子先生のコラムで、
記事をよく読んでいたのですが、


うわ。これ怖いな。


と思ったのが、こちらの「膣カップ」のコラムでした。


さて、YouTubeだの、Instagramだのと一般人が動画などを通じて自分の考えを聞いてもらうツールが増えてきた昨今、いろんな人がいろんな意見を言えるようになりましたね。私はもっぱら動画や写真、ご意見ご感想を見たり聞いたりする観客の一人に過ぎませんが、この間、あれ?と思ったことがあったので、一産婦人科医師として、意見を述べておきます。

私よりはぐっと若い、女性産婦人科医師の人気のチャンネルがあるんですが、そこで腟カップなるものを強くお勧めしておられました。
この腟カップ、トイレの掃除の時に使う、昔ながらの「すっぽん」のさきっぽにとてもよく似ている。
大体液体が50ml?100ml?くらい入るくらいの、そのシリコン製(だと思われる)のカップを、こともあろうに生理中の子宮の入り口にはめちゃうのだ。
タンポンは生理の血を吸収する脱脂綿に紐がついたような構造だが、このカップは柔らかい素材で生理の血を受け止め、外に出ないようにする「すぐれもの」らしい。
彼女いわく、使い方に「ちょっと」コツがいるが、血液の量を自分で確認できるのと、使いこなせるようになると、ナプキンがいらなくなるので、ちょ~うお勧め!らしい。

危ない。
非常に危ない。

この動画にもやもやしていた時、タイムリーにこの腟カップが3日間ほど外れなくなり、死ぬ目に遭っているので、取ってほしいというご依頼が来た。

上記サイトより


膣カップは、存在は知っていたものの、
普通に非衛生だよなぁ…と思い
使ったことはなかったのですが、
(あと、面倒くさそう)

婦人科の先生から見ても、
やっぱり危険なものだったんだ、


と思ったのと、
(衛生面の他にも、様々な点で体にとって危険だそうです)


YouTubeで、
「現役の婦人科の医者」が膣カップをオススメしていたら、

使っちゃう人はいるだろうな、
と思ったのと、


どの専門家から情報を得るにしても、
最後、
自分の頭で考えて、
判断するの大事だな、
と思ったコラムでした。


専門家だからと言って、
常に正しいとは限らない。



このコラムを読んで、
思い出していたのが、
丹(水銀。普通に毒)の話でした。


中国の歴代皇帝が、
道士から、
「不老不死の薬」として
丹をオススメされて飲んで
早死にしていた話。


権威を妄信して、
かえって自分の健康を損なう話、
現代人は、まったく笑えない。
(水銀ほど極端じゃなくても、
「肉を食え/食うな」
「塩をとれ/とるな」
「糖質をとれ/とるな」
卵は、水は、油は、牛乳は、砂糖は、小麦は…
などなど、
食関係は、各専門家の偏った情報が飛び交いがち)



権威を妄信せず、
体のことは、自分の体に聞く姿勢、
大事にしていきたい、と思います。



(水銀は、普通に、「あれ?飲み始めたら体の調子悪いぞ?」ってなったと思うんだよなぁ…)
(いやでも、プラシーボ効果があるから難しいのかこういうのって…)
(あるいは、「調子悪いのは好転反応!」って思ったかもしれないなぁ…)
(飲み始めるのと、効果が出るのに、時差もあるしなぁ…)
(権威を妄信するのが危険なのは、古今東西を問わないようです)
(とはいえ、専門家が正しい知識を持っている確率は確かに高いので、偏らないのも大事)
(要はバランス)

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