イマジナリーひろゆき
最近、TikTok見ていたら流れて来た、
陰謀論っぽいこちらの動画。
要約すると、
「もともと日本には、恋愛という概念は存在しなかった。
男が女を選ぶ、という行為のみがあった。
しかし、明治時代に他国の文化が入ってきて、
ヨーロッパから恋愛、という概念が入ってきた。
明治以降突然、恋愛という概念が日本に定着した」
というもの。
いやいやいやいや。
何言ってんだこの人。
とか思っていたら、
脳内にイマジナリーひろゆきが現れて
滔滔と語り出しました。
「なんだろう、
ウソつくのやめてもらっていいですか?」
「え、ひょっとして、源氏物語とか読んだことないっすか?
あれ、全編恋愛がテーマの小説ですけど?」
「いやでも、男性が女性を選ぶのは変わらないじゃないか!」
「いやいやいやいや、
夕顔とか源の典侍とかは、女性から男性に歌を投げかけていますよね?
万葉集とかだと、額田王の歌も有名ですし。
あと、古今和歌集だと、『恋』の部の部立てがあるじゃないですか。
それから、そもそも『恋』という日本語がある時点で、
概念があったことは明白で、
『恋という概念が日本になかった』って主張、無理だと思うんですよね。
あ、ちなみに『恋』って、『こふ(請ふ)』っていう動詞の連用形が名詞になったもので、日本国語大辞典によると、初出、万葉集3巻なんですよ。
明治時代より前ですよね。
あなた、嘘つきたいのか、
頭が悪いのか、
どっちですか?」
容赦ねぇなひろゆき。
「元国語の先生」というと、
「え、じゃあ、間違った日本語しゃべると怒られる」
と時々言われるのですが
言葉狩りには一切興味がないので(むしろ嫌い)
(言葉って、変化するものだし)
誤用には何も感情湧かないのですが、
明らかに間違った日本語の知識を、
さも正しい、と主張する人に対しては、
感情湧くんだな私。
という自己発見があった一日でした。
しかし、「万葉集」って、
貴族だけじゃなく、
庶民階級までが和歌を詠んでいて、
考えてみれば、
飛鳥時代の文化度の高さがヤバい。
進歩史観(昔は劣っていて、時代が進むにつれて人類が優れていく)って嘘かもね、と時々思うです。
テクノロジーは確かに進歩してるけど、
人間の中身が豊かになっているかというと、非常に疑問。
感想でした。