他力本願の破滅願望
先日の note で、ファム・ファタールについて書きましたが、
山田五郎さんの YouTube の中で、「男を狂わせ、破滅させる運命の女(ファム・ファタール)」について山田さんが解説されていたとき、
「これ(ファム・ファタール)ね、他力本願の破滅願望なんだよ」
というあまりにも的確な解説に、大笑いしておりました。
(以下セリフ起こし)(09:51から)
これは19世紀末のヨーロッパにすごく流行った概念なんだけど、
まぁ、「運命の女」っていう、「ファム・ファタール」、フランス語で言うと。
それはなんていうか、
男を狂わせて破滅させる魔性の女のことさ。
でそれがもう大ブームになるわけですよ。
今でもあるよ。
今でもその、魔性の女に憧れる心理っていうのは、
男にあるもんですよ。
あの、新宿、歌舞伎町あたりの飲み屋に行くと、
すべて失ってもいいと思うような女に会いてぇよなー、なんて
怪気炎を上げてるおっさんが必ずいます。
これねー、
他力本願の破滅願望なんだよ。
そういうふうに狂わせてくれる女の人がいたら
俺もいけるはずだみたいな。
すべてを投げ捨ててもいいと思えるような女に出会って死んじゃいたいみたいな。
(引用終わり)
動画はこちらから。
的確すぎるw
破滅にも、いろんな破滅があるのですが、
破滅覚悟で、人生棒に振る覚悟で芸術の道に突っ込んでいく人達は割と好きです。
そこに「表現」があるから。
そこに向かわざるを得ない「自分自身」と向き合っている感。
お商売されている女性にお金つっこんでの破滅とかは、
そこに向かわざるをえなかった「自分自身」から逃げている感を感じるので、個人的に、あまり好みではないかも。(あと、本当にプロならお客様の財政状況把握して破滅させないようにするので、素人にひっかかって破滅してんじゃねーよ安い破滅だな、とも思っちゃう)
(ギュスターヴ・モロー「出現」1876年)
「他力本願の破滅願望」
という、あまりのパワーワードに、
「破滅くらいは自力でやれよ」
という素敵なメッセージを(勝手に)感じた、11月の初旬でございました。
肝に銘じます。(銘じるな)
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