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音楽図像学入門講座

昨日は、
音楽家の中川つよし先生の、
絵画のモティーフからテーマを読み解く図像学入門講座を受講してきました。


中川先生は音楽家なので、
絵画の中に描かれた「古楽器」というモティーフから、
絵画を読み解いていったのですが、


へー!
楽器って、そんな意味があったんだ!!


と、知らない世界すぎてとても楽しかったです✨


たとえば、
トランペットが出てきたら、「王の名声」や「権威」の象徴。
(確かに、王様お出ましの時はトランペット吹きますね)
3本のトランペット→三位一体(父と子と精霊)の象徴、とか。


「弦楽器」と「管楽器」の対比もあって、
弦楽器…理性・知性/管楽器…情念・本能。

管楽器は「息で吹く」のが、その理由だそうです。

「息」が、本能とか、魂とか、
そういうものを表すのは、
洋の東西を問わないんだなぁ。
(古事記でも、アマテラスとスサノオ、「息」を吹き出すことで子ども達を生んでますね)


「ヴァージナルの前に立つ女性」

こちらの絵画、
中川先生いわく、
お見合い写真の代わりの肖像画。

ヴァージナル(小型のチェンバロ)が描かれているのは、

この当時、まだ電気も機械もないので、
音楽を聴こうと思ったら、
家族の中に、楽器を弾ける人がいなければ、
演奏会を聴きに行くしかなかった。

「楽器を弾ける」ことが、結婚する上で、非常に強い武器でありえた

のだそう。
(だからお見合いの肖像画に楽器を弾く姿が描かれる)
(面白い✨)


ヴァージナル(小型チェンバロ)は、
場所を取らず、
小型なため、お値段もそこまで高価ではなく、
弦の真ん中を弾くので、弦がたわんだような、独特の音を出すため、
(チェンバロは、弦の根本を弾くそうです)

チェンバロの代用品としてではなく、
ヴァージナルはヴァージナルとして、愛用されていたそうです。

ヴァージナルを弾く姿で、
男性が描かれることはほぼなく、
未婚女性が描かれることがほとんどなため、

「ヴァージナル」という楽器の名前も、
そこら辺から来たのでは?
という中川先生の説でした。


「ヴァージナル(小型のチェンバロ)→未婚女性の象徴」
と記号的に丸暗記するより、

こうやって丁寧に背景を説明してもらえると、
とても頭に入りやすいなぁ😊



音楽図像学(西洋美術における音楽的主題の研究)は、
あまり研究が進んでいない分野だそうです。

その理由が、

1)美術史家は、音楽や楽器に詳しくない。
2)音楽史家は、絵画の読み方に詳しくない。

からだそうで、
分野を横断する研究って、確かにそこがネックですよね。
わかるわー。
(専門家は、その分野内のことだったら何でも知っているけど、一端専門分野を離れると一般人と同じくらいの知識しかないって、あるある現象です)
(だから、とにかく知的好奇心旺盛で、専門分野だろうが違う分野だろうが知識を吸収しに行ける人か、プライド捨てて「知らんから教えて🧡」って他分野の専門家にお願いできる人が、横断研究の時は強い)


音楽図像学という知らない世界に触れて、
とっても楽しかった、日曜日の午後でした😊

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