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初めての手話 de 絵日記講座


今日は手話 de 絵日記講座を開催した。大人の皆さんに、自分の絵日記の描き方をきちんと紹介するのは初めてだった。

学生時代、妹尾河童氏の「河童が覗いたインド」を読んで以来、旅の絵日記を描くようになった。
妹尾河童氏はどんなに疲れても、宿泊した部屋や家具の寸法を巻尺で測って正確に描いていたらしい。
私にはそこまでの根気はなく、大雑把に描いている。

時間に限りのある旅行中、少しでも多くの印象を描き残したいので、できるだけ素早く描いている。
時間が足りない時は携帯電話で撮影して、記憶が新鮮なうちに写真を見ながら描くようにしている。
忙しすぎて苦行のように思われることもあるのだが、何年も経ってから読み返したとき、写真よりも鮮明に思い出すことができる絵日記は何にも代え難い。

使う画材は、マルマンのスケッチブックとサラサのジェルボールペンとステッドラーの水彩色鉛筆。
水彩色鉛筆は芯が軟らかくて塗りやすく、失敗しても水で溶かしてごまかすことができるので、下描きにも使っている。
速く描くために、色鉛筆を寝かせたまま弱めに持って、柔らかいタッチで塗るようにしている。
複数の色を重ねたり、寝かせていたのを垂直に近付けて、強調して塗ったりするなど、細かく描きこむこともある。
消しゴムは画用紙に色がつきにくくなるうえに、消しクズの掃除に手間がかかるので使わない。
旅のはじめは次々と目にする物事に絵が追いつかず、メモの走り書きばかりになってしまう。
慣れてきたら絵がメインになり、絵と文章の配置や大きさも意識するようになってくる。
このような、自己流の描き方を解説させていただいた。
それから皆で絵日記制作。


まずは、今日着てきた服の絵と説明文。
次に、あらかじめ携帯電話で撮影しておいた、自分の描きたいものを描いていく。
料理、草花、夜空、旅先で出会った風景、入った店にあった人形、愛用している靴、キャンプのテント、期間限定のアイスなど。
描くのは30年ぶりだという方、絵を習ったことがあり、普段から趣味でイラストを描くという方など様々であったが、誰もが一心不乱に描いていた。
あっという間に終わりの時間になり、見せ合い会。
それぞれの筆使いや色使いで表現されていて、絵も説明文もその方の興味関心や人柄が窺える魅力的な作品ばかりだった。
「学校ではきっちり描くよう習ったが、もっと気軽に描いてよいのだと思った。」
「無心になれる。」
絵日記を見せ合って話し合い、互いの表現を知ることで、自分の見方や感じ方、表し方を広げ、深めることができるのが今日の講座の醍醐味。

今後もまたこのような企画をしていこうと思う。
(2024年10月12日)

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