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子どもだましなんて、ないのかもしれない

映画の話をしますが、ネタバレはありません

 正直に言ってしまうと、俺は別にDisney&Pixerの映画は好きじゃなかったし、MCU(Marvel Cinematic Universe)もシリーズが多く追えそうにもなくて興味が持てなかった。やはり1作で終わったり、原作の小説がある映画の方が好きだった。

 この前、やんごとなき理由で「インサイド・ヘッド2」を見なくてはいけなくなった。前述のとおり興味もない、なんなら1も見てないし、それすら見る気もない、ちょっとしたら公開するであろうヨルゴス・ランティモス監督の「憐みの3章」の方が見たい。

 どうせ子どもだましだろうから、肩の力を抜いてみようと思った。今思えば、1人の映画好きとして、非常に態度が悪いが。その時は本当にモチベーションがなかった。

 そんな感じでみた「インサイド・ヘッド2」はなかなか面白かった。中学生の女の子の脳内を舞台に、擬人化した感情たち(ヨロコビ、カナシミ、イカリなど)が右往左往をする話だ。

 感情が擬人化しているのでキャラ立ちしていて覚えやすく、脳内を舞台としている世界観も良い。特に好きなのは、「意思の川」、「ひらめきの嵐」など、頭の中に本当にあるのかもしれないと思わせるような幻想的な場所や現象が存在していることだ。

 そんな世界が主人公の頭の中にはあるわけだが、主人公は主人公で、現実世界で人間ドラマを繰り広げている。そのすみ分けがファンタジーと人間ドラマをうまくMIXさせていた。普通に面白かった。

 そうして、映画を見終わり歩いていた俺はあることに気づいた。「インサイド・ヘッド2」を見るまでは、そういった映画はすべて子どもだましだと思っていたわけだが、俺が読む児童文学はどうだ?俺の好きなStar Warsシリーズはどうだ?と。

 というのも、俺は児童文学が好きだ。市の図書館で、小学生たちに紛れて、児童文学を漁っている。「クロニクル 千古の闇シリーズ」、「獣の奏者エリン」など。小学校の図書室に置いていたが、誰も読まないような本が大好きだ。(千古の闇シリーズは10年ぶりに新刊が出たらしい、マジでうれしい。これに関しても個別の記事を作りたい。)

 Star Warsだって、MCUまではいかないが9作もあり外伝、アニメシリーズなど、サーガがいくつもある。子どもの時に好きでそのまま見ている、読んでいるものは子どもだましと思わず、もしかしたら子どもの時に見ていれば好きになったかもしれないものを、子どもだましで片付けている。

 俺はなんて創作物に真摯に向き合っていないんだろう。そうして考えた、「子どもだましなんて、ないのかもしれない」。自分の好きなものを、ひたすら食い続けるのも良いけど、きっと今まで見てこなかった、読んでこなかったものにも、きっと良いものがあるはずだ。言い訳せず、様々なものを食っていきたい。ほんで合わなかったら、合わなかったで吐き捨てて、noteで気持ちを消化すれば良い。


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