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人気が出たから見なくなる、聴かなくなるあれ

 友達からよく、「あのアーティスト、人気出てから好きじゃなくなったな」と聞くことがある。俺は大衆に人気が出るような音楽を聴いていないから、その経験はあまりしていない。いや、子どもの頃一回だけしたことはあるわ。

 何なんだろうなあの気持ちは?言語化は難しいんだけど、「俺だけが知ってたのに…」てやつかな。街中で流れるようになったりするのが本当に嫌だった。

 「好きなアーティストが好きなことやってるだけなんだから応援しろよ」って話なんだけど、どうもその時は応援できないんだよね。

 ただ、大人になった今では、そんなこと別にどうでもいいし、そのまま応援するのも、離れるのも、好きにすればいいと思う。



 昔っから怖い話が好きで、子どもの頃からよく怖い話をネットで検索していた。今でも大好きだから、ここのnoteによく怖い話に関することを書いている。(一応、まとめたマガジンを下に張っておく)

 怖い話を検索していくと、なんでかわからないけどそのうち洒落怖に突き当たる。子どもの頃の俺は、誰も知らない怖い話を見つけられるそこが好きだった。秘密基地みたいで居心地がよく、ずっと洒落怖を掘っていた。

 八尺さまから始まり、ヤマノケ、リョウメンスクナ、アクロバティックサラサラ、邪視、信じようが信じまいが、八王子の首ひょこひょこ女など。

 だが今は、その洒落怖も様々な作品や創作物に登場し、人気を博している。上位の怪異たちも、聞き覚えがあるものがほとんどだろう。

 別に、創作物や作品に彼らが登場するのも別にいいし、なんならそれで怪談ブーム、ネット上の洒落怖ブームが再来するならうれしい限りだ。

 だが、どうも心がもやっとする。「怪異なのに人気博しちゃってええんか?」と思ったりもする。


あ、これ好きなアーティストが人気出ちゃった奴と同じだ。


 アングラネタだったものが急に人気になり、日の目を浴びて「きゃーきゃー」言われる。俺が昔から好きで、それを見ると「フヒヒ」と気持ち悪い笑みをこぼすおもちゃを、根明な姉が勝手に取り上げて友達に渡し、その友達が「おもしろーい」って遊んでるみたいな感じ。(わかりにきぃよ)

 洒落怖が人気になったからいいじゃねぇかよ、って話なんだけど、どこか心の中で「俺だけ(そんなことはない)が好きだったものなんだけどな」と思う。アーティストの時は大人ぶってたくせに、洒落怖がとられると「いやだな~」ってなる。

 今から長い人生、好きなものがさらに日の目を浴びていくかもしれないから、俺は深くまで掘っていくことにする。人は天高く舞う竜になろうとするが、俺のなるべきものは土竜(もぐら)です。マインド根暗です。

 以上。

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