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「IT系メディアLIGとサイハテの出会い」 vol.33

開村から5年が経とうとしていた頃、僕はサイハテ村の方向性について悩んでいました。

〝お好きにどうぞ〟で始まった村づくりでしたが、開村から1〜2年目は情熱や勢いが原動力となりましたが、3〜5年目では土台をしっかり築いていくような、実直で安心や安定を生み出すことがサイハテ村のフェーズに変化していたからです。

それはまるで狩猟⺠族から農耕⺠族へ進化するようでしたが、一方で新しいことに挑戦する勢いを失い、さほど変わらない毎日に退屈さを感じるようになっていたのです。

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外から見れば、開村から失速していった勢いを再び盛りあげ、エコビレッジ具合が日に日に増していくサイハテ村は、順調であり何の問題も無いように映っていたと思います。

しかし僕は、これでは過去の先人たちが築いてきたことの繰り返しであり、環境活動家やアウトサイダー達にしか届かないのではと焦っていました。

サイハテ村が社会を変え得る存在になる為には、今までにはない新しい要素を取り入れていかなければいけないと感じていたのです。

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サイハテ村をさらに進化させる為に必要な事は何か、どうすれば僕らのライフスタイルが多くの人に届けることができるのか。

社会には娯楽が溢れ、情報があっという間に消費される現代では、きっと正しさや理想だけでは見向きもされなくなるでしょう。

それならば、逆に消費されることを前提とした発信力と飽きさせないコンテンツを生み出せたらどうだろう?サイハテ村に多くの人を受け入れることが難しいなら、スマホを通して僕らの暮らしを味わってもらえばいいし、幸いなことに一万坪のサイハテ村で起こる事は生活から技術、動物の世話や人の交流など他では真似できないコンテンツに溢れています。

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そう思った僕は早速、コンテンツを面白く発信し成功しているWebメディアをリサーチすることにしました。

そして、SNSからの流入が多く、ITやビジネスというお堅いコンテンツでありながりも面白いライティングや企画を生み出していたWeb制作会社〝LIG〟をお手本に、村づくりをエンタメ化し、発信させる方法を研究し始めることにしました。

しかし、今までメディア業界にいた事もなければテクノロジーにも疎い田舎もんには何をどう始めたらいいか分かりませんでした。そこで、それなら本人から習うのが手っ取り早いだろうと、LIGの社員でサイハテ村に来たことがあったべべ君(めちゃバズったサイハテ記事「熊本県にヒッピーが暮らす「サイハテ村」があると聞いたので行ってみた。」)にアポを取ってもらい、東京に拠点を持つLIGの本社に乗り込み、社⻑に直談判してみることにしたのです。

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「熊本でSAIHATEというエコビレッジを作っているのですが、その暮らしっぷりをLIGで連載して頂けませんか?ギャラは無くて大丈夫です!」

代表のゴウさんは歳も近く、同郷だったこともあり、その場で快諾。こちらとしてはタダでLIGからライティングを学べる上に、サイハテ村の宣伝もできる事になった訳です。

そもそもエコビレッジは自然志向派の人たちが実践していることなので、ITやメディアと手を組む事例はほとんどなく、どんな影響が起こるのか分かりませんでしたが、単純に、都会で働くIT系の人たちがサイハテ村を知って来てくれたら、面白い化学反応が起きそうだと思ったのです。こうして、LIGと手を組むことでサイハテ村の要素に新しいエンタメ性が生まれることになったのです。


次回は、vol.34「虫を食べたり、道を作ったり。」です。フォロー、スキ、シェアしてくれると励みにります!^ ^

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