妻の鬱憤を「妄想ハワイ旅行」で晴らす
私自身は旅行にあんまり興味がなく、妄想旅行と言われてもこれといって行きたい場所が思い浮かばない。「妄想旅行」という文化?自体、この企画で初めて知った。こういうときは、ネタ出しに強い妻に頼るに限る。
「どこか行きたいところある?」と聞いて、返ってきたリクエストがこれだ。
多少読みにくいところを手直ししたが、ほぼ原文のままである。こういうとき、これと言って思い浮かばない自分はつまらん人間だなと痛感するので、妻のようにあれこれポンポン出てくると本当に気持ちが良い。
しかし妄想旅行とはいえ、すべてのリクエストに応えるのは難しいので(主に執筆時間などの都合上)、もうすこし絞ってもらうことにした。
「ほんとに行けるとしたらどこに行きたい?」と聞き直すと「じゃあハワイだ」ということで、改めてもらったリクエストがこれである。
今回の旅行のお品書き
これが、ものの数分で言語化された。だいぶ整理したが、実際にはもっと具体的で、食べるメニューなども決まっていた。どれだけ鬱憤がたまっていたのだろう。
そういうつもりで始めた企画ではなかったけれど、いい機会なので、彼女の溜まりにたまった鬱憤をすこしでも晴らせるよう頑張りたい。
日程は9月1日から9月10日の10日間。そこを選んだ理由は、どうせなら結婚記念日である9月8日をハワイで過ごしたかったからである。
それでは、妻の留学時代の鬱憤を晴らす妄想のハワイ旅行へ行ってみよう。
1日目
まず9月1日(金)の夜20時、仕事を終えたその足で成田から直行便で出発。
同日8時45分にホノルルへ着いた。
今回の旅では、オアフ島西部のコオリナ方面に2泊したのち、ワイキキで6泊しながら東部や北東部、さらにハワイ本島の方まで足を延ばす。初日の宿泊先は、妻の要望のひとつであった「アウラニ」だ。
荷物を預けるため、すぐさまアウラニのあるコオリナ方面へ向かいたいところだが……まずやらなければならないことがある。そう、「家族みんなでアロハシャツを着て過ごしたい」という要望に応えるため、家族のアロハシャツを揃えるのだ。これは早いほどいい。
事前に調べた限り、確実に「ベビー用のアロハシャツがある」と書いてあったのが唯一「Taj クラブハウス」だけだった。
子ども用のアロハシャツを買い、改めてアウラニへGOだ。ちなみに移動は基本トロリーバスである。
バスに乗り、アウラニへ向かう。しかしまだアウラニには着かない。アウラニへ向かう途中で下車し、「カ・マカナ・アリイ・ショッピング・センター」で今度は大人用のアロハシャツを買う。
こんな機会なかなかない。どうせならアロハシャツの老舗「レインスプーナー」でいいやつを買おう。
そうこうしているうちにお昼時になってきたので、同ショッピングセンター内の「カリフォルニア・ピザ・キッチン」で昼食にする。
食べるものは妻にヒアリング済だ。
お昼を食べたら、いよいよアロハシャツの一家がアウラニに到着する。
ホテルでは自由に過ごそう。
プールへ行ってもいいし、部屋でだらだらしてもいい。
しかしプールは急がないとイスが取れないとか何とか聞いたので、ビーチが無難だろうか。
ダメだったら窓辺でボーっとしているだけでもきっと飽きないだろう。
17時からは、「カ・ヴァア:ルアウ・アット・アウラニ」を観る。
ディズニーリゾートのホテルらしく、ハワイ伝統のファイヤーダンスとディズニーキャラクターを一緒に楽しめるのだ。これをディナーとともに堪能する。
2日目
朝食は、アウラニから徒歩ですぐのところにあるコオリナステーションへ。「アイランド・ヴィンテージ・コーヒー 」でアサイーボウルを食う。
腹ごなしが済んだら、散歩がてら「パラダイスコーブ」のパブリックビーチへ向かってみよう。ここはそう広くないが、亀との遭遇率が高い穴場らしい。
この日はほかに予定を入れていない。あとの時間は、コオリナステーション近辺でショッピングを楽しんでもいいだろう。
昼食か夕食で、コオリナステーションにある「モンキーポッド・キッチン」のポキタコスが食べたい。
3日目
アウラニをチェックアウトしてハレクラニへ。ハレクラニは5泊連泊すると1泊ぶん無料になるので、ちょっと長めに泊まることにした。今日から、ハレクラニのあるワイキキビーチ近辺を拠点にして過ごす。
ハレクラニに荷物を預けたら、妻の要望のひとつであった「エッグスンシングス」で昼食だ。要望は「朝食」だったのだが、勘弁してほしい。どうしてもという場合は、他の日の朝食に差し替えてもいいので。
妻のオーダーは以下のとおりだ。
食事を終えたら、腹ごなしに「ワイキキガンクラブ」で実弾射撃体験をしてみよう。
これだけで『名探偵コナン』の工藤新一ばりに撃てるようになるのかは甚だ疑問だが、あれは工藤優作(新一の父)のコーチありきなのだろうか。
4日目
ハレクラニでは朝食が出るので、ここからは基本的にホテルで朝食を済ませることになる。朝食を済ませたら、今日は「ダイヤモンドヘッド」へハイキングに行く。
運動してお腹が空いたところで、麓にある「ダイヤモンドヘッド・マーケット・グリル」で昼食をとる。メニューはがっつり目のプレートランチだ。
午後はまるまる時間が余るから、余力があれば「シー・ライフ・パーク・ハワイ」へ行きたい。車で片道30分ほどだ。
アシカやイルカのショーに、サメの餌付けなどなど、一般入場料だけでもやれることがたくさんある。疲れたらキッズプレイゾーンへ行こう。大人の休憩スペースと子どもの遊び場が一緒になっているから、休みながら子どもを遊ばせておくことができる。
5日目
この日のメインは、セスナの操縦体験だ。
アクティビティ後の体力次第では、チーズケーキファクトリーでクソでかチーズケーキをテイクアウトしよう。
そいつをもって、ワイキキビーチ近くのスタバで食べれば、学生時代の鬱憤も晴れるというものだろう。
6日目
今日はハワイ本島でアクティビティを楽しむ日だ。片道45分ほどの飛行機で本島へ向かう。
本島のアクティビティといえば海のものが人気らしいが、妻も私も泳げないので却下。街散策やランチの時間が確保された、キラウエア火山のハイキングツアーがちょうどいい感じだ。
7日目
この日はホノルル動物園に行くほか、とくに予定を入れていない。
連日のアクティビティで疲れている頃合いということで、ゆとりを持ったスケジュールにしている。
ホテルでゆっくり過ごしてもいい。
もちろん、余裕があればラニカイ・ビーチへ行ってみてもいい。
8日目
オアフ島北東部の「クアロア・ランチ」で、バギー(ラプター)や乗馬体験、ジップラインなどを楽しむ日だ。
1日体験コースもあるようだが、がっつり味わうなら自分でプログラムを選んだほうがいいのだとか。
アクティビティを終えてホテルへ帰ったら、ちょっと贅沢してハレクラニの中にあるレストラン「La Mer」でディナーとしゃれこもう。なぜなら、今日は結婚記念日だからである。
その後、同レストラン内のバー「L’Aperitif」でカクテルをいただく。でも「食前酒」という名前からして、バーにはディナー前に立ち寄るべきだったか?そのあたりはまあ、臨機応変に。
頼むカクテルもこだわりはない。ハレクラニのオリジナルカクテルも、ノンアルコールドリンクも、どちらもとてもうまそうだ。
9~10日目
買い忘れたお土産などがあれば、12時の便が出るまでの間に済ませたい。間に合わなければまあ、仕方ない。
そんなこんなで帰路につき、日本に着いたらもう日曜日の15時だ。翌日から仕事なんて正気の沙汰ではないので、もう1日休みをとっておいたほうが無難だろう。
おわりに
以上が妻のリクエストを詰め込んだ妄想旅行である。
Googleマップや各種ホテルやツアー会社のホームページを眺めまわり、あれこれ考えあぐねた結果、8泊10日のハワイ旅行プランが完成した。Googleマップのストリートビュー挿入がうまくいかず、使える画像を探すのに難儀した割に、処理が重くてしっかり表示されていなさそうな点が心残りである。noteのプレビューと相性が悪いのだろうか。
妄想旅行とはいえ、現実味がないとワクワク感も半減するかと思い、ある程度予算も考慮した。しかし、そもそも要望にあったホテルがバカ高い(1泊10万円以上)ので、宿泊費だけでゆうに100万を超える。道中の買い物や食費、交通費もあわせれば200万は下らないだろう。でもハワイ旅行ってそんなものなのかもしれない。私自身は一度も経験がないのでよくわからないが。
そのほかに、子どもの食事とかお昼寝の時間とか、予測がつかないものは一切考慮に入れなかった。日常でさえろくに予測がつかないのに、旅行先のスケジュールに組み込むのは無茶があると判断したためだ。
そういう意味では、現在の我が家にとってまったく現実味のない旅行になってしまった。しかし裏を返せば、子どもがある程度大きくなれば、こういう旅行も不可能ではないということだ。お金さえあれば。
いつ行けるかはわからないけれど、いつか行きたいと思う。なにより、旅行に興味のなかった私が、行先を決めて予定を立てるという行為を楽しめたことに感動している。
妄想旅行は、楽しい。
文章:市川円
編集:べみん
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