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SDGsについて正直なところをあれこれと。
駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。
今回のテーマは「#SDGsへの向き合い方」です。
SDGsへの向き合い方か……。テーマを見て真っ先に「子育てが忙しくてそれどころじゃない」と思った。しかし、「じゃあ子育てがなければ一生懸命取り組んでいたか?」といえば、そんな自分も想像できない。ただの言い訳だ。
むしろ、子どもが生まれていなかったら、結婚していなかったら、もっと無関心だったに違いない。単純に今は余裕がないだけで、子育てがひと段落ついたらそこそこ関心を持つだろう。(そしていざ関心を持つ側に回ったら、きちんと考えない人に内心でイライラしたりするのだ。ヤな奴である)
それどころじゃないと思いつつも、それなりに関心を持っている目標もある。例えば、SDGs 17の目標のうち4つ目の「質の高い教育をみんなに」だ。
現在1歳の息子が学校へ通う2030年ごろには、学校教育はどうなっているだろう。わが子はどんな教育を受けるのだろう。そういうことを考えるのは、けっこう楽しい。最先端の教育がどうなっているか、というよりも、純粋に自分たちのころとの違いが気になる。その関心の持ち方はSDGsの目標に込められた文脈とは少し意味合いが異なる気もするけれど、まあ関心がないよりはいいのではないか。
教育以外では、5つ目の「ジェンダー平等を実現しよう」についても関心がある。先日、Netflixで配信されている「クィア・アイ」という番組を妻と観て、ずいぶん感銘を受けた。
「ファブ5(fabulous5の略)」と呼ばれる5人のゲイが、各々のプロフェッショナルを活かして依頼人を変身させるという構成なのだが、ただ見た目を変えて終わりの番組ではない。生活態度やメンタリティにも踏み込んで、短期間で根本から依頼人を変容させていく。
ときには、依頼人に寄り添うため、ファブ5の過去のトラウマや葛藤が本人たちの口から語られることもある。その内容はなかなかに苛烈で、現代社会でそんな差別が本当にあるのかと、少なからず衝撃を受けた。
差別はクィア(性的少数者)に限った話ではないし、過去の話でもない。頭ではわかっているつもりでも、当事者の話を聞かなければわからないことは多いし、聞いたところでわからないままのことも多い。むしろ、聞いたことでわからないことが増えることすらある。それでも、わかっていないのにわかった気になるよりはずっとマシだ。
どんなに話し合ったところでわからないことがなくなることはない、というのが唯一わかっていることであり、それを忘れさえしなければ、多様性とか平等とかを難しく考える必要はないんじゃないかと、個人的には思っている。
もちろん、SDGsの文脈で語られる「ジェンダー平等」は、そういった意識の問題で片付くものばかりではなく、制度や仕組みで対応しなければ解決の難しい問題も多い。それでも、制度や仕組みを作るのが人間である以上、意識上の垣根を取っ払えるに越したことはないのではないだろうか。
話が飛ぶようだが、どうも最近は、「わからない」ままにしておくことを悪とする風潮が強いように思う。なんでもかんでもはっきりさせたがる。それで、他の誰かや自分の首を絞めないといいのだけれど。……この話をし始めるとSDGsから逸れそうなのでやめておこう。
さて、そんな具合で、関心のある目標がある一方で、よくわかっていない目標も多い。たとえば資源の枯渇や環境問題については、正直あんまり分からない。
人並み以下の知識しかないので、「これやってね」と言われたら、言われるがままに取り組むことしかできない。レジ袋有料化とかも、「マイバッグに切り替える方がむしろデメリット大きいよね」なんて話も目にしたけれど、個人レベルでそんなこと判断できないよ……と思いながら、マイバッグを持ち歩く日々だ。
ごみの分別も、なるべくリサイクルに回せるように意識して処理してはいるが、しかし、「これが何になるのだろう」とか「だからどうした」といった思いは拭いきれない。
マイバッグの持参も、ゴミの分別も、「個人でこんなことちまちまやって、いったいどれほどの成果に繋がるのか」と疑問を抱きながらやっている。しかし、その疑問を解消するために情報を収集する余裕もないので、思考停止しながらやっている。
関心のある問題とそうでない問題とのギャップがずいぶんと激しい。
地球に住まう以上、本当はすべての目標に興味を持ったほうがいいのだろう。しかし、家庭の持続可能性を犠牲にしてまで、世界の持続可能性に寄与することはできない。優先順位と、余力の問題だ。
やれることを、やれる範囲でやるのだ。(開き直り)
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