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サンシャイン池崎のおすすめ動画を紹介する。
駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。
今回のテーマは「#お笑い」です。
サンシャイン池崎が好きだ。彼の代表作と言えばやはり「自己紹介」ネタである。
空前絶後
引っ張って引っ張って、最終的に自分の名前を叫ぶ。それだけのネタなのに、何回も見てしまうし、何回も見れてしまう。それもそのはずで、実はこのネタは養成所講師も務める座付き作家とコンビで作ったもの。ネタの作り込みは折り紙付きというわけだ。これ一本で一気にお茶の間に浸透した実績は伊達ではない。
記憶喪失
勢いだけの芸風という印象が強いかもしれないが、実はこういうお笑いIQ高めのネタもやっている。
記憶喪失になった池崎が、自分の芸風に対して客観的なツッコミを入れるという構成。認知度が上がったあとだから成立するメタネタだ。勢いだけでは作れない。先ほどの自己紹介ネタも、声の大きさや動きが目につきやすいけれど、間や言葉選びが秀逸で、よく見るとかなり配慮が行き届いていることがわかる。
ねこおじさん
明らかに一発屋な芸風なのに、2016年ごろにブレイクし始めてから、なんだかんだずっとテレビに出続けている。こうなってくると、ネタのおもしろさだけではない。優しい人間性が今の時代にあっているのだろう。
近年では、保護猫活動をする「ねこおじさん」のイメージもだいぶ定着した。
捨てられたり多頭飼育崩壊などにより保護された猫を預かり、人に慣れさせて一般の人が引き取れるようにするボランティア活動だ。テレビの企画で始めたわけではなく、もともと彼がやっていた活動をテレビが後押しした。
猫と過ごすときの彼は、いつもの大声が嘘のように静かでゆったりしている。猫に気を使っているわけではない。彼の素はこちらなのだ。
静かに酒を飲むだけ
彼のYouTubeチャンネルでも「静かに酒を飲むだけ」の動画がたびたびアップされている。
こちらの動画は100万再生を突破しており、静かな彼を見ていたいニーズの根強さが垣間見える。やっていることは、作家と話しながら酒を飲んでつまみを食うだけ。動画に寄せられたコメントによると、宅飲みのお供にいいのだとか。
真冬にふんどしで鬼ごっこ
「静かで穏やかなねこおじさん」を求めてたどり着いた人をふるいにかけるように、YouTubeチャンネルでは定期的に体を張った動画もアップされる。
こちらは、「DbD(デッドバイデイライト)」という人気ホラーゲームを現実でやってみた動画。逃げる方は股の間にふんどしを挟む、鬼は走らない、などの制限を課すことでカメラが追いやすくしている。捕まった人は低周波治療器を付けられたり、ふんどしの中に氷を入れられたりする。
出オチ感のある絵面だが、ゲームバランスが絶妙で、ちょっとハラハラさせられるのがかえって悔しい。
金玉パーキング
個人的なイチオシはこれ。「R-1(リアクション-1)グランプリ」と銘打ち、一人で「思わずリアクションを取ってしまいそうな罰ゲーム3種」にチャレンジした動画だ。
15分20秒くらいからの「金玉パーキング」は一見の価値がある。
最高時速60kmの高機能ラジコン(1万8千円)を、アクセル全開で金玉に突っ込ませるというもの。フリからオチまでスパッと切れ味良く終わるので、痛々しいリアクション芸が苦手な人もチャレンジしやすい。
こういう「今のテレビではできない体の張り方」もまた、彼の真骨頂である。しかし本稿執筆時点で、「静かに酒を飲むだけ」の動画が144万再生なのに対し、「金玉パーキング」は14万再生。寂しい気もするが、金玉パーキングが大ヒットされても困惑するので、これでいいのだと思う。
体を張る池崎が好きな人には、下記の再生リストがおすすめだ。
同時通訳
「世界進出を目指す」と謳うYouTubeチャンネルでは、自己紹介ネタを同時通訳する意欲作も公開している。
大河ドラマにも出演するカイル・カードという俳優が通訳を務めており、無駄に完成度が高い。主に、カイルさんの理解力と翻訳力に支えられた企画だ。
おわりに
自己紹介ネタの中に預金残高を言うくだりがある。これは決まった金額ではなく、そのときどきでリアリティのある額を言う。2016年の動画では8万円だったのが、2022年には4630万円になっていて、一ファンとして勝手に安心した。
静かで穏やかな活動と、頭のおかしい体の張り方を、末永く続けていってもらいたい。
執筆:市川円
編集:真央
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