エニアグラムの本に書かれているタイプ3国家アメリカ
エニアグラムでは、アメリカの国民性はタイプ3だと言われています。
探してみたら、エニアグラムでアメリカを説明している本が2冊見つかりました。
そこで今回は、エニアグラムの本を引用しながら、タイプ3国家アメリカを見てみたいと思います。
『エニアグラム(1998 ヘレン・パーマー)』より
タイプ3は、アメリカの猛烈社員の典型だ。手元の仕事に全精力を傾け、厳しい競争を最善を尽くして戦い抜き、最後に勝者の仲間入りを果たす。世界は勝者のためにあると信じ、できるだけ速く、できるだけ能率のよい方法で、勝利をおさめようとする。
競争好きで、個人プレーに走りたがる傾向は、現在のシリコンバレーの活況によく表れている。そこでは新しい製品が次々と世に出て、見込のある市場へとただちに参入してゆく。拡張時こそ、タイプ3は強みを発揮する。時機さえよければ、生産ラインを拡張し、新しい分野にうって出る。「このままどんどん行くぞ」と言わんばかりである。逆に時機が悪いと、とにかく大きく立派に見えるようにと取り繕う。
『性格のタイプ(2000 ドン・リチャード・リソ/ラス・ハドソン)』より
アメリカ合衆国は急速に機能不全の「タイプ3」文化になりつつある。駆り立てられ、自愛的で、イメージ志向で、実質より外観を、実物よりも象徴を大事にする。あらゆるものが出来合いの商品のように扱われるのに見るように、優秀さを求めること(健全なタイプ3が好例であるように)は作り物を賛美することに取って代わられつつある。つまり、すべてが包装され、宣伝され、売り出される。
コミュニケーション媒体、なかでもテレビは、大衆に何かが売れるように注意を引きつけることに主な関心がある。浅簿な価値や「興業事業(ショービジネス)」の人目を引く華やかさが、あらゆる物事を判断する基準になってしまった。唯一の指針は注目を集める能力である。何が注目され、求められているかに価値がある。人々は見事な包装に惑わされて、中身のないことに往々にして気づかない。マルクハーンの言葉を言い換えれば、包装はメッセージである。
理想は勝者になること、つまり、成功し、有名になり、賞賛されることである。いたるところで人々が成功と名声を追い求める。毎日、新刊書が、成功のための着こなし、成功のための食べ方、成功のための人脈づくりを教授する。私たちは自愛的な空想を売りつけられている。他の誰かのようになり、その少しだけ上を行けば、「ひとかどの人物」になれる。自分のイメージをうまく操れば、あなたもスターに、いや、神になれる。
アメリカと言わず、タイプ3全般に対しては、こう書かれています。
タイプ3は、自分に与えられた社会的・文化的な環境の中で尊ばれる性質はすべて体現するように、懸命に努力する。
タイプ3は賞賛されたいんですよ。他人から。周りから。
だから、ショートカットで、アウトソーシングで、面倒臭いことは他人に押し付けて、とにかく最短で賞賛を目指すんです。
でも、困難になってくると、今度は「とにかく大きく立派に見えるようにと取り繕う」ことをし始めるんです。それは、「作り物」であったり「包装」であったりします。
レベルの高いタイプ3が本物の金を目指していたとすれば、レベルの低いタイプ3は金メッキでも自分を素晴らしく見せようとし始めるんです。
なぜって、失敗している自分に耐えられないから。
今回引用した文章は、長い文章の一部だけです。独断と偏見で文章を切り取っていますので、そこのところは、ご了承ください。
タイプ6の国、日本にとって、タイプ3は分裂の方向です。
タイプ6の状態が悪くなったときには、タイプ3的な性格タイプの面が出てくると言われています。
日本が、ここに引用されているような状態になったときには、かなり悪い状態になっているということです。
もう、そういった兆候が出ているようにも思えます。
参考
『【エニアグラム用語】統合と分裂』
そのほかのタイプ3話