ものごとの理解、脳の活動に「ため息」は必要(メモ)

『スマホ読書は「読解力」を低下させると判明! その原因はため息が減るから?』

2022年に昭和大学医学部が行った研究では、電子機器の読書の方が「読解力」が低下していることが報告されました。

これは以前からも指摘されていましたが、本研究の新しい知見は、読解力が下がる原因まで示されたことです。

それによると、「脳の過活動」と「ため息の減少」が関係しているという。

ため息は社会的コミュニケーションにマイナスの印象を与える一方で、認知機能にはプラスの影響を与えることがわかった

ため息は、意識的にせよ無意識的にせよ、作業効率を高める可能性がある

これまでの研究で、人は認知的な負荷をともなうタスクに直面すると、ため息を着く回数が増えることが示されています。

ところが、スマホ読書による脳の過活動は、逆に、ため息の回数を減らしていました。

これについて、研究チームは「紙媒体での”適度な”認知負荷は、ため息の増加につながり、それが脳機能を回復させているのだろう」と指摘。

そこで本間氏は「電子機器を長時間使用する人は、意識的にでも深呼吸を取り入れることを提案したい」と述べています。

私もこれを読んでから半分意識的に深いため息をついています。


『『ため息』の効能』

あまりポジティブな印象のない「ため息」ですが、ため息がやる気を高めるという報告があります。井上他( 2016)の実験では、ため息をつく「ため息」群と、普段通りに息をする「統制群」に分けて、難しいパズル課題や単調な課題にどれくらい辛抱強く取り組むことができるかが調べられました。結果、「ため息群」が「統制群」よりも、長く課題に取り組み、課題後も、もっと取り組みたいという意欲が高かったそうです。

ため息のもう一つの効能として有力なのが、ため息の「リセット仮説」(Vlemincx, Van Diest, et al., 2010)です。長く緊張状態やストレス状態にさらされると、呼吸が浅くなってきます。そこで、「ふぅううう~」とため息をつくことよって、肺がストレッチされ、通常の2倍の空気を取り込むことができるのです。この一呼吸によって、次の新たな行動に向かう意欲がわいてきます。普段から、リラックスのために腹式呼吸をとりいれている方もいらっしゃると思います。深く息を吸い込んで息を止め、ゆっくりと吐き出す呼吸を繰り返すと、副交感神経系が優位になって、ゆったりした気分になります。この腹式呼吸は、効果は大きいものの、慣れないうちは案外難しいです。これに比べて、ため息は誰もが体験している日常的な呼吸です。練習なしで気楽に気分をリセットできるお得な呼吸法といえます。

皆さん、ため息をついてますか?

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