AIエージェントの総合ガイド【スライド紹介】
はじめに
以下、AIエージェントのスライドがよかったのでまとめてみました。
生成AIの話題は、今ではAIエージェントの話へと進化しています。
生成AIは基本的にチャットのやりとりが中心でしたが、AI エージェントは複雑なタスクを自律的に実行できるようになりました。
AIエージェントへの進化
1. プロセスオートメーション(Process Automation)
最も基本的なAIの形態です。決められた手順(プロセスワークフロー)とデータに基づいて、単純な作業を自動的に実行するスクリプトを作成します。例えば、請求書の処理や定型メールの送信など、反復的な業務を自動化するのに使われます。
2. 教師あり学習AI(Supervised AI/ML)
トレーニングデータセットを使って機械学習モデルを訓練し、予測や分類を行うAIです。例えば:
スパムメールの判定
商品の需要予測
医療画像からの病気の診断 など、パターンを学習して判断を下すことができます。
3. 生成AI(Generative AI)
プロンプト(指示)に応じて、新しいコンテンツを生成できるAIです。大規模言語モデル(LLM)を使用して:
テキストの作成
画像の生成
動画の作成 などができます。ChatGPTやMidjourneyなどが代表例です。
4. エージェントAI(Agentic AI)
最も進化したAIの形態で、より自律的に行動できる特徴があります:
目標(Goal)設定
計画(Plan)立案:データを参考に
行動(Act)実行:他のシステムと連携しながら
振り返り(Reflect)
応答(Response)生成
エージェントAIの機能例
この図は、エージェントAIが持つ「最適化」、「改善」のサイクルを示しています。
以下、4つの要素で構成されています。
計画(Plan)
目標達成のための戦略を立てる段階
過去の経験や現在のデータを基に最適な方法を検討
実行(Execute)
立てた計画を実際に行動に移す段階
タスクの遂行や問題解決を行う
振り返り(Reflect)
実行した結果を評価する段階
成功点や失敗点を分析
改善(Refine)
分析結果を基に方法を改善する段階
より効果的な戦略を練り直す
図の上部に示されている5つの機能は、このサイクルを支える重要な機能です。
自己振り返り(Self-reflection)
自身の行動や判断を客観的に評価する能力
どこが上手くいき、どこが改善が必要かを理解する
適応学習(Adaptive learning)
新しい状況や変化に対応して学習を進める能力
経験から学び、行動を調整する
エラー修正(Error correction)
間違いを認識し、修正する能力
問題が発生した際の対処方法の改善
リソース最適化(Resource optimization)
限られた資源(時間、メモリ、処理能力など)を効率的に使用する能力
最小限のリソースで最大の効果を得る
戦略の改善(Refine strategy)
より効果的な方法を見つけ出す能力
成功確率を高めるために戦略を調整する
AIエージェントプラットフォーム リファレンスアーキテクチャ
この図は、企業がAIエージェントを活用するための基盤となるプラットフォームの構造を示しています。
左側に示される5つの層(レイヤー)と、右側の詳細な実装構造で構成されています。
5つの基本レイヤー
エージェントマーケットプレイス(Agent marketplace)
様々なAIエージェントを提供・取得できる場所
企業が必要なAI機能を選択して組み合わせることが可能
オーケストレーションレイヤー(Orchestration layer)
複数のAIエージェントの連携を管理・制御
タスクの分解や実行順序の調整を行う
統合レイヤー(Integration layer)
既存の企業システムとAIエージェントを接続
データやプロセスの連携を実現
共有メモリレイヤー(Shared memory layer)
AIエージェント間でデータや状態を共有
効率的な情報の受け渡しを可能に
ガバナンスレイヤー(Governance layer)
AIの使用に関する規則や制御を管理
セキュリティやコンプライアンスを確保
複雑なタスクへの取り組み方
この図は、複雑なタスクをAIがどのように処理するかを示しています。大きく2つのステップがあります:
タスクの分解
複雑な課題を小さな単純なタスクに分割
それぞれのタスク間の関係性や順序を整理
エージェントの組み合わせ
分割されたタスクを実行できるAIエージェントを選択
複数のエージェントを連携させて全体を実行
具体例:旅行予約システム
図の右側は、旅行予約という複雑なタスクを階層的に分解した例を示しています。
メインタスク
旅行予約(Travel Agent)
サブタスク
フライト予約
航空会社への支払い
マイル付与
手数料支払い
列車予約
鉄道会社への支払い
チケット発送
ポイント付与
ホテル予約
ホテルへの支払い
ボーナスポイント付与
支払い処理
クレジットカード決済
ポイント処理
タスク実行の2つのアプローチ
動的アプローチ(Dynamic)
システムが実行時に最適な計画を立てる
利用可能なエージェントの能力に応じて柔軟に対応
状況に応じて最適なエージェントを選択
静的アプローチ(Static)
事前に決められた組み合わせでエージェントを設定
設計時に機能の組み合わせを定義
予測可能な実行パターンを実現
このアプローチの利点
複雑さの低減
大きな問題を管理可能な単位に分割
それぞれのタスクに特化したエージェントが対応
効率性の向上
並行処理が可能
各エージェントが得意分野に集中
柔軟性の確保
新しいサービスや要件に応じて拡張可能
エージェントの追加や変更が容易
信頼性の向上
各タスクの責任が明確
エラー発生時の影響を局所化できる
L2R(Learning to Rank)
L2Rとは?
L2R(Learning to Rank)は、ユーザーのプロンプト(要求)に基づいて、最適なAIエージェントを選び出すためのランキングアルゴリズムです。
システムの主要な仕組み
1. エージェントの記述変換
各AIエージェント(Class 1, 2, ... n-1)の説明文を、意味的な埋め込み(Semantic Embeddings)に変換
この処理は事前(オフライン)に行われる
新しいエージェントも同じ方法で追加可能
2. 共通の埋め込みモデル
ユーザーのプロンプトとエージェントの説明文に同じ埋め込みモデルを使用
これにより、プロンプトとエージェントの適合性を正確に比較可能
3. ランキングプロセス
ユーザープロンプト/タスク説明を受け取る
埋め込みレイヤーで意味的な変換を行う
L2Rモデルが各エージェントの適合度をスコア化
スコアに基づいて最適なエージェントを選出
4. メタ学習の活用
学習時と推論時の埋め込み結果をキャッシュ(一時保存)
これにより、L2Rアルゴリズムのメタ学習が可能
システムの精度が継続的に向上
このシステムの利点
効率性
自然言語による要求から適切なエージェントを素早く見つけ出せる
拡張性
新しいエージェントを簡単に追加できる
システムが自動的に新エージェントを評価
適応性
メタ学習により、選択の精度が時間とともに向上
ユーザーの要求パターンに適応
汎用性
さまざまな種類のタスクや要求に対応可能
自然言語による柔軟な指示に対応
実際の使用例
例えば、ユーザーが「顧客データの分析レポートを作成して」というプロンプトを入力した場合:
プロンプトを埋め込みに変換
利用可能な全エージェントとの適合度を計算
データ分析に特化したエージェントが高スコアを獲得
最適なエージェントを選択して実行
このシステムにより、ユーザーは技術的な詳細を知らなくても、自然な言葉で最適なAIエージェントを見つけ出すことができます。
これは、AIシステムの使いやすさと効率性を大きく向上させる重要な技術といえます。
コメント
ユーザーペルソナによるパーソナライゼーション
企業向けAIエージェントのパーソナライゼーションには、規模、性能、プライバシーなど様々な課題があります。これに対して、ユーザーペルソナを活用するアプローチが提案されています。
主要な3つのコンポーネント
1. ユーザーのカテゴリ化
ユーザーを管理可能な数のカテゴリ(ペルソナ)に分類
人口統計的特徴や好みに基づいて分類
大多数のユーザーを代表するペルソナを作成
2. パーソナライゼーションの仕組み
ユーザーデータの埋め込み
個人の設定や好み
過去の対話履歴
エージェントの種類
LLMエージェント(基本的な対話)
強化学習エージェント(学習と改善)
予測分析エージェント(データ分析)
パーソナライズされたエージェント
各ペルソナに特化したバージョン
ユーザーの特性に合わせた応答生成
3. ファインチューニングプロセス
ユーザーデータの集約と分析
データをLLMのメモリとして保存
パーソナライズされた応答のための調整
エージェント-ユーザーペルソナルーター
このシステムの重要な部分が「ルーター」で、以下の機能を持ちます:
ユーザーセグメンテーション
ユーザーの特徴を分析
最適なペルソナを判定
タスク振り分け
ユーザーからの要求を分析
最適なエージェントペルソナに割り当て
このアプローチの利点
効率性
完全な個別化ではなく、カテゴリ化することで管理可能
システムリソースの効率的な利用
プライバシー保護
個人データを直接使用せず、カテゴリ化して使用
データの匿名性を保持
スケーラビリティ
新しいユーザーも既存のペルソナに分類可能
システムの拡張が容易
パフォーマンス最適化
各ペルソナに特化した応答が可能
ユーザー満足度の向上
記憶の基本的な流れ
記憶の処理は3つの主要な段階を経ます:
1. 感覚記憶(Sensory Memory)
外界からの情報を最初に受け取る段階
視覚、聴覚などの感覚器官を通じて情報を取り込む
「エンコーディング(符号化)」により情報を処理
必要のない情報は「忘却」される
2. 短期記憶(Short-term Memory)
一時的に情報を保持する段階
作業記憶としても機能
容量に限りがあり、一定時間で消失
重要でない情報は「忘却」される
3. 長期記憶(Long-term Memory)
情報を長期的に保存する段階
「学習とリンク付け」により情報を定着
他の記憶との関連付けで強化
使用頻度の低い情報は徐々に「忘却」
記憶の4つの種類
1. 意味記憶(Semantic memory)
一般的な知識や概念の記憶
事実、概念、意味などを含む
例:歴史的事実、数学の公式、言語の意味
2. エピソード記憶(Episodic memory)
個人的な経験の記憶
特定の出来事や状況に関する記憶
例:卒業式の思い出、初めての海外旅行
3. 手続き記憶(Procedural memory)
技能や動作に関する記憶
体で覚える記憶とも呼ばれる
例:自転車の乗り方、ピアノの弾き方
4. 感情記憶(Emotional memory)
経験に伴う感情の記憶
出来事に関連した感情を保存
例:初恋の感動、怖い経験の恐怖
記憶システムの特徴
双方向の情報流
短期記憶と長期記憶の間で情報が行き来
必要に応じて記憶を呼び出し(検索)
記憶の選択
すべての情報を保存するわけではない
重要性や関連性に応じて選別
記憶の強化
繰り返しや関連付けにより記憶が強化
感情を伴う記憶は特に強く残りやすい
その他、メモリ管理
Agentic RAGsとは
構造化データ(SQL)と非構造化データの両方を扱えるRAGパイプラインを構築するためのフレームワークです。この例では、Snowflakeデータベースを使用したシステムが示されています。
システムの動作フロー
1. ユーザーエージェント層
ユーザーからの質問を受け付ける
例:「2023年のProduct Xにおけるトップ3のセールスエージェントの詳細な概要を提供してください」
2. スーパーバイザーエージェント層
クエリの分解を行います:
「Product Xの2023年におけるトップ3のセールスエージェントは誰か?」
「それらのセールスエージェントのプロフィールを取得」
3. ルーター層
クエリを適切な処理経路に振り分け:
SQLクエリ → 構造化データの処理
ドキュメントクエリ → 非構造化データの処理
4. 実行層
SQLクエリエージェント
Snowflake Cortex Analystを使用
販売データから上位3人のエージェントを特定
ドキュメントクエリエージェント
Cortex Searchを使用
エージェントのプロフィール情報を検索
5. 統合・生成層
セールスインサイトエージェント(LLM)が:
取得したデータを統合
元のクエリに基づいて文脈化された応答を生成
システムの特徴
統合的なアプローチ
構造化データと非構造化データを同時に処理
シームレスな情報の統合
高度な自動化
クエリの自動分解
適切なエージェントへの振り分け
結果の自動統合
コンテキスト対応
取得したデータを元のクエリの文脈に合わせて加工
より適切な回答の生成
拡張性
Snowflakeの機能を活用
様々なデータソースに対応可能
HVACシステムの最適化における強化学習(Reinforcement Learning: RL)
HVACシステムの最適化における強化学習(Reinforcement Learning: RL)の応用について解説します。
システムの概要
この図は、ビル内のHVAC(空調)システムを最適化するための強化学習ベースのコントローラーの設計を示しています。
システムの主要コンポーネント
1. デジタルツイン(EnergyPlus Zone Model)
実際のHVACシステムのシミュレーションモデル
システムの挙動をテストするための環境を提供
オフライン学習のためのプラットフォーム
2. 強化学習(RL)モデル
方針(Policy)コンポーネント
次のアクションを決定
初期のオフライントレーニングを実施
報酬関数に基づいて学習
入力される状態(State)情報
外気温
ゾーン(部屋)の温度
外部湿度
内部湿度
出力されるアクション(Action)
冷却制御
暖房制御
加湿器制御
再熱弁の開度(%)
3. HVAC制御対象
特定のゾーン(区画)の環境を制御
センサーからの状態フィードバックを受信
RLモデルからの制御命令を実行
システムの動作フロー
状態の監視
センサーが環境データを収集
システムの現在の状態を把握
方針の決定
RLモデルが collected データを分析
最適な制御アクションを決定
アクションの実行
決定された制御命令をHVACに送信
システムが適切な環境調整を実施
フィードバック
結果の評価
報酬関数に基づく学習の更新
このアプローチの利点
エネルギー効率
最適な制御戦略の学習
エネルギー消費の削減
快適性の維持
居住者の快適さを考慮した制御
環境条件の安定化
適応性
変化する条件への対応
継続的な学習と改善
予測制御
将来の状態を予測した制御
より効率的な運用
データ品質の主要な課題
LLMとベクターデータベースに関するデータ品質の課題について解説します。
1. エンコーディングの精度
ベクターストアにおけるエンコーディングの正確性が問題
LLMの応答の正確性と根拠に直接影響
生成される回答の信頼性に関わる重要な要素
2. ベクターの不正確性と非一貫性
エンベッディングプロセスでの問題により発生
以下のような問題が起こり得る:
ベクターの破損
不完全なベクター生成
次元数の不一致
3. データの欠損
ベクターの欠損
メタデータの欠損
システム全体の性能に影響
4. 時間的整合性
古いドキュメントによるベクターストアの更新問題
情報の鮮度に影響
システムの動作フロー
【1. 】クエリ処理フロー
ユーザークエリ
エンベッディング変換
検索実行
関連情報の取得
【2. 】ドキュメント処理フロー
ドキュメントの分割(Chunk)
エンベッディング生成
ベクターストアへの保存
[001, 002, 003] などの形式で格納
【3.】 応答生成プロセス
プロンプトテンプレートの更新
システム指示(簡潔な回答の要求)
コンテキスト(関連チャンク)の追加
LLMによる応答生成
コンテキスト化された回答の提供
データ品質に関する具体的な影響
一般的なAIデータ品質の課題
ベクター精度の問題
正確性への影響
応答の信頼性低下
破損ベクターの影響
次元数の不一致
システムエラーの可能性
メタデータの問題
不正確なメタデータ
欠損メタデータ
非一貫性のあるメタデータ
タイムライン関連の課題
古いタイムスタンプ
欠損タイムスタンプ
非一貫性のあるタイムスタンプ
対策の方向性
品質管理プロセスの導入
エンベッディングの品質チェック
メタデータの検証
モニタリングシステムの実装
ベクターの品質監視
異常検出
更新メカニズムの整備
定期的なデータ更新
古いデータの管理
バックアップと復旧手順
データ破損への対応
復旧プロセスの確立
説明可能なAIとは
説明可能なAI(Explainable AI)は、AIモデルの予測や判断に説明を付加するための様々なツール、アルゴリズム、手法を包括する概念です。
システムの構成
図は2つの並行するプロセスを示しています:
1. 通常の機械学習プロセス
ラベル付きデータの入力
機械学習モデルでのトレーニング
予測結果の出力
2. 説明可能性のプロセス
同じラベル付きデータを使用
説明モデルによる解析
説明可能な予測の提供
企業にとっての重要性
1. 非機能要件としての優先度
説明可能性は企業のAI導入において重要な非機能要件の一つ
システムの透明性と信頼性を確保する上で必須
2. 実践的な応用例
ユーザーセグメンテーションの根拠説明
広告配信の判断理由の提示
与信判断の基準説明
医療診断の根拠提示
説明可能性が重要な理由
透明性の確保
AIの判断プロセスを理解可能に
ブラックボックス化の防止
信頼性の構築
ステークホルダーからの信頼獲得
決定プロセスの妥当性確認
法的コンプライアンス
規制要件への対応
説明責任の履行
改善の促進
モデルの問題点の特定
パフォーマンス向上への活用
実装における考慮点
適切な説明レベル
技術的な詳細さと理解のしやすさのバランス
対象者に応じた説明方法の選択
説明の品質
正確性の確保
一貫性の維持
実装コスト
追加の計算リソース
開発・維持管理の負担
ユーザー体験
説明の提示タイミング
情報の見やすさ
バイアスの発生プロセス
図は、AIシステムにおけるバイアスが発生する2つの主要なフェーズを示しています:
1. データ生成フェーズ
発生するバイアスの種類:
歴史的バイアス(Historical Bias)
過去の人間の決定における不平等が学習データに反映
社会的偏見や差別の perpetuation
代表性バイアス(Representation Bias)
実際の人口構成を反映していないデータ
特定のグループの過少代表や過剰代表
測定バイアス(Measurement Bias)
データの収集・測定方法による偏り
不適切なデータ収集プロセス
2. モデル構築・実装フェーズ
発生するバイアスの種類:
集約バイアス(Aggregation Bias)
モデル定義時の問題
データの不適切な集約方法
評価バイアス(Evaluation Bias)
モデル評価時の偏り
ベンチマークの選択の問題
展開バイアス(Deployment Bias)
実システムへの統合時の問題
人間による解釈の偏り
バイアス対策の重要ポイント
1. データ段階での対策
データ収集プロセスの見直し
多様なソースからのデータ収集
代表性の確保
適切な前処理の実施
2. モデル開発段階での対策
公平性指標の設定と監視
バイアス検出ツールの活用
多様な評価指標の使用
定期的なモデル評価
3. 実装段階での対策
慎重なシステム統合
人間の判断過程の透明化
継続的なモニタリング
フィードバックループの確立
実世界への影響
社会的影響
不平等の拡大や固定化
特定グループへの不利益
ビジネスへの影響
評判リスク
法的リスク
機会損失
技術的影響
モデルの性能低下
予期せぬ挙動
対策のフレームワーク
予防的アプローチ
データ収集段階からの配慮
多様性を考慮したチーム編成
包括的なテスト計画
監視的アプローチ
継続的なモニタリング
定期的な監査
パフォーマンス指標の追跡
是正的アプローチ
問題発見時の迅速な対応
モデルの再トレーニング
プロセスの見直し
LLM(大規模言語モデル)のユースケース別評価
LLM(大規模言語モデル)のユースケース別評価について解説します。
図は、LLMを評価する際の4つの主要な観点を示しています:
1. 応答の正確性と関連性
幻覚(誤った情報の生成)
正確さ
根拠の確かさ
文脈との関連性
アーキテクチャ固有の評価指標(RAGなど)
2. ユーザー体験
応答時間
ユーザーエンゲージメント
エラーからの回復
敵対的入力への耐性
変更管理への対応
3. 責任あるAIガイドラインと規制
説明可能性
透明性
公平性
プライバシー保護
規制コンプライアンス(EU AI Act等)
4. コストとエネルギー効率
コスト効率
API費用
スケーリングコスト
メンテナンスコスト
エネルギー消費
評価の複雑性
左側のグラフは、LLM評価の複雑性を示しています:
基本評価(Pre-trained)
基盤となるLLMの基本性能評価
一般的なタスクでの評価
企業向け詳細評価
RAG/fine-tunedモデルの評価
特定のユースケースに対する評価
より複雑で詳細な評価基準
評価戦略のポイント
1. 包括的アプローチ
複数の観点からの評価
バランスの取れた指標設定
継続的なモニタリング
2. ユースケース固有の考慮
業界特有の要件
特定のタスクに対する性能
具体的な成功指標
3. リスク管理
コンプライアンスの確保
セキュリティの考慮
品質保証
実践的な評価のステップ
準備段階
評価指標の設定
ベースラインの確立
テストデータの準備
実行段階
定量的評価の実施
定性的評価の実施
パフォーマンス測定
分析段階
結果の解釈
改善点の特定
対策の立案
改善段階
モデルの調整
プロセスの最適化
継続的な改善
まとめ
「AIエージェントの総合ガイド」のスライドについて紹介しました。
とても多角的な観点でスライドが並んでいますので、初めて知るような内容もあり、AIエージェントの視野が広がりました。
中には説明が回りくどいところや、今となっては普通の内容もありましたがAIエージェントに関連するスライドでこれほどのボリュームは希少ですので参考にしていただければと思います。
またAIエージェントに関する良さそうな情報があれば紹介します。