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デジタル時代に最も必要なスキルとは?

デジタル人材?

デジタル人材というと、とかくデジタルツールを扱えるとか、データを扱えるとかと言う話が多いです。データ系となると「データサイエンティスト」的な話に。実際、経産省のアウトプットを見ても人材育成とかに「データサイエンティスト」的表現が見られます。

DXに求められる人材類型/定義の例

そのため、企業内のDX研修として「データサイエンティスト」の研修受講を促している企業も多いようです。
ですが、そこで学ぶのは、統計処理やツールの使い方ばかり。
実は、これは間違っているのですね。

デジタルとは何か?

そもそもデジタルとは何か?についてですが、
特にコンピュータの世界でいうデジタルとは、情報を0と1のビットで表現することを指します。それにより、情報の保存、処理、伝送が可能になります。
特徴としてその精度と信頼性です。デジタルデータは、正確な値を保持し、繰り返しテストや検証が可能です。
つまり、アナログデータが曖昧なのに対し、デジタルデータはきっかりその値であるということです。そこには一切の曖昧さは入りません。
コピーしてもデータは劣化しません。これは曖昧さがないからこそできるわけなのですね。

何が大事なのか?

と考えると、何が重要なのか?という話になります。

アナログデータ vs デジタルデータ

例えば、時計を考えてみます。
アナログ時計の場合は、針は12時半くらいを指しています。
ですが、一方デジタル時計の場合は12時34分50秒と記されています。
ここで考えてみてください。
12時34分50秒とあるので、その時間と普通は思うと思います。
ですが、「その表示時間は正確なのでしょうか?」

正確性の裏側は、それに対する「定義、決まり事」があるということです。
つまり、きちんと正確に時計を合わせたから、デジタル時計の意味があると言う事なわけです。秒まで正しく合わせてもいないのに、「50秒」を表示している意味があるのか?ということです。

これ、皆さんの仕事上でも良く起きています。
月末売り上げのデータが格納されているデータベースがあったとします。
本日月末としたとき、ここには正しいデータが入っているのでしょうか?

普通、売上データが確定するのは、経理が締め処理をし、内容を確認し終えた時点となります。なので、普通の会社では数営業日後になるはず。
仮に何らかのデータが入っていたとしても、それが正しいかどうかは別問題ということなわけです。
要は、(例えば)4営業日目において入力されたデータが確実な売り上げ情報ということになります。
このようにデータは、取得方法、取得タイミングによっても異なってきます。

もう一つ別の例。
よく、DXの例で、基幹系を中心に会社全体のDXということで、営業にまで広げた例が挙げられていることがあります。
そこでは、よく企業マスタを一つに取りまとめられたりしています。
これ、一見考えてみると、正しそうに見えます。
ですが、実はこれら「似て非なるもの」なのですね。

会計系システムでの企業マスタは、売上などが確定したときに必要となります。早い話、発注書送付や、請求書送付時に入っていれば良いのです。
ですが、営業系の場合、必要となるのは営業を仕掛けるとき。そして「今」欲しいわけです。会計系の場合は正確性優先、営業系は時間優先とでも言いましょうか?
また、その見方も異なります。会計系であれば決済のための住所だったりしますが、営業系では、決済は異なっても同一に見たり、あるいは同じでも別に区別したりすることもあります。
このようにデータに求めるモノ「定義」が異なるのです。
このような定義を無視し、データだけを語ることが間違いにつながるというわけ。
よくBIツールで失敗するケースなどはこれに当たります。

「定義」が最も重要であると言う事!

つまり、デジタルを語る上で最も重要なことは「定義」であるということなわけです。
一方、データの定義すら認識せずにデータ分析をしている人たち…。
この話を聞けば、「データサイエンティスト」より前に「データ定義」を重視することの方が大事であることは一目瞭然でしょう。

実際、すべてのデジタル技術は「定義の化け物」ということができます。
CPUの動き、BIOSの内容、OS、TCP/IP、言語、ブロックチェーン、AIに至るまですべて「定義」で成り立っているだけなのです。

まず手始めにできること「用語の定義」!

このデータ定義づけをすることは、普通の人にとってはいきなりはできないと思います。
でも、手始めにできることがあります。

それは「用語集=言葉の定義」をきちんと作る事。

皆さんの会社の中で、特別な意味をもった用語が多くあると思います。おそらく、新人の時には「?」となった言葉群。これらをきちんと「定義」し、記録することです。

例えば、私は証券系だったのですが、「今日のうちあわせマルね!」という言葉を新人の時に聞いた記憶があります。普通、これって「マル=実施する」と思いがちですよね?ですが、答えは「キャンセル」です。
これは極端な例ですが、「案件申立書」とか「ご進講」とか社内独特の言い回しがあると思います。

この用語の定義。結構ないがしろにされがちです。ですが、これを実施するとコミュニケーションエラーが大幅に減るはずです。もし曖昧な言葉を使ったと感じたら
「それって、〇〇という意味で使われていますか?」
という確認をするという癖も重要ですね。

この用語集を作るのに最も適している人たちは、入社して浅い人たち。この人たちは新しい言葉に対する「感度」が高いからです。そして、一度作成すれば新人教育、中途入社にも使えます。

内容としては、国語辞典並みの定義となります。曖昧さを一切排除した「定義」ですね。これ実は結構難しいのです。この辺が理系と文系の差として現れる部分かも。(理系の方はとかくこの「定義」について徹底的に仕込まれます。数学なんてまさに「定義」の塊ですしね。)

これ、まさにデジタル時代に必要なスキルと思いませんか?

これと同じく「組織の定義」もあります。部署における「Job Description」ですね。この辺の定義の癖をつけること。これが正にデジタル時代に絶対に必要なスキルなわけです。


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