Mリーグ・岡田紗佳プロ(サクラナイツ)の失言炎上騒動から考える組織としてのリスクマネジメント(損失の低減)
サクラナイツ岡田紗佳プロが、Mリーグ試合日である1月24日の控室からの配信中に、選手へのインタビューをしているリポーターの伊藤友里さんに対してうつむき加減で漏らした「ハキハキ喋れんかね」「麻雀のこと分からんくせに」という発言が炎上し、その影響が長引いている(1月31日、2月7日の伊藤友里さんの担当だった日はリポーターが襟川麻衣子プロに交代)。
この件について、失言をしてしまった岡田紗佳プロは、間違いなく、失言以降、自身の言動について反省と後悔をしたことだと思うし、伊藤友里さんに対して深い謝罪の気持ちを持ち続けていると思うので、特にそれ以上、非難する気持ちもない。
伊藤友里さんに関しては、ただただ早く戻ってきて欲しいだけである。
なお、失言炎上騒動以後に私がX にポストした内容は以下のとおり。
まず、1月31日、伊藤友里さんが、炎上後の最初の担当日を休むことが分かってから。その日の深夜と朝と昼に、Mリーグ大好きな私(箱推し)は、とにかくこのことが気になって、自分の気持ちを3回も呟いた。
まず深夜に。
そして6時間後の午前中。
さらに3時間後の昼。
その後、1週間はどうなるのだろうと気になっていたものの、早く復帰してくれると良いなと思いながら、何も呟かずにいた(Mリーグを観ていても、どことなくうわの空)。
そして、2月7日(昨日)に、2週連続で休むことが分かってから、1週間ぶりに呟いた。
その後、自分の言葉遣いが気になって少し訂正した。
下記のポストの中の「消化」は「消火」の間違い。帰ってきてくれ〜というのは伊藤友里さんへの気持ち。
一連のポストの内容を見てもらえれば分かると思うが、私は、この炎上騒動を、最初から当事者間(岡田紗佳プロと伊藤友里さん)においての複雑な問題としては捉えていなかった。
それは、今回の失言騒動において、非があるのは明らかに岡田紗佳プロの方であり、伊藤友里さんが非難される内容では全くないため、当事者2人の言動について岡田プロがどうだ、伊藤さんがどうだなどと議論する余地はなく、岡田プロが伊藤さんに対して一方的に謝罪することになるのは明らかだったためである。
その一方で、岡田プロが漏らした失言の内容やシチュエーションからすると、今回の失言で岡田プロに対してチームやMリーグ機構による何かしらの具体的な処分などが必要な事案というほどにも思わなかった。
ただ、一つ気に掛かったことは、岡田プロの口から漏れた「麻雀のこと分からんくせに」という言葉が、仮に具体的な処分までは必要ない言葉だったとしても、言われた伊藤さんの方からすれば、それは岡田紗佳プロ1人から言われた言葉としてではなく、他のMリーガーも含めた複数のMリーガーも、もしかして同じように思っているのではないか、と伊藤さん自身が過剰に重く受け止めてしまう可能性がある言葉だったという点である。
伊藤さんはもともとサッカー番組のキャスターなどを務めていた人で、少なくともMリーグのリポーターになるまでは、麻雀の知識や経験は乏しかったようである(勿論、麻雀プロでもない)。どのような経緯でMリーグのリポーターに就任することになったのかは分からない。そんな伊藤さんが2020年のシーズンからMリーグのリポーターに加わる訳であるが、そこで同じくリポーターを担当していたのは、Mリーグのリポーターとしての才能なら世界で1番あるんじゃないかと思わせるくらい、その生まれ持った人懐っこさと麻雀に対する真摯な姿勢で、選手の思考やキャラクター性をグイグイ引き出していく松本圭世さん(マツカヨ)であった。当然、そのようなリポーターの化物と比べたら、伊藤さんはMリーグのリポーターとしてはまだまだ未熟な部分が多いのは明らかだった。それでも伊藤さんはMリーグのリポーターに就任してからというもの、麻雀のイベントなどにも顔を出したり、麻雀の技術的な部分に関する勉強も伊藤さんなりにしているのであろうということは、インタビューの内容や日頃の活動などからも見て取れた。しかし、それでも前述のリポーターの化物は、伊藤さんの進化を超えるスピードでさらに進化していったため、観ていて2人の差が詰まっているようには見えなかった。そんな中で、3人目のリポーターとして入ってきたのが、連盟の襟川麻衣子プロ(エリー)だった。襟川プロは様々な放送対局で、司会や実況、リポーターなどを務めた経験が豊富なだけでなく、その天性の元気の良さは、太陽の光を浴びすぎて天まで届きそうなほどグイグイ成長し、鮮やかな真っ黄色の大輪の花を咲かせているひまわりを見ているかのような、そんな明るさと好感度を持った人である。やはりリポーターとしての能力はピカイチであり、伊藤さんと比べてリポーターとしての技術は最初から上回っているように見えた。
こんな2人と伊藤さんが自分自身を比べた時に、やはり自分に足りてないものを多く感じながら伊藤さんはリポーターの仕事をしていたのではなかろうか。だからこそ、伊藤さんなりに、視聴者にMリーグの楽しさ、選手の思考や個性を伝えるための努力をしていたし、色々考えてもいたし、色々悩んでもいたし、そのようにしながら成長も少しずつしていたと思う。そして、そんな伊藤さんだったからこそ、今回の岡田プロの「麻雀のこと分からんくせに」という言葉は、伊藤さんにとっては岡田紗佳プロがポロッと漏らした感情に1000倍掛けたくらいの相当に重たい言葉として、必要以上に彼女の心にズドンッとのしかかってしまったのではないか、と思うのである。
そういう性質の言葉だったから、今回の炎上騒動で、この騒動を鎮火させ、Mリーグが日常を取り戻すためには、炎上の当事者である岡田プロの謝罪の言葉や深い反省だけでは足りず、むしろ、組織としてのMリーグ機構や他の35人の選手達の言動が重要だと私は思った。
具体的には、岡田紗佳プロの謝罪と反省の気持ちを伊藤さん本人だけでなく、Mリーグファンを含む世間が広く受け入れるという状態を作り出すためには、Mリーグ全体を管轄するMリーグ機構が、今回の岡田プロの発言に対し、それが不適切なものであったとして、事の顛末にある種のけじめを付けるために、公式の声明を出した方が良かった。また、伊藤さんの心にズドンッとのしかかった「麻雀のこと分からんくせに」という言葉の重さを少しでも取り除くためには、岡田さん以外の35名のMリーガー達が、自分は今回の岡田プロが漏らした発言とは別の気持ちを持っていること、伊藤さんのことをMリーグのリポーターとして認め、必要な存在だと感じていることを、長い言葉でなくても良い、真剣に考え抜いた言葉でなくても良い、ただ日頃から思っているささやかでありきたりな気持ちとして、各選手がそれぞれの言葉で、伊藤さんに届くように発信することが重要であると感じた。
Mリーグ機構や他の35人の選手達がそのような発言・発信をすることは、一時的には岡田プロにとって厳しい対応のように思えるかもしれない。しかし、機構が組織として公式に声明を出してけじめを付けること、他の選手が今回の岡田プロの失言を切り取った上で、その部分については明確に否定すること(岡田紗佳プロは今回、失言をしてしまったが、そんな失言のマイナス部分よりも何万倍も魅力的な部分の方が多い人であることは誰の目にも明らかである。)で、結果としては、岡田プロの謝罪は世間からも受け入れられる確率が高くなるのであるし、最終的な解決として伊藤さんが復帰し、炎上騒動も収まっていくということに近づいていくのである。
ここが今回のnoteの一応のテーマである、炎上等してしまった際の組織の対応としてのリスクマネジメント(損失の低減)をするということが出来ていたのかどうか考えて欲しい部分である。
2週連続で担当の日に交代となり、伊藤さんの休養が今後どのような展開になるのか、もし関係者にも分からない状態であるとするのなら、今からでも、上記に記載した私が考えている内容のことでなくてもいいから、Mリーグ機構、および、35人のそれぞれの選手達には、何かしら、伊藤さんに届く形での発信を期待したい。
勿論、このような期待は、内部の状況等を全く理解していない、外側から見ている1Mリーグファンのはなはだ身勝手な期待であるということも、私は理解しています。だから、もしかして、組織としての声、内部からの声というのは、この件に関してこれ以上はこれからも出ないのかもしれない。そうであることが自然な状況であるという可能性も当然ある。
でも、そうであるならば、伊藤さんに1人のMリーグファンとして、1人の伊藤友里さんを応援する人間として、外部からの声として、これだけは伝えておきたい。リポーターとしての才能や技術が少しくらい劣っていたとして、そんなのは大きな問題ではないのです、と。私たちMリーグ視聴者が見たいのは、マツカヨともエリーともまた違う伊藤さん自身の個性なのだから、伊藤さんはマツカヨみたいにもエリーみたいにもなる必要は全くない。伊藤さん自身がMリーグのリポーターとして頑張ったり、ミスしたり、トンチンカンことを言いながらも、それでも少しずつMリーグの一員としてわずかずつでも変化していく伊藤さんの成長物語が見たいだけなのです、と。
Mリーグ自体、最高のエンターテイメントである。それは単純にMリーグが、麻雀の技術、実況・解説の技術、レポーターの技術、そのレベルが高い人達を集めているからでは決してないと思う。最高のエンタメを作り出しているのは、そこに現れる登場人物が、老練な人、脂が乗った人、成長途上の人、男性、女性、おしゃべりな人、口下手で感情表現が苦手な人、麻雀一筋の人、他の業界でも活躍している人、光の速さでスター街道を駆け登った人、泥まみれになっても這い上がってきた人、etc.etc.etc・・・とにかくたくさんの種類の登場人物が、それぞれの背景を持ってMリーグの舞台に現れて、自分の人生を賭けて麻雀を打つ、そして、その選手達の想いをできるだけ届けたいと必死になる、そんな登場人物の様々な人間ドラマが繰り広げられるからであり、それを見ている視聴者が、次々と出てくる魅力的な登場人物にいろんな場面で感情移入できたり一喜一憂できたりするところが、Mリーグという舞台での最高のエンタメを作り上げているのだ。そしてそして、何よりその最高のエンタメであるMリーグの登場人物の1人として、伊藤友里さんも十分に魅力的なキャラクターの1人なのである。
今、このような炎上騒動が起きてしまったという状況を前提にするとして、私がこれからのMリーグで最も観たいドラマの一つは、伊藤さんがこのトラブルを乗り越えて再度Mリーグを支える一員として、輝く笑顔で選手にインタビューをしながら成長していく伊藤さんの物語であり、もう一つは、今回の件をしっかりと受け止め、地に落ちた信頼を見事に取り返し、さらにこれまで以上に羽ばたいていくという岡田紗佳プロが麻雀に対する誠実さと根性で作り上げていく人間ドラマである。
そして願わくば、いつになっても良いから、2人がいつの日か笑顔のツーショットで、岡田プロの得意なダブルピースを2人でしている画像が伊藤さんのInstagramに アップされることも心の中ですこしだけ期待しています。
伊藤友里さん、早くMリーグの舞台に戻ってきてね!
以上