その手札破壊ホントに必要ですか?
後手だけど1ターン目から《強迫/Duress(XLN)》できるしキープ♪
相手はセットエンドか………満を持して《強迫/Duress(XLN)》スタート!!
こんな感じのゲームプランでスタートしたことありませんか?
その結果
・本当に必要なタイミングで手札を見ることができない
・出来事ばかりで何も抜くことができない
・今落としたカードが4ターン以上影響しない
多分すべてのプレイヤーが経験していると思います。
それではどういった意識でピーピングハンデスをキャストすれば最も効果的なのか?
いやいやいや。1マナのソーサリーにそこまでの仕事はできないでしょう?
………できるんですそれが
この駄文ではいかに相手の意思をくじき、こちらの我を通すべきかを私見で語っていきたいと思います。
こんばんは絵村きりんです
↑動画作ったり実況したりしているおじさんです
早速ですがみなさん、手札破壊はお好きですか?
私は使うのも使われるのも好きです。プレイヤーの意思がダイレクトに伝わってくるTCGにおける対話そのものだからです。
使う分にはゲームプランがはっきりするけど、使われるってどういうこと?
とお思いのことと思います。
それは
軽量ドローを抜く → 事故を期待しているのかな?
除去を抜く → クリーチャーが少ないのかな?
カウンターを抜く → 大振りなアクションでゲームの主導権を握りたいのかな?
といったような推測ができるからです。
1.手札破壊は攻撃なのか防御なのか?
そもそもみなさんはどういった基準でその《強迫/Duress(XLN)》をキャストしていますか?
おそらく聞かれれば「〇〇があったら困る」「プレイの見通しを立てるため」「打つタイミングがここしかなさそうだから」などという一見筋が通ってそうな言い訳をしながら、その実なんとなく打ってみたということが多いのではないでしょうか?
後手の1ターン目に打った《強迫/Duress(XLN)》で《ショック/Shock(10E)》を抜くのは勿体なくないですか? え、手札が見れる上にダメージが減るんだから十分だろって?? そうですか
そんなわけないでしょ!
手札破壊はトップデッキに対応できない。これは常識ですが、これの意味するところは
引かせる→使う前に捨てさせる
ということです。
赤単の最も凶悪でダメージ効率がいいカードは現スタンダードに於いては《エンバレスの宝剣/Embercleave(ELD)》です。
そして《エンバレスの宝剣/Embercleave(ELD)》はキープ基準に関わりこそすれ、ゲームのどこかで引けばいいカードという位置づけのため1ターン目よりもそれ以降の方が手札にある確率は高いです。
最速3ターン目に3体のクリーチャーと共に場に降臨する《エンバレスの宝剣/Embercleave(ELD)》を捨てさせたいなら2~3ターン目がベストの《強迫/Duress(XLN)》タイミングとなります。
そしてエンバレスのキャストが可能なマナ域は除去が構えられるマナ域ですこちらが2マナ立てて行動していたとしたら?
とまあ対赤単に対してはどうやっても防御のカードとしての意味合いが強く抜きたいカードがハッキリしているため使いやすいカードとなります。
ですがコントロール色が強めのデッキを相手にしたとき、意識の一貫性を見失いがちになってしまいます。
スタンダードは大ミッドレンジ環境
・スゥルタイ根本原理
・イゼット氷雪ミッドレンジ
・ジェスカイ変容
・スゥルタイネスト
・ディミーアローグ
など「なんとなくカウンターを抜けそう」なデッキが跋扈しています。
《強迫/Duress(XLN)》打ったらとりあえず何か捨てさせられるという考えでプレイしていることが多くみられます(私もします)
カウンターや除去を抜くというアクションをするならば、こちらの攻め手をしっかり用意しましょう。
なにかしら用意できていないと、あっという間に引き増しからさらに強固な手札が形成されてしまいます。
今こちらが攻めているという意識のもとで《強迫/Duress(XLN)》するのなら、せめて3枚まで抜きたいカードを思い浮かべて打ちましょう。
思い浮かばないなら空打ちと変わりません(もしくは練習不足です)
2.全てのピーピングハンデスは《陰謀団式療法》と思ってキャストする
前項の引継ぎっぽくなるのですが、そのハンデスは抜きたいカード決まってますか?
次の相手のアクションを阻害する目的ですか? それともリアクションを妨げたい?
まさかと思いますけど、打ってから考えるとか言いませんよね?
確かに手札は非公開情報ですが、何がありそうか無さそうかを推測することは出来ます。
相手先手《冠雪の山/Snow-Covered Mountain(ICE)》と《冠雪の島/Snow-Covered Island(MH1)》から予顕→おそらくイゼットミッドレンジだから《アールンドの天啓/Alrund's Epiphany(KHM)》よりもドローやカウンターの方を優先的に逃がしたいハズ。相手のデッキの中で現状脅威になりそうなアクションは? こちらが仕掛けたいときまで温存した方がいい? といった感じの思考のステップを踏めば推測が成り立つハズです。
もちろんマッチアップ的に《アールンドの天啓/Alrund's Epiphany(KHM)》を優先的に逃がすこともあるのでご自身の経験からヒントを見つけ出してください。(無責任かもしれませんがここはスタイルや好みが影響してしまいます)
もしもこの状況で《強迫/Duress(XLN)》を打つならば抜くことが出来ないカードを意識すべきです!!
《厚かましい借り手/Brazen Borrower(ELD)》《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant(ELD)》を抜くことは出来ないがそれらを誘いつつ、相手にカウンター以外の回答を迫るクリーチャーやPWがあなたの手札にはあるはずです。
ありますよね?
あなたは来る後手3ターン目への布石として《強迫/Duress(XLN)》をキャストしました。ということは手札から抜きたいカードは間違いなくカウンターであるはず。
ということは、3マナで能動的に仕掛けられる何かがあるはずです。
無いなら今打たなくても大丈夫です。《サメ台風/Shark Typhoon(IKO)》も《精神迷わせの秘本/Mazemind Tome(M21)》も貴方が攻めることに比べれば些細なことです。
MTGにおいて大事なのは自分がやりたいことと相手のやりたことのバランスです。
今の行動が自分の”やりたい”にどれだけ貢献できるかを第一に考えましょう。相手の”やりたい”を阻害してもあなたの行動が伴わなければ膠着状態が続くだけです。
もしロングゲームになったときにどちらに分があるかを考えてください。
3.現状(もしくは近い未来)における脅威の排除
さて今までの考え方とは少し毛色が変わります。
具体的に言うと後手5ターン目にスゥルタイ根本原理相手に《強迫/Duress(XLN)》をキャストしようとしています
↑これらのカードで攻められるとかなり困りますよね
《耕作/Cultivate(C16)》や《古き神々への拘束/Binding the Old Gods(KHM)》などが絡むとだいたいこのぐらいのタイミングが勝負をわけるポイントになりがちかと思います。
ゲームの分水嶺を分ける投資。天下分け目とまではいかないまでもここで《強迫/Duress(XLN)》が打てるかどうかはかなり重要なタイミングになります。
ガッツリ同じカードを2枚も3枚も持ってる状況だと負けてしまいますが、その場合はこれまでの対処札が少ないことを意味しています。
態勢はこちらが幾分か有利でしょう。
相手の気持ちになって厄介な手札を抜きましょう。
この行動によって1~2ターン先への投資ができました。
ですが、この手法で抜いたカードは引き直される可能性があるので油断できません。
投資目的での手札破壊は引き直されること、盤面で有利であることを念頭にプレイしましょう。
これは1ターン目でも100ターン目でも変わりません。
4.あるぞorないぞ
タイミングずらしのお話しです。
《神の怒り/Wrath of God(_BR)》系のカードに見られる引き付けて打つという選択肢。
手札破壊のように鋭い針で刺すようなカードでも有効だったりします。
まず早いターンで雑に《強迫/Duress(XLN)》を打つとします。
《無情な行動/Heartless Act(IKO)》を抜きました。
相手の手札にある《絶滅の契機/Extinction Event(IKO)》を抜かなかったのに、《ぬかるみのトリトン/Mire Triton(JMP)》→《帆凧の掠め盗り/Kitesail Freebooter(M21)》と動きます。
え? 《絶滅の契機/Extinction Event(IKO)》打ったら得するけど本当に打っていいの?
まあつまり相手によってはまったく意味の無いブラフの話だったりします。
この状況になると相手はあるかどうかわからない《悪ふざけの名人、ランクル/Rankle, Master of Pranks(ELD)》を警戒しなければならなくなります。
まるで《絶滅の契機/Extinction Event(IKO)》を誘っているような動きをしているからです。
本当は無いのにね………
このプレイングは相手の思考に大きく依存するので全く信用できないのですが、試してみてもいいかもしれません。
逆に相手が変な動きをしても惑わされずに素直にプレイするという指針になる可能性があったりします
とはいえやっぱり手札から落とすべきは最高効率のカードが1番です。だってアクション数が全然違いますから。深読みしないさせない、というプレイが1番裏目を引きにくかったりします。
5.相手のデッキを知る
敵を知り己を知れば~です。
自分がオリジナルデッキを使うにしろ、コピーデッキを使うにしろ大事なのは対戦相手です。
デッキの強さやカードの強さはあくまでも相対的なものです。何か月も環境の王者に君臨するデッキが無いように、常に5番手6番手をうろちょろしているデッキもありません。
それぞれ強味弱みを殺しながら対戦相手の対応を差し替えて生存競争を戦っています。
昨日の最強デッキが明日の最強デッキであるかは分かりませんし、あなたのそのデッキは環境を支配できる可能性もあります。
そしてそれをするには確かな知識とプレイの引き出しが必要になります。
環境にあるデッキを組んで回してみましょう。
そうすることで
・今《強迫/Duress(XLN)》を打たれたら
・ここで打ってもただの1ターン消費しただけだな
というシチュエーションが見えやすくなるはずです。
それと同時にBO1・BO3に関わらずメインボードにおける《強迫/Duress(XLN)》の枚数がどの程度必要なのか見えてくると思います。
あなたのデッキはミッドレンジ? コンボデッキ? ウィニー?じゃあこの枚数だといい運用ができそうだね。といった具合です。
出来事がある環境では特定のデッキの特定のカードを抜きたいという明確な意思のもと手札破壊の吟味が必要なはずです。
デッキの構築や選択は明確な意思表示になるはずです。
決めてからは当たるも八卦当たらぬも八卦ですが………
まとめ
だらだらと講釈を垂れてきましたが、1マナソーサリーアクションのまとめに入ります。
なんてことはありません、おそらく無意識に出来てる方が多いと思います。
ただ環境の移り変わり、慣れないデッキを試しに乗り回してみるなどをすると感覚がリセットされてしまうだけのことだと思います。
どのデッキで使おうと根本は変わりません。
手札破壊は
1.抜きたいカードを思い浮かべてから打つ
2.環境における対策札の種類を覚える
3.相手の根幹となるカードを覚える
4.手札破壊では対応できないカード(動き)を非効率に使わせる
といったポイントを踏まえてキャストしましょう。
そうすることでただの針が毒針になるはずです。
それでは楽しいハンデスライフを。
↓動画版です
追記!!
最高のハンデスタイミングを用意しました。多分スタンダードで似たようなシチュエーションがあり得ると思います