私が出来ること


#エンジンがかかった瞬間 #介護士 #看護師 #チャレンジ #Tobii  
#miyasuku #エッセイ

難病で寝たきりになってから数か月は、何もできないからとただ受動的にテレビを見る生活を送っていた。
そんなとき、ある日某ホテルが理想のホテルとは?と募集しているのをテレビで見た。そこで自分ならこんなホテルがあったらな、と考えてみた。
話せない私には目の動きで操作できるパソコンがある。今までは意思疎通にしか使わなかったそのパソコンでアイディアを練ることにした。
私が何回も書いてねった理想のホテルの構想は、障害者にも優しく使いやすいホテルだ。もし看護師さんや介護士さんが常駐してくれたら、どんなに不安なくホテルライフを送れるだろう。私の妄想は広がった。
また介護保険を利用するのか、介護士の基準とは何か、認定看護師の種類等調べて、私には非常に勉強になった。
その下書きをホスピスのスタッフ二人の看護師さんと介護士さんが文章をチェックしてくれ、意見を述べてくれた。
私は何十回と書き直して全力は尽くした。それは何とか〆切に間に合った。それでも世間はそんなに甘くなく、結果は箸にも棒にもかからなかった。だが、チャレンジする事は私にとっては大きな一歩になった。
何もできないと決めつけていた私にもできることがある、寝たきり生活に光を見た時だった。これが私のエンジンがかかった瞬間だ。
そこからはもう進むしかなかった。私は好きなメイクと、興味があった占いの勉強をして資格を取った。
それには看護師さん達と介護士さん達の協力なくしては語れない。
本をめくることのできない私に代わり、介護士さん達看護師さん達が本をめくりに来てくれた。試験の時は書けない私に代わって、私の解答を彼らが解答用紙が記入してくれた。
そしていつしか書くことにより無我夢中になれる自分に気が付いた。
以前は書くことで人に褒められたことのない自分だった。だが、意思疎通のパソコンを毎日使ううちに、考えて書けるようになっていた。しかしながら、私は文章を書くことの醍醐味と難しさも同時に感じた。
そこで自分を試してみたくなり、コンテストに応募したら、運良く賞を頂いた。書くことに関してはまだまだ道半ばだ。これからもチャレンジする事の大切さを噛みしめて生きていきたい。

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