小さな実践の積み重ね
早いもので2021年3月に準備を始めて、4月から始めた九十川の週一清掃活動も7ヶ月が経ちました。「川を楽しく美しく」をメインテーマに、川が良くなる「カワイイ活動」と清掃活動名を定めて、仲間とやっている株式会社80%でも、市政100周年の冠付け事業として申請中です。(100周年という節目に、特に歴史的にも大切な「新河岸川」をみんなの力できれいにしたいなぁーという啓蒙活動として)決まって欲しいし、決まったら年度内に清掃イベントしようと思ってます。今一度、川越にとっての「川」に目を向ける機会を持っていく。
新河岸川と九十川が僕にとっては一番身近な川なんですが、双方ともすごくキレイな川!・・・ではない一級河川です。そんな川で走ったり、遊んだりを続けてて、やはりキレイになって欲しいなぁ〜という想いが募り、今年度は伊佐沼からの農業用排水路でもある小さな小さな九十川、そして来年度は新河岸川の清掃を続けていく予定です。
でも、ただ収集しているだけではなく、ゴミ種別・量、大物ゴミ種別、捨てられポイント、散歩特性、挨拶頻度、散歩男女比率・・・等々、自分の中でいろんなプチ実証実験を兼ねて活動していて、清掃しながらいろんなデータを集めています。予想はしていたんですが、土日の朝早くは年配男女の散歩が多く、男性は一人で、女性は2〜4名でおしゃべりしながら散歩している方が多いとわかってきました。時折、ご夫婦で散歩されている方もいたり。
週に1回、最初は土曜日の朝8:00〜9:00に決めてやっていたんですが、自分の仕事の都合とかでここ最近は、日曜日の朝時間になることが多く、今は自分が続けやすいスタイルを取っています。そんな不規則にも関わらず、一緒に活動してくださっている皆さん、本当にありがとうございます。
ゴミゼロ運動のようにイベント化、定期的に実施していくスタイルを取るか、チームを組むか、自治会に呼びかけるか、仲間づくりに比重を置いて進めるか、等々、始める前にかなり悩んだのですが、始めて数回経った時点で、「あ、これ、結構な長期戦だ」と感じ、今年度は「チャッカマン」として、小さな火種の動きとして、何か川でちょいちょいやっているなーレベルで、急がず自分の無理のないペースで、色々と実験しながら、川に触れていくことを重視して今に至ります。
やっぱり、週1回でも川に入っていると、どこか楽しさが得られると共に、今まで以上に「環境問題」や「河川工事」とかが気になったり、必ず同じような場所に同じようなゴミを捨てていく方がいることを知ったり、もしかしたらその方はこの水辺で一休みしているんだなと思ったり、様々な川の生き物たちに出会えたり、普段、水辺にいない限り持つことはないであろう視点をいくつももらえて少し豊かな時間なのかな、と考えたりもします。
清掃活動は決して好きでやっているのではありません。どっちかって言うと、できればマジでやりたくない(笑)ゴミを見るのは好きではないし、これは限界だろ〜!と言う難物に会うと気が滅入ります。でも、蜂鳥の一雫。見ないようにすることは簡単ですが、直視しないと、動かないと、何も変わらないことは事実ですし、そうやって生きている時間も何気に多い。あれにも目を伏せ、これにも目を伏せ、都合の悪いこと、見たく無いこと、嫌いなことには極力、携わらないように、見ないようにしているのが僕自身です。
そうやって、自分の身の回りにある「川」を見続けてきていたんですね。
本当に小さな九十川ですが、清掃を続けていて感じていることの一つは「水質自体はそこそこでも、水底にある様々な堆積物が清掃のネック」ということです。既にある一部は、凸凹のコンクリート床版を川底に敷設して、人工化している部分もありますが僅かな距離です。九十川の一部には、完全にコンクリート化の河川形状になってしまっている部分もあり、人工物で川を固めてしまうのは正直、抵抗があります。
清掃活動開始から、半年経過した時点で、市河川課へ川底清掃が可能か相談させて頂いたら、管轄が県のようで、それから川越県土整備事務所へ問合せて、何とか川底の清掃ができないものか、のお願いをしています。現在、県土整備事務所発注で、九十川土手上の舗装工事を左岸右岸ともにしてくださっていますけど。(約3,350万程かかるんですね〜)この川底の清掃ができれば、少しでも美しい川に戻せるのではないか!?と期待しています。
川自体に目を向けて清掃していますが、目にうつるウワミズとその水面下にある様々なモノモノモノ・・・例えば、ジャンバー、毛布、自転車、タイヤ、バンパー、ベッド、セメント、砂袋、台車、ズボン、釣竿、配管、電話機、カメラ・・・・今までにいろんな発見がありましたが、どこか我々の人間社会を現しているかのような断面構造。美しきものが存在するその下には目を背けたくなるような、そうではないものが堆積している。みんな見えなければ、無いものとして捉えてしまうけど、ファストファッションとその裏側とかの構造にも見えてきたり、実際に毎週見ている九十川の水底には、様々な我々が便利・快適・素敵と手に入れていたはずのモノが、あれこれと眠っています。
自分で言うのもなんですが、市の環境施設課の皆さんのご協力もあり、週1清掃(とその収集を月曜日に所定の位置に取りにきてくださる)で結構な、九十川のゴミの量が処分できたと思いますし、表層に見えるゴミはだいぶ減ってきたと思います(思いたい!)。
でも水底には、たくさんのモノがある事実を知ったから、まずは残り5ヶ月で九十川に対して、できるアクションをしていきたいなー!と思います。