「小さな会社と私」になるまで。Vol.3
私は怒りで、行き先ボードに「糞食らえ!」と落書きしていた。
併せて、眠いのに耳のそばで、「ブブゼラ」を鳴らされて起こされた日の
怒りをとうに超えて、今までにない怒りを覚えていた。
世代的には「クリリンのことかーーー!」とスーパーサイヤ人になる感じである。
4月に晴れて新規事業部、俺1人!になり、いきなりコンペ案件。
そして、採用!!
そして、年間の業務委託契約!
トントントトトーーーン!であるよ。
はたから見たら、「アメイジング!」のスタンディングオベーションのはずが。
部長:「個人情報の項目が厳しいから、契約は結べないね。」
俺:「確かに個人情報の項目は厳しいですが、それは修正してもらうように交渉します。」「それでいいですよね?気になるのはその点だけですか?」
部長:「てか、変更してもらっても、結べないね、この契約。」
いやー、久しぶりの893対応。
高校のレペゼン湘南じゃ敵なしの「赤ギャング先輩」がわがまま言ってるみたいな理不尽さ。
俺:「何を言ってんだ。この人。頭おかしくなったんじゃねーか?」
怒りは収まらないまま、数日やりとりが続く。
数日も続くこともありえない。
そんな中発表される。「希望退職のお知らせ」しかも5人。
5人というのは、10人くらいの会社で発表されれば、それは名指しに近いものであった。
その5人は、言わせれば(社長が手に負えない)勝手に仕事とってきて売り上げを上げている人たちで私にとってはとても影響を受けていた人たちだった。
マーケティング、リサーチ、PDCAの回し方、フレームワーク、媒体選定方法、接待や飲み方なども含め根こそぎ教えてもらっていた。
社長としては、うまく使っていけばより良い未来があると思うが、
言うこと聞かない奴はイランなのだ。
そういうことか。俺に、やめて欲しいから、契約ができない。
担当が希望退職で辞めるので、その仕事を残されても困ると。
納得!!
クソだ!!
こういう大人がいるから、尾崎豊の名曲が生まれたと思えば、とりあえず良しとしよう。「行儀よく真面目なんてできやしなかった〜」
「良しとできるかー!!!!」
早速私含め5人は集められ、今後どうするか話し合う。
「独立しちゃおう。」
今のクライアント持って。
それは会社と契約書交わすから大丈夫!太陽光の会社にも話しちゃえ!と。
なんやら、急展開!
この時は、それがどういうことなのか、真剣に考えていたかと言えば、そうではなく、ただ怒りのはけ口があって、安堵感を未来と思い、前に進めるのだ!としか思ってなかった。
もともと「小さな会社」にいた私は、さらに「小さな会社」へ。
これが、「小さな会社と私」の入り口になります。
[3]終わり。とりあえず。