子どもが元気なことのありがたみ
こんにちは、emuです。
11月の三連休の最終日、公園でめいっぱい遊んだ帰り道。時計を見ると、午後2時を少し回ったところ。私たち家族三人で手をつないで歩いていた。いつものように、「いち、に、さん!」と声を掛け合い、手を持ち上げると、彼は宙にふわりと浮かび上った。大好きなジャンプ遊びに、彼は大笑いして嬉しそうだ。しかし、ジャンプを終えて数歩歩くと「いたい」と小さな声で言い出した。気がつくと、息子の左腕はだらんと下がり、まったく動かせない様子。
まだ3歳の息子は、痛みがどこから来るのか、どう痛むのかをうまく説明できない。左腕が動かないことだけがはっきりしているものの、それがどこでどれほどの痛みを伴っているのか、私たちには想像するしかなかった。
しかも今日は祝日。病院はどこも閉まっているはず。すぐにスマホを取り出して、近くで診てもらえる整形外科を探し始める。家に着くまでの間も息子は「いたい」と時折つぶやき、顔をゆがめている。家に戻りながらスマホで必死に診てもらえる病院を探し、電話してようやく整形外科を見つかった。けれど、歩いていける距離ではない。車もないし、子どもを乗せる自転車もない。バスも直接は通っていないし電車もいくつも乗り換えが必要。これはタクシーしかない!急いでタクシーアプリを開いて、初めての操作に緊張しながらも手配完了。あと5分で到着…ありがたい!急いで準備しタクシーに飛び乗った。
病院に着くと、待ち時間は2時間との掲示が。受付をしようとすると、あれ、保険証がない!机に出したまま置いてきてしまった。仕方ない、全額払えばいいと腹をくくり、診察の順番を待つことにする。「いたい…」と時おり言う息子。受付では、肩だとみられない、と言われた。妻は肩が痛そうと言っている。待っている間に外へ出て他の病院も検索したり電話したり…しかし一向に見つからない。あきらめて待合室に戻ると、疲れからか、息子は妻に抱っこされながら寝入っていた。
予想より早く1時間ほどで順番が回ってきた。診察室に入ると医師が腕を触りながら「ちゅうないしょうですね。」と言う。肘内障―聞きなれないが関節が外れている状態とのこと。「肘と手首の両方が外れていますね。お母さん、しっかり抱っこしていてくださいね。」医師が腕をグイッと動かした瞬間、息子は大きく泣き出した。「はい、入りました。どうかな?」「いたい」まだ痛いのか寝起きで不機嫌なのかの判別はつかない。「でも入ったのでこれから動かし始めると思いますよ。」
診察が終わり、支払いまでの待ち時間も息子は泣いていた。しかし、しばらく経つと、少しずつ動かし始め、いつものように力を入れる様子も見え始めた時には、両親ともにようやくホッと一安心。今は不機嫌で泣いているだけのようだ。泣いている息子に普段は毛羽立つ気持ちもあるが、今回は不機嫌なだけなら全然問題ないよ!いつも通りだよ、良かった!という気持ちだ。
「元気でいてくれるだけでいい」という言葉をよく聞くが、私はつい、息子にはあれこれ期待してしまうところがある。自分ができなかったスポーツを得意にしてほしいとか、もっと外で活発に遊んでほしいとか…。でも、こんな経験をすると「ただ元気でいてくれるだけで十分なんだ」とも思う。
今回、保険証を忘れてしまったために医療費は全額負担となってしまったが、後日返金手続きをすることができると聞いてこちらも一安心。子どもが元気でいてくれることありがたみを、身に染みて感じた一日だった。