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救急隊が前壁梗塞をモニター心電図で見抜いた!!


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シリーズ 救急隊の救急隊による救急隊のための心電図 vol.1

今日は救急隊が前壁梗塞を見抜いた話をします!

この記事を読めば救急隊が前壁梗塞をモニター心電図で見抜く方法が分かります!

先日の救急事案!

呼吸苦を訴えている模様、その他詳細不明!

コロナ?循環器?呼吸器?

現場に着くまでにプレアライバルコール(現場到着前の救急隊からのコール)を行った!

いやこの事前連絡が大事!欲しいパズルのピースを事前に補う感じです!情報を集めれば現場滞在時間短縮です!しかも安全に現場に行きたながら、電話するのは工夫が必要!


「いつからの苦しいんですか?」

「30分前から?」

「他に痛いところは?」

「胸が重い感じがする!」

「風邪の症状は?」

「ない!」

感染症の可能性は低い!

持っていく道具はバイタル測定の道具と酸素ボンベだ!心電図を測定したいけど、測定に必要なAEDが重く荷物になるので救急車へ置いていく!

その代わりに現場の観察は最小限で車内へ移動する!

これが今回の戦略!

傷病者は居間で仰臥位、マスクは装着済、顔色良好、会話可能!橈骨動脈は触知良好、四肢は温かい、呼吸数も様式も正常、生理学的評価は異常なし!パルスオキシメーター装着、SPO297%、脈拍81回!体温36、5℃!パルスの脈拍と触診上の脈拍は同期していた。

「胸のどこが重いですか?」

「左の胸全体です」

※傷病者への聴取はクローズ・ド・クエスチョンがおすすめ♪プレアライバルコール(事前連絡)してると事前に絞れます^^

簡易観察が終わり担架で救急車へ収容!

モニター心電図装着!

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モニター心電図はaVLが上昇しているが、Ⅱ、Ⅲ、aVFのST変化が微妙!評価しずらい!!

血圧は

右 180/110 左 170/120

血圧の左右差はなく他に痛いもないので、大動脈解離の疑いは低い!

「初めての痛みですか?」

「半年前から時々痛くなる」

「今日は1番痛いんですか?」

「はい!」

「心臓が悪いと医師に言われたことはありますか?」

「ないです」

聴取の結果、循環器が否定出来なかった!

でもこの救急車では12誘導心電図が計測できないぞ!このまま所見がないと循環器がある病院へは行けない!

あッ!!!!!!!

NASA誘導をやってみよう!

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赤電極と緑電極で胸骨を挟むんだ!

そうすれば12誘導心電図の胸部誘導v1v2に近い心電図を評価出来る!

測定結果はこれ!!!!!


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バッチリSTの上昇を確認!

QSパターンのst上昇!

異常Q波もあって半年前から胸痛にエピソードも間違ってなかった!

迷わず循環器へ搬送!

医師からお褒めの言葉を頂いた!

診断名は 前壁心筋梗塞!!

救急隊がモニター心電図で前壁梗塞を見抜きました!

限られた資機材、人員、時間で人を救う、、、、それが消防の醍醐味だと実感!


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