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PLS-150, PLS-153L電源を考える

今日は久しぶりにLNP-2Lに使用しているPLS-153Lの電源を落として、後部ガラスエポキシ基盤とヒューズ、端子のクリーニングをしました。

左: PLS-150後期EIコアモデル(上部ビス2本)
右: PlS-153L前期モデル(上部ビス1本)

左: PLS-150後期モデルのDC Fisher端子は153Lと同一
右: PLS-153L後部のブレーカーとヒューズBOX
ここで電源のオンオフをしないよう取説記載あり

私は非喫煙者ですが、それでも数年間電源を入れっぱなしにしていると間に微細なホコリが入っています。
綿棒に無水アルコールを染み込ませて清掃してみると、やや汚れが付着しました。

ご存知の方は多いと思いますが、PLS-153L(US本国仕様PLS-151)は後部にヒューズBOXが移設されており、メンテがやり易くなりました。

ヒューズとガラスエポキシ基盤を外したところ。ヒューズはレバーを手前に引っ張ると外せます。基板は専用の工具を穴に入れて抜きました 。
使用電圧は100vに指定しています

PLS-150電源と最も大きな違いは、使用電圧に応じてガラスエポキシ基盤の差し込む向きを変えることで、その国の電圧に適合した電源となることです。

これはPLS-150の頃にはヒューズの位置を含め考慮さえていなかったので、非常に良い改良であったなと感じます。

上: 100v, 220v側ガラスエポキシ基板
下: 120v, 240v側
※正立して見える電圧が適用されます

1970年台中判にこんな設計を完成させていたとはMark Levinson社の先進性には驚きます

PLS-150後期モデル(EIコアトランス)
ヒューズはトランス後部にあり交換しづらいです
紙紐をヒューズ下に潜らせて外しました

PLS-150後期モデル(トロイダルコアトランス)トランス部分以外のガラスエポキシ基板パーツはEIコアトランスと共通部品のようです

PLS-153L前期モデル
ガラスエポキシ基板が2階建になっており複雑な構造

そして友人から借りているML-1Lの電源PLS-150ですが、折角電源を落としたことだしと双方の後部端子の電圧をデジタルテスターで計測してみました。

計測方法はテスターのDCポジションで+端子を4つの穴に入れ-端子をシャーシアースさせて一つづつ計測します。


PLS-150
左上:-15.13v  右上:-15.05v
左下:+15.03v 右下:+15.11v

PLS-153L
左上:-16.72v  右上:-15.07v
左下:+15.03v 右下:+17.63v

153Lの片側の対角線電圧が少しずれていたので、元RFの技術責任者M氏に電話して様々な話を伺いました。
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①PLS-150電源の場合、端子が半月型(前期型)のものと平(後期型)なタイプがあるが、前期型から後期型でガラスエポキシ基盤が改良されており、後期型の方が良くなっている

②PLS-150電源の場合、後期は標準がトロイダルになったが、当時はEIコアを選択することも可能だった。

※後期PLS-150でもEIコアが選択出来たことは一般的にあまり知られていないかと思います

自分用の最終型ML-1Lには敢えてPLS-153Lではなく、PLS-150をEIコアに指定して組み合わせた。シリアルナンバーによってトロイダル, EIを判断出来るものではなく仕様はバラバラw

③PLS-153Lの場合はそんなものなので、この程度の電圧のズレならば気にする必要はない(これがPLS-150だった場合はよろしくない)

④PLS-153L電源にも前期と後期とがあり、一般的には筐体上部のビス本数で見分けることが出来る。

ビス2本の後期タイプは発振が起きて不安定なものが多く、ビス1本の前期タイプの方が安定している。

以下は余談です

・ML-1Lは特にラインモジュールが熱でやられることが多いため、夏場エアコンを掛けてない部屋では電源を切った方が良い。LNP-2Lの場合は熱を持たないので問題はない。

・PLS-153LはPLS-150(EIコアモデル)より熱を持つのでファンなどで冷やした方が良い。
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クリーニングを終えてLNP-2LにはPLS-150(EIコアモデル)を繋いでみました。音像がシャープになりフォーカスが合ったサウンドに変わりました。PLS-153Lの柔らかさも捨てがたいですが、こちらの方が好みに感じました。

9.23.2021

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