長い日曜日 前編
時計を見ると11時だった。だが、そんなことはどうでも良い。
いつでも僕の行動は変わらない。変わることといえば空の色が変わるぐらいだ。
僕は大学を出て就職したがそこでパワハラを受け精神を病んでしまった。
その時は自殺未遂まで起こしてしまった、その結果自分の部屋に引きこもった。
初めは親が色々試行錯誤したがもうここ数ヵ月は諦めてしまった。
このままではダメだとは分かっているがどうすればいいか分からない。
もうダメだ、やっぱり寝よう…
次の日起きたら母親にリビングに呼び出された。どうやら僕を自立させるためにとある人を雇ったらしい。若干面倒臭いと思ったが渋々容認した。
すぐにとある男性が家に来た、僕より少し年上であった。
「今日から君のお世話することになった江戸原です。よろしく」
江戸原さんはどうやら引きこもり更生施設の人間らしい、捻くれていた為施設の人間には魂ないのだろうと思いあまり信頼してなかった。
「よし明くん、ご飯行こう!!」
「え…何で外に…」
「どんな理由でも良いから外に出て新鮮な空気を吸って太陽の光を浴びて
スッキリしよう!!」
「…行きたくないです、外に行っても敵しかいないでしょ、そうゆう場所だったもん僕が行ったところは」
「それは今までがよくなかっただけだよ。でも今は僕がいるから安心して」
…逆に何で数時間しか会ってない人信頼しないといけないんだよ…
まぁお腹は空いていたのでご飯食べに行くならと、渋々ついて行った。
ついて行っていると割とおしゃれなパスタ屋に着いた、席に座るとお互いにパスタを注文すると江戸原さんはまた喋り始めた。
最近楽しい? 趣味なに? 好きな食べ物なに?
どんだけ当たり障りない事聞いてんだこいつ…
「まぁパスタでも食べようか」
…食べるから来たんだろ…
何故かこの人からは[引きこもりを救ってる俺かっこいい]って思ってるタイプの人なのかなと思ってしまった。
もう面白くない、そう思いさっさとパスタを平らげた。
「よし、喫茶店に行こう!ね!良いでしょ」
ここでNOとは言えないだろ…
もう帰りたい気持ちの方が高いが一人で帰ってくると母親に怒られるので僕は仕方なく江戸原さんについて行った。
続く…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?