浮かび上がるSDGsへの意識の世代間の違い~全日本紙製品工業組合の意識調査から
こんにちは。エンパブリックの新村です。
みなさん、SDGsと聞くとどんなことが頭に浮かびますか?
最近ではメディアや生活の中で耳にする機会も増えてきて、企業や地域での取組みも進みつつある中で、自分とSDGs、自分の仕事とSDGsってどう結びつくのだろう?と、繋がりにピンとこないという声もお聞きします。
エンパブリックの代表広石がSDGs委員長を務めさせていただいている、全日本紙製品工業組合では「SDGsに関する意識調査」として消費者(10代~60代1500人対象)・事業者の両方からの調査を行いました。調査結果からは、リアルな世の中のニーズや、認知の違いなどたくさんの気づきがあったので、日々の生活から企業での商品開発まで、みなさんのヒントにもつなげていただけたらと思いましたので、気づきをシェアします!
〇まず、SDGsの認知度は9割に達していて、幅広く認知されてきているということに驚きました。
そして、知るだけでなく、SDGsへの関心については10代がダントツ!男性では20代から50代では年齢が高いほど関心が下がっているのも注目すべき点だと思います。
〇認知、関心だけでなく、SDGsの目標とされている内容を説明できる、SDGsについて調べるなどアクションしたことがあるなどの項目で10代は他世代よりもとても高い反応があります。
興味深いのは10代と20代に差があることで、これは学校教育でSDGsが入ったのが5年ほど前なので、そこで教育を受けているかどうかで差が開くのではないかと考えられます。10代(特に男性)は「普段身近な人とSDGsについて会話をしている」という回答も高く、SDGsは当たり前という前提が他の年代とは違っているんじゃないかなと感じました。
18歳と28歳ではSDGsに対する考え方などは違ってくるのだと思われます。
そして、10代女性においては100%が職場におけるSDGsが必要という考えを持っているのにも驚き、数年後の就職先選びにも大きな変化が起きるのではないかと改めて考えました。
〇そして、30代~40代の層がビジネスなどで考える機会が多いイメージを持っていたのですが、それよりも50代~60代の女性の関心が高いという事にも新たな発見がありました。古紙利用再生紙やリサイクルなど、環境の方に意識が向いているところから、エコという捉え方をされているのかなという印象を受けました。
〇年代によってSDGsへの意識には差があり、10代の親である40代の意識が低めに出ていること、企業のマネジメント層の多くを占める40代・50代男性と10代の意識の差も気になります。
また、SDGsとして意識していることが異なっているようです。若年層は教育やジェンダー平等、産業の技術革新などに向いているのに対し、上の年代は環境など自然について考えていて、一言で「SDGs」と言っても、年代によって異なった問題意識と見方をしているという発見がありました。
逆に全世代で共通している関心は貧困や健康と福祉などで、やはり自分たちの生活に直接的に関わってくる問題は、身近な課題としてとらえやすい印象を受けました。
〇一方で、事業者への調査で印象的だったのは、SDGsの取り組みは必要だと思うと答えている人の割合が多いのに対し、実際にSDGsについて調べたことがあるという人は半数という結果が。エンパブリックでは、企業や行政の社会課題解決へ向けてのご相談を多くいただいておりますが、社内など、中だけで考えていると社会の課題との結びつきに気付くことは難しいのだなと感じます。それが、このような結果に繋がっているならとてももったいないなと感じます。
今回の調査内容から、新しい気づきや改めて確認出来た部分などが多々あり、常に情報を更新しながらニーズと向き合い続ける事が、とても大切だと思いました。そして、年代や状況などでの意識の違いを知ったことで、それぞれに合ったアプローチを意識しないと、伝わらないという事をつくづく感じました。
今の活動や仕事が、実際の社会の課題とどう結びついているのか、どんなところに需要が生まれるのか、改めて一緒に考えてみませんか?