平成で❝守る❞は変化した?-広石コラムVol.16
エンタメ界で爆発的な人気の「鬼滅の刃」、アニメでついに見ました!普段あまりアニメは見ない私ですが、世間であまりに話題になっているので、野次馬的な感じでチラッとのぞき見したところ、STORYのあまりのおもしろさにハマった。。日々メディアで流れてくる学生たちのインタビューを見ていて、久々に皆が同じ事で楽しんでいる「流行り」を感じました。コロナで色々な制限がある中で、こういう事で皆が繋がっているのは楽しくて良いなと思います。こんな明るい話題の一方で、生活の変化で困っている方もたくさんいて、以前、平成を振り返ったコラムがあったなと思い読んでみたところ、今の状況と照らし合わせて色々考えさせられることがありました。こちらのコラムをご紹介します。(事務局 新村)
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ゼミ「問いかけ力を磨こう」は、これまで約200名の方に参加いただいていますが、修了した方の交流、対話の機会として、「問いかけセッション」を行っています。今年に入って「平成の間に変わったこと、変わらなかったこと」をテーマに3回開催しました。
興味深かったのが、「この20~30年で同じ言葉を使っても、その意味が変わってきた」という話です。
例えば、「流行る」。きっかけは「カラオケで歌う曲が意外と変わらない。若い世代が入っても90年代を歌ってる」という話でした。そこから、ある参加者から、こんな発言が。「高校生の姪っ子に『今、クラスで何が流行っているの?』と質問したら、『クラスで流行るっていうのが、わからない』と返ってきた」と。
なるほど、それぞれに今ハマっているものがあっても、「クラスで」はないのだろう。自分の好きなものをネットで深堀りすればいいので、関心高くない他の人に話しかける必要もないのかも。平成の間に、テレビや雑誌からスマホへと情報源が代わったことで、クラスで話すことも変わったのでしょう。そんな風に対話が深まっていきました。
もう一つの変化で印象的だったのが「守る」。昭和では「会社が社員を守っていた」。それは、会社中心の生活で、公私ともに深くつきあい、会社という枠の中にいることが前提だったから。社員は会社の一員であることを前提に生きることで守られていたし、それを普通に選択していた。
では、「平成の終わる今、会社が社員を守るとは?」と対話は進みました。会社や事業部が続くかわからない時代、昭和的に会社が社員を守れないことは、社員もわかっている。その時代に「会社が社員を守ろう」とするなら、副業などを積極的に認めることではないか。また、社員が契約終了や転職した後に、自分の力でやっていける力を高めたり、環境を99整えることではないか。
そこから、高齢化の問題においても、「守る」は変化した。昭和の終わりに「高齢者を守る」とは「お年寄りだからしなくていい、こちらがしてあげる」だった。今の「高齢者を守る」は、「自分で動き、参加し、責任なども引き受けることで、健康寿命を延ばす」に。「認知症の人を守る」も「施設に入れる」から「地域での生活を続け、参加できる環境を整える」に。「家族を守る」も「夫が働いて妻は家事」から「夫婦共に働き、家事や育児も分担するパートナー」に。共通しているのは、「守ってあげるー>守られる」という一方向で、パターナリズムな関係から、「それぞれが自ら立てるような環境を協力してつくっていく」の方向にシフトしていることです。
平成を通して変化は進み、未だ移行期ですが、その方向に進むのではないか。個で立ちながら、それを支え合える環境はどうしたらいいか、探求を続けていきたいと思いました。 エンパブリック代表 広石
(2019年3月29日記)
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今読み返してみると、コロナによって以前から問題視されていたことが、より深い問題になってしまっていたり、高齢者が自ら立てるような状況ではなくなっているなどの問題点。逆に育児や介護などリモートで解決できることが増えていたりといった良い方の変化。といった世の中が大きく変わっていることをこのコラムを通して振り返ることで実感させられました。自分自身も身の回りの変化や気付きを大切にして、良い方向にシフトしていけるように心がけていこうと思います。(新村)
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