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アヤノリマー アーガリーいせきのひほう
キャラクター原案・白月たべにゃん
OPテーマ「アヤノリマーのうた」歌・白月たべにゃん、作曲・さばかん
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わたしは宇宙探検家のダーシー・マッキー。今回はこの星の【アーガリーいせき】に眠るという秘宝を求めてぼうけんをしてきた。いくつもの危険なトラップをくぐりぬけ、とうとう秘宝のあるとびらの前にたどりついた!
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「・・・と思ったデショウ?ざんねーん、まぼろしでシタ」
なぞの声が聞こえたかと思うと、とびらはたちまち消え去ってしまった。
「えっ!誰だいったい!」
ジャーン!
*キケンせいぶつ イメイメツー まぼろしでよせつけるよ!*
「ふっふっふ、アーガリーいせきの秘宝はこのイメイメツーのものデス。あなたにはここで消えてもらいまショウ」
イメイメツーがしかけた落とし穴に、わたしは落とされてしまった。
くそっ、まっくらで何も見えない。何か明かりを持っていなかったか?
わたしは手さぐりでカバンの中から、ライトらしきものを取り出してスイッチを入れた。
~アヤノリマーノリマーノリマー アヤノリマーノリマーノリマー・・・~
ふしぎな歌がどこからともなく聞こえてきて、何かが転がってくる気配がした。
ゴロゴロゴロゴロ・・・ピタリ
巨大なのりまきがわたしの目の前に転がってきて、止まった。
「アヤノリマー、さんじょう!およびになったのだ?」
「うーむ、よんだ覚えはないのだが?」
「だれかがアヤノリマーライトのスイッチをいれたから、きたのだ!」
わたしはここでようやく、手に持ったライトらしきものをまじまじと見た。
たしかにこののりまきっぽい何者かの形をしている。たしかどこかの星で手に入れたものだろうが、いつ入手したのかは全く覚えていない。
「うむ、いちおうよんだのはわたしということになるらしい」
「やっぱりおよびになったのだ!なにかやったほうがいいことはあるのだ?」
「やった方がいいことか・・・いろいろあるが、まずは、この落とし穴から脱出したいのだが」
「おやすいごようなのだ!でも、そのまえにひとつおねがいがあるのだ」
「なんだね?」
「じぶんでおきられないから、おこしてほしいのだ!」
わたしの手助けでようやく起き上がったアヤノリマーは【スーパーのうりょく】を使ってここから出してくれるという。
「ぼくのあたまにしっかりつかまるのだ!」
「む・・・こうかね?」
「いくのだ!」
【スーパーのうりょく は つ ど う!】
アヤノリマーの目があやしく光った!
そのとたん、アヤノリマーの体がスルスルと伸びていく。どんどんどんどん長くなり、アヤノリマーの頭につかまっていたわたしは、あっという間に落とし穴から脱出することができた。
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穴からヘビのように這い上がったアヤノリマーに、わたしは礼を言った。
「ありがとう、助かったよ」
「おやすいごようなのだ。これでいっけんらくちゃくなのだ?」
「いや、まだやった方がいいことは残っている。イメイメツーのまぼろしをかいくぐって、アーガリーいせきの秘宝を手に入れるんだ!」
「なるほど!やったほうがいいのだ!」
なんやかんやで、ついにわれわれは遺跡の待つ、本当のとびらの前までやってきた。そこにはこう書かれていた。
【ダンスをご覧ください】
ためしにふたりでおどってみた。アヤノリマーはくねくねしていただけだが。
とびらはシーンとだまったまま、何の反応もない。
「うーむ。ダンスをおどるのではダメなのか?ご覧にならなければならない?誰のダンスを?」
わたしはアヤノリマーといっしょに首をひねった。アヤノリマーは首というより、体ぜんたいをくねっとしていたが。
「おまえたち、なかなかしぶといですネエ」
そんなとき、イメイメツーがあらわれた!
「おお、ちょうどいいところに。ちょっと、おどるのを見ていてくれないか」
「・・・ハテ?」
困惑するイメイメツーを前に、われわれは先ほどのダンスをひろうした。
シーン。やはりとびらは動かない。
「おまえたち、ぜんぜんなってないデス。ダンスっていうノハ、こうやるんデス」
今度はイメイメツーがおどりだした。なかなかに華麗で、情熱的なダンスだ。われわれははくしゅをした。アヤノリマーは手が出せないので、ふんいきだけだったが。
ゴゴゴゴゴ・・・
とびらが開いた。
「さっきのわれわれのおどりは、ダンスとみとめてもらえなかったらしいな」
「シ、しまっタ!あまりのひどさにツイ・・・おどってしまッタ!」
イメイメツーは頭をかかえた。
「まあ、そう気をおとさずに。すばらしいダンスだった。むねをはっていい」
「そういう問題デハないのでス!」
「さて、アーガリーいせきの秘宝をおがませていただくとしよう」
光かがやく祭壇に大事に置かれていたのは、
【アーガリーの最高級茶葉】
「やったほうがいいことは、もうこれでぜんぶなのだ?」
アヤノリマーの問いかけに、わたしは答えた。
「いや、最後にやった方がいいことがある。ここにいるみんなで、このお茶を飲もう」
「エエッ!?もったいナイ!!」
「もったいないことはない。お茶は古くなったらまずくなる。飲まれることで価値が生まれるのだ。みんなで飲めば、なおさらにな」
「うん、それはやったほうがいいのだ!」
アヤノリマーの目があやしく光る。
【スーパーのうりょく は つ ど う !】
空間がゆがんで、そこから3人前の寿司が出てきた。
「おちゃといっしょにみんなでたべるのだ!」
その後われわれは、楽しいひとときをすごした。
「やった方がいいことは、これで全部だな。ありがとう、アヤノリマー」
アヤノリマーがジャンプして、決めゼリフを言った。
「いっけんらくちゃく アヤノリマー!なのだ!」
おわり
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