刀剣乱舞『春風桃李巵』の考察というか感想というか 其の2
其の2までありがとうございます
其の1があるんかいって人は先にそっちを見てからの方がいいかもしれません
アテンション!
歌詞とかセリフとか走り書きしてます
ネタバレしかしてないのでまだ見てない人は撤退推奨
ついでにみほとせ、あおさく、パライソ、江水のことも話してます
なんなら花丸、ステの話もしたかも
本編の話②
政宗が幼少期は内向的だったって話、知識としてうっすら知ってはいたけど、自分の中のイメージとしては野心家でイケイケな印象なんだよね
でも、子どもの頃に片目が見えなかったら、あんまり活発な子にはならないかもしれない
幼きおり
片目失い
この眼(まなこ)が見るはうちばかり
だが知った
筆一つで繋がる
筆一つで広がる
筆一つで拓ける
筆は刀に勝るとも劣らぬ
うちばかりっていうのは梵天丸(政宗)が内向的だということなんだろうけど
片目だと、距離感がうまく掴めなくて外で走り回れなかったから自然と家で文字を書いていた
それで手紙によって繋がり、広がる人脈や交流に気づいていったんだろうなと想像すると
同じ歳の子どもたちと親しく付き合えたわけではないのかもしれない
そしてお待ちかね(?)片倉小十郎景綱とのエピソード
伊達政宗の右腕として、彼を支えた従臣の一人
その主君愛は相当だったらしく、
家督を継いだばかりの政宗に気遣って、授かった子どもを殺すと言うほど
政宗がそれを止める手紙を書くという、お互い思いあっている二人
「な、わからんか。なぜそもそも景綱が生まれてくる我が子を殺すと言ったのか。長年守り役をしてきた景綱にとって、政宗が家督を継いだ今こそ人生最大の踏ん張りどき。そんな時に、いやこんな時に、ということじゃ。わかるな」
これ、大倶利伽羅が「わからん」ってはっきり言い切ってちょっとした笑えるポイントになっている
公演重ねる毎に食い気味に言うようになってる、かわいい
ちゃんと聞いてるけど絶対わかってない顔はしてる
「それだけではない。政宗にはまだ子がいない。主君を差し置いて先になどと。わかるな」
ここも食い気味に「わからん」って言ってるけど、宗乙は全然聞かずに話し続ける
テンポが完全にコメディ
今回、わりと展開早いと思う
怒涛の展開というわけではないんだけど、掛け合いのテンポがころころ変わるのでメリハリがついて、置いていかれないんだよね
「とにかく、その複雑な心境ゆえの景綱の苦渋の決断をその胸中を知ってか知らずか政宗は! もうわかったな!」
「わからん」
「な! だーーーー!」
言葉を尽くして説明しても全然わかってもらえず、ついにキレる宗乙
ギョッとして宗乙を見る二振がかわいい
鶴丸もこんな表情するんだ
シンクロしたリアクションあざす!!
そしてここから全く予想していなかったことが起こる
不立文字
文字や言葉で伝わらぬのなら体験によって伝えるという禅の教え
宗乙によって、役を振られる大倶利伽羅と鶴丸
大倶利伽羅が片倉小十郎景綱役で、鶴丸がその妻
妻!?
ってなるじゃん
鶴丸もなってた
でも始まると一番ノリノリなのは鶴丸なんだけど
ここの鶴丸の切り替えは最高にCV斉藤壮馬の鶴丸って感じがした
鶴丸なら絶対こんな感じっていうみんなのイメージの最小公倍数
劇中劇、というのかわからないけどそんな感じ
コントっていうほうが近いのかな、このあと絶対本丸で流行っただろうな
そんなことはどうでもいいか、話を戻すと
刀剣乱舞は史実を元にした話が多いから、出演する刀剣男士の数が減るほど刀剣男士を主役にしたまま歴史の話をするのが難しくなる
話題の中心は常に刀の持ち主の方なわけだから、今回だと政宗の方をしっかり描かないといけない
でも政宗の話を追いすぎると鶴丸と大倶利伽羅がおざなりになるという矛盾
だから源氏双騎は本編に膝丸と髭切が刀剣男士としては登場しないという形にしたんだろうし
今回は大倶利伽羅顕現したての頃の話っていう前情報があったからこの辺をどうやって解決するんだろうと思ったら
まさかの不立文字!
これなら見せたいところだけ切り取って刀剣男士に演じてもらって政宗が描ける
構成が天才すぎてしんどい!
片倉小十郎役を振られた大倶利伽羅が尊い!
宗乙が喝を入れながら
「お主は片倉小十郎景綱」
「は!?」
かわいい、全部反応がこれじゃん、かわいい
でも喝には全然リアクションしてないの
「お主は片倉小十郎の妻」
喝に驚いたようなリアクションをする鶴丸
そして「え、妻ぁ!?」
見てる方も思った、妻役鶴丸!?
俄然見たい、夫大倶利伽羅もっと見たい
「はじめ!!」
「なぜでございますぅ」
合図の瞬間泣き崩れる鶴丸(妻)
いや、やる気満々じゃねえかw
しかも上手い、鶴丸はお芝居が上手い笑
隣でギョッとして、それから宗乙に助けを求めようとするけど、
諦める大倶利伽羅
うーんかわいい
「なぜ生まれてくる子が男子であれば殺すなどとおっしゃるのですか! お答えくださいまし、小十郎様あああ」
この間、無言のまま必死に抵抗する大倶利伽羅
でもどっちも助けてくれません、やるしかない
このやるしかない状況に追い詰められがちな大倶利伽羅かわいいよね
らぶフェス2022でも小狐丸今剣にうまーく言いくるめられちゃってたし
どうする、やるか、やるしかないのか?
ってめっちゃ考える大倶利伽羅
なんか口ぱくぱくさせて無音で喋ってるw かわいい
どれくらいの時間悩むかは回変わりなので毎回楽しみにできます
結局諦めて
「許してくれ! 我が殿が、家督を継いだばかりの今がいちばん大事な時なのだ」
え、すごくちゃんと感情込めてやってくれる
みほとせで、榊原康政の役を急に振られた時、切り替え早いなって思ったんだけど、あれはこの経験があったからかい!?
ともかく、劇中劇とはいえ、公式で夫婦役してる鶴と伽羅が見られる日がくるなんて、誰が予想できただろうか、いや誰もできなかった
「少しは気持ちがわかったかな」
「感じたところで何になる」
「それはお主次第じゃ」
何かを感じたことは否定しない大倶利伽羅
そっか、心の芽生えだね
完全に我が子の成長を見守る母の感情
そこへやってきた政宗に、飛脚だと紹介され「は!?」って言う大倶利伽羅かわいい
手紙を届けてくれと言われて「は!?」って言う大倶利伽羅かわいい
あれ? かわいいしか言ってなくない?
まあいいか、大倶利伽羅も「は!?」しか言ってないし
そういえば、伊達政宗が梵天丸の頃に一度だけ二振には会っているはずだけど、覚えてないのかな
忘れちゃってるんだとしたらちょっと切ない
歴史の浄化作用ってやつ?
「乗りかかった船、飛び乗ってやる」「俺を巻き込むな」「じゃあ溺れるかい?」
ここの掛け合いもいいんだ〜〜
張り合う2人がいい
そして曲、めっちゃ楽しい
ステップかわいいし、一生懸命走る大倶利伽羅かわいい
鶴丸も大倶利伽羅も、お互いより前を走ろうとしてるよね笑
どっちもかわいいよ〜〜〜〜
それでもはっしるう
飛脚は走るう
それでも走るう
雨でも走るう
割とどうでもいい……たわいない内容の手紙を届けまくる二振
めっちゃ楽しいなあ
「これも任務なのか?」
ああ、やっぱり大倶利伽羅はそんなに楽しくなかったみたいデスネ
「くだらん」って言ってどこかへ行こうとする
「俺は戦いたい、ってか?」
鶴丸に問われ、無言で歩き出す
図星だったんだ
手紙は政宗の武器の一つだった
手紙一つで人を動かし、読むのは行く末と心
そういう戦い方がある
鶴丸と宗乙のところへ戻ってくる大倶利伽羅が素直でかわいい
刀を使わない戦い方に納得した訳ではないだろうけど
若かりし頃の政宗の話に興味を持ったのかな
政宗も最初の戦は心を掴めなかったようで、裏切り者の城を焼き、女も子どもも犬に至るまでなで斬りにしたそう
これに鶴丸は「民草を巻き込むのは良くない」「周りも己も見えていない」と批判する
パライソの時も思ったけど、力だけに頼るのを鶴丸はかなり嫌がっている気がする
あと民衆を巻き込むことも
畠山勢に政宗の父親が人質に取られたときには、敵の大将を切り刻み、縫い合わせ、磔にしたそう
政宗の過激さがよく表れている
私の中の政宗のイメージはどちらかというとこっちだった
これを宗乙は、「若さゆえの焦りと自分の心を制御できぬ未熟さが招いた実に醜き戦」と表する
鶴丸は「父親の敵討ちを醜いって言われちゃたまらないな」
と返すんだけど、宗乙は
「戦に憎いという感情を持ち込んではならん。強き力の奥に慈悲の心を忘れてはならん! 忘れればただの人殺し、堕地獄の悪鬼と成り果てる! 人の心というのは光り輝きながら暗い影を持つ物じゃ」と怒る
この言葉を鶴丸と大倶利伽羅は静かに聞いているわけだけど、これは完全にパライソに繋がっている!
と思った
うまく言語化できないけど、この鶴丸はパライソの鶴丸と「同じ」と直感的に理解できたんだよね
同じ本丸の刀、ここの延長にパライソがある
パライソで、鶴丸は最初から山田右衛門作にあたりがきついなと思っていたんだけど、あれは彼の間違った選択に対する怒りと民草を巻き込んだことへの怒りと批判があったから
伊豆守と「共有はできたからな」って言う場面で、なで斬りを決めた伊豆守への怒りがなかったのも、彼の心にある慈悲と平和を願う切実な思いを確かめられたから
そういうことだと理解していたけど、鶴丸のそういう感覚はこの時の経験と宗乙の教えによるものだったんだと知ってエモさ爆増
これを隣で聞いていた大倶利伽羅がみほとせを経て、パライソで鶴丸を支える存在になっていたんだ
パライソで、大倶利伽羅は決して鶴丸と対等な立場になれていたわけではないと、個人的には思っている
対等だったのは知恵伊豆かな
大倶利伽羅に鶴丸のような視座の高さはないし、彼の抱えているものを一緒に背負うことはできないから
でも、対等ではなくても、大倶利伽羅は自分にできるすべてをやるために鍛錬を重ねるし、それによって強くなっているんだなと思うと、彼にとってもここでの経験は大きかったんだなって思ったり
双騎で大倶利伽羅は鶴丸にもやられるし、遡行軍にも敗北する
大倶利伽羅が勝つ描写って最後以外ないんだけど、みほとせではにっかりと二振で遡行軍を退けるし、それ以外の場面でも傷すら負わない
精神的な未熟さはまだ残っていたけど、肉体的にはこの時から遥かに成長している
「月みたいだな」
誰のことを言っているのかな、鶴丸
そういえば双騎の時空ってどこにあるんだろう
三日月とはどんな会話をしていたんだろう
長期任務中だった鶴丸が三日月と一緒にいた時間はそう多くないのかもしれない
「まさに。時にその己の影に蝕まれる。そう言う時があるんじゃ」
「一人じゃ鳴らせないって教えてくれたのはあんただろ。影があってこそ一層明るく澄み渡るのが月。そんな政宗の心の月に、みんな惹かれたんじゃないのか」
「左様」
はああ、わからん、三日月のことをどう思ってるんだ
ここから宴が始まる
すぐどっか行くかと思ったけど大倶利伽羅、意外とそばで見てる
酔っ払いたちを迷惑そうな、理解できないと言うような顔で見ているけど
無理やり太鼓を叩かされる大倶利伽羅
「よ、伽羅坊日本一!」って煽てる鶴丸、めっちゃ伊達組のノリだな
大倶利伽羅太鼓上手だし
付き合いきれん、とばかりにどっか行こうとする大倶利伽羅を止める鶴丸
「戦うこと以外に興味はない。周辺の警戒はしておく。お前らは勝手にしろ」
うーん、どこかで聞いたようなセリフですねえ
やっぱりこの辺の感覚はみほとせまで変わっていないんだな
大倶利伽羅は、みほとせからパライソの変化がかなり大きいと個人的に思っているので、彼の中で五平の死は相当衝撃的だったし、心が揺さぶられた経験なんだろうな
でも相手は鶴丸なので、どこかに行ってはしまわない
「祝杯をあげるのは、儀式みたいなもんだ」
「共に命をかけて戦った者たちが集まり、歌い踊って酒を酌み交わす。そしてまた命を預け合う」
「なぜ命を預け合う?」
大倶利伽羅は本当に純粋な疑問から鶴丸に問いかけていると思う
批判とか馬鹿にしているとか、そんな感情はない
と思うんだけど、直後に「ふん、馴れ合いそのものだな」と視線を外す
「そうかい」
ここ、マチネは政宗とセリフが被るんだよね
ソワレは普通に被ってなかったから、これはミスなんだろうけど、「何か言いかけた鶴丸がタイミングを失った」みたいでソワレとは違う味わいになってる
ソワレは「そうかい」の後に少し間があるから、宴の意味を理解していない大倶利伽羅を一旦諦めた……いや、理解にはもう少し時間がかかる、と判断したように見える
どっちもいいなあ
政宗「お主らは飛脚じゃったのう」
「いや、実は違うんだ。あいつ(大倶利伽羅)はそうだ」
「おい、出鱈目を言うな」
ここ、変わらない二人の関係って感じするよねえ
鶴丸も大倶利伽羅も精神年齢あんまり変わらないんじゃないかという気がしてくる
こういうところが好きだな
パライソで言えば「ハライタナラ ヤスミタマエ、だっけ?」「わかってるぞ、わざとだろ」のとことかね
鶴丸に揶揄われる大倶利伽羅かわいい
大倶利伽羅も別に反応しなくてもいいのに、無視せずちゃんと拾ってあげるの優しい
「な、飛脚伽羅」「おい」
かわいい、癒し、和み
らぶフェス2022の福井公演でも「えおえおあ倶利伽羅」「おい」みたいなことやってたよね
尊い、語彙を失う尊さ……
政宗「歌を詠もうか」
七草を
一葉に寄せて
摘む根芹
有名な句、らしい
大倶利伽羅は復唱して「俺には、ただ春の七草を歌ったようにしか思えない」
うん、情緒がないね笑
でも鶴丸も、なるほどそういう意味だったのか、みたいな反応をする
双騎を通して、鶴丸は大倶利伽羅に心を解ってほしがっていたと思うんだけど、じゃあ鶴丸はその心をどういうふうに理解していたのかな
前半は特に、鶴丸の感情を掴みかねるような描写が多くて、鶴丸がよくわからない
さて、意味わからなかったのに政宗は「とっておけ」と歌を書いた扇子ごと大倶利伽羅にあげる
これを最後までちゃんと大事に持ってる大倶利伽羅、情動が湧いたって感じする
政宗からの文をもらう伊達刀エモすぎませんか
刀ミュは歴史上の人物との関わり方が深くていいよね
正体を隠したり違う人物を演じたりはしているけど、その人と共にかなりの時間を過ごしているし、
人と人、として接しているのが素敵
刀ステは、歴史上の人物と出会った刀剣男士の内なる変化が多く描かれる気がする
刀剣男士と出会ったことで歴史に影響してはいけないから
天伝とか无伝は結構踏み込んでいたけどね
「冗談じゃなく、歌ひとつ、手紙ひとつで歴史は変わるのかもな」
「俺には理解できん」
ここ、時間遡行軍が手紙を狙う可能性があることに大倶利伽羅が気づくか試しているような節があると思うんだけど、どうだろう
「待てよ、命を狙わずとも、紙切れひとつ燃やせばいいとなりゃ」
うーん違うのかな
鶴丸はここで初めて気づいたのか? 本当に?
じゃあ最初の「狙われたとしてもおかしくはない」は「何が狙われたとしても」なんだ?
小田原攻めの出陣要請が政宗に来る
これを聞き届けてから去る二振
小田原攻めは、秀吉の連合軍が北条を攻め落とした戦で、これに大遅刻した政宗は白装束で謝って首の皮一枚繋がったとか
義伝でもあったやつですね、歴史弱者の私でも覚えてる
参陣するということは秀吉に降るってことだから、信頼する家臣の意見も真っ二つ
急ぎ小田原へ参陣せよと申す者、真っ向から秀吉軍と戦えと申す者
「どちらも主君を思ってこその対立だろ」
相当わかっちゃった鶴丸かわいい
このへん日替わり要素っぽい〜
かわいい鶴丸たくさん見れそうですね
そして何かを察して「おい」と止めようとする大倶利伽羅
「誠にわかっておるか試してみることにしよう」
残念、大倶利伽羅は巻き込まれます
大倶利伽羅って顕現したてから、察しがいいんだな……
鶴丸は片倉小十郎、大倶利伽羅は伊達成実で不立文字
「不立文字はじめ」と言われる前にもう座ってやる気満々の鶴丸と、喝を入れられた状態から微動だにしない大倶利伽羅
「さっきのよかったよ」と煽てる宗乙
花丸本丸の運動会を思い出すなあ
光忠と貞宗と伽羅で歌ってるあのエンディング
刀は、各本丸の同一刀剣男士とリンクさせるのがうまいよね
個体差はあれど、根本が同じ刀剣男士だなって思える
褒められたからか、やってくれる大倶利伽羅
「時すでに遅し! 今更参陣したところで咎めあるのみ! 小十郎殿はみすみす殿の首を秀吉に差し出すと申すか!」
「わからぬ! 臆病風に吹かれたとしか思えぬ。この伊達成実、一歩も引かぬぞ」
「何をお?」「やるかあ!?」
この辺、めっちゃ感情を露わにしてる大倶利伽羅が見られて大はしゃぎした
大倶利伽羅じゃないけど
言い争いしてる鶴伽羅が擬似的に見れてしまって、自分の願望が作り出した幻覚かと思うくらい
みほとせの時もそうだったけど、殿に傅く大倶利伽羅ってこう、いいよね
「その時、政宗の眼は何を見た?」
進んで不立文字やりに行く鶴丸
関白秀吉を演じる鶴丸楽しそうだな
声音とか動きとかが鶴丸と全然違って、悪役っぽい笑い方が様になってて惚れた
鶴丸国永って、いや岡宮さんってすごい、役の中で役を切り替えてる
ちゃんと鶴丸を残しながら秀吉って伝わるのすごいなあ
その目に何が見える
その目で何を見た
己の在りどころ
見極める眼
明白な剣客
「もう少し、早く生まれていれば。さすれば天下がとれたと思うてか!」
「滅相もございません」
ここで、政宗は天下の遠さを理解してしまう
埋めたいと思うだろう
出遅れた時間を
はあ。
ここの「埋めたいと思うだろう 出遅れた時間を」ってとこ、
鶴丸は大倶利伽羅を見るんですよ
秀吉の笑みのまま
大倶利伽羅は首元に刃を当てられたような顔で息を呑む
政宗を通して、大倶利伽羅に伝えているんだよね
隻眼の黒き竜よ
爪も鱗も
染められたのか
敗北の白き衣に
隻眼の黒き竜よ
見上げることを
諦めたのか
夕日するはずの空を
「なぜ戦わずに屈した!?」
刀抜かぬ戦い方など
刀交えぬ戦い方など
知らない
知りたくない
わかりたくもない
埋めてやる
俺は俺の戦い方で
感情が昂って歌になる
ミュージカルだ……
大倶利伽羅の悲痛さ、政宗への絶望、葛藤、全部がごちゃ混ぜになって伝わってきて何回聞いても泣きそうになる
無茶苦茶な型で剣術の稽古してるんだけど、曲が短調なのも相まって、もはや悲劇的ですらある
大倶利伽羅にとっては悲劇だったのか
政宗の正室である愛姫(めごひめ)が秀吉の元(聚楽第)へ行くことになる
彼女は京から何通も書状を送り続けた
殿、申し上げます
天下はまだ定まっておりません
私のことは気になさらず
殿は殿で大儀に従い
突き進みくださいませ
ご安心ください
二つのお守りがありますから
「二つのお守り?」
ひとつは懐剣、いざという時はこの身守り抜きます
もうひとつはこれです
「京に出立する折に、殿からいただいたお守り」
殿の心宿るお守り
愛姫は舞台上にいるんだけど、これを歌うのは鶴丸
なんだけど、歌っている声が女の人、愛姫の声に聞こえるんだよね
不思議
声質とか声の高さとかだけではなくて、表現力
柔らかさとか、その中にある意志の強さとか、そういうものの表現が上手すぎる
幼き折
片目失い
醜き己を忌み嫌った
だが知った
筆一つで繋がる(一文字一文字)
筆一つで広がる(一文字一文字)
筆一つで拓ける(一文字一文字)
「歌を詠むことで己の心と向き合って、ふみを書くことで多くのものと心を分け合って。私一人ではどこへも行けぬ。今はただ、生きることさえままならぬ」
筆は刀に勝るとも劣らぬ
「武器となって、このはじめを愛(めご)に託そう」
あなたのことはじめ
大切にいたします
あなたの物語を
ここに仕舞って
二人の絆を感じます、軽率に泣きます
一揆扇動の疑いをかけられた政宗は、弁明のために筆をとる
ここのダダーダダンってピアノが好きで好きで
考察でもなんでもない、好みの話なんだけど
疑いをはらさねば
この筆で
これは負けられぬ戦さ
武器をもて
各所へ各所へ送る書状が
私を守る甲冑
切れ味鋭き刀
筆よ
書状よ
私を守れ
「頼んだぞ」
なるほど、この書状が時間遡行軍に狙われるわけか
これを燃やせば政宗は弁明できず、処分されるから
間一髪、間に合った二振
「敵の狙いは、書状だ」
「そのようだな」
ここから殺陣
冒頭で大倶利伽羅と鶴丸が戦って以来、刀剣男士の殺陣はなかったんだよね
逆に言えば、殺陣なしでこんなに見どころたくさん作ってあるという構成がすごい
「さあ、やるか!」
「俺一人で十分だ」
「へえ、じゃあお手並拝見と行こうか?」
鶴丸、本当に一人にする
大倶利伽羅もフラストレーション溜まっていたんだろうけど、敵の数が多すぎる、そして捌ききれていない
刀剣男士として、能力値は決して低くはないはず(ゲームの方でもステータスは打刀としてはほぼ太刀)なのに斬っても斬っても終わらなくて体力が底をつき始める
ステータス云々じゃなくて経験値が足りない
これが埋められない時間の重さ
どんどん太刀筋が乱れていく
ここで曲に冒頭の「教えてやる その感情が苛立ち」のフレーズが入っているんだよね……
大倶利伽羅、苛立ってるのか
鶴丸は手紙と飛脚を守って、でもその後は苦戦する大倶利伽羅を上から眺めているだけ
ここの構図が怖い
鶴丸の目が冷たい
遠いから見えてないけど
大倶利伽羅が
倒れて、やっと助けに入る
シャランって鈴の音がするんだけど、これが強者感出すよね
みほとせでにっかり大倶利伽羅に四振が合流した時も、最後に石切丸がきた時鳴る音
あおさくでも鶴丸登場の時に鳴る
部隊長の登場音なのか!?(多分ちゃう)
「何を見てきた、お前はその眼で、何を見てきた!?」
怒ってるんだけど、何か、悲しみのような感情も見える
大倶利伽羅に、背中を預けてほしい、のか
「命、預けられてもないのに手え出して!」
「悪かったな」
馴れ合いそのものだ、と言ったはずのものに救われた大倶利伽羅は身が裂けるほど悔しかっただろう
でも同時に必要だということも理解したはず
白き息のイントロが流れる
ええええ、白き息!?
しかも鶴丸が歌う
パライソで鶴丸を意識して大倶利伽羅が歌った歌を
ここで鶴丸が大倶利伽羅を歌う歌にする
やっぱりパライソ初演に白き息なかったの嘘だ
こうして双騎を見ていると、パライソ2021がなかった場合の双騎が考えられなくて、
当時7公演しかできなかった時はみんな悔しかったし辛かったし悲しかったけど、
2021に公演が延期になってよかったなと思う
中止じゃなく延期にできるコンテンツだったから言えることだけど
その一年がここに繋がっていたんだから
これは演出ではないけど、この経緯も含めて、人生に無駄も遠回りもないんだって教訓を得た
全部を必要な時間だったと思わせてくれる刀剣乱舞すごい
きっと、今回のことも、良かったとまでは思えなくても、無駄じゃなかったと思える日が来るはず
涙腺よわよわ芸人なので、もうこの時点で号泣
でも歌詞がまた泣かせにくるんだよ〜
(鶴丸)
傷だらけのその背中
赤く滲む悔しさ
その痛みの先に
見えるもの
(大倶利伽羅)
己から流れた血は
抗えぬ弱さ
悔しさに疼く
これが
これが
感情、心
そういうのを理解し始めたんだろうか
刀として前の主から受け継いだ思いとは別に
刀剣男士としての大倶利伽羅に湧き上がってくる「思い」
(鶴丸)
預け合う命
諸刃の剣
強さと弱さの天秤
その背中を預ける時は来るのか
はい、好きなやつ
葛藤する大倶利伽羅とその成長を期待する鶴丸国永の組み合わせは全人類が好き、古事記に書いてある
「刀を振るう戦い」で弱さを自覚させられた大倶利伽羅の苦しみってアイデンティティに関わるものだと思う
それを乗り越えさせようとする鶴丸国永、やり方鬼畜だけど大倶利伽羅のこと信頼してるって伝わりすぎてそれもしんどい
背中を預けるとき、はパライソで来たね!!
あーまたパライソ見たい何度でも見たい
とか関係ないこともたくさん話していたらまた書きすぎたので続きは次回にします!
お付き合いありがとうございました!
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