エンパワ研究所創設者コーイチさんへ質問!「子どもが言うことを聞きません...」
皆様こんにちは!
エンパワ研究所事務局です。
今回は過去に行われたエンパワ研究所のお話会セッションの一部を特別に大公開いたします!!
エンパワ研究所創設者のコーイチさんに
日常生活の中で気になることをお伺いした質問者の皆様が
セッション後にどのように変化していくのか、
短いセッションの中で大きく変化される様子を感じていただけます。
今回の質問者は小さなお子様の育児に奮闘中のSさんです。
それでは本日もコーイチ先生のコーチングをお楽しみください!
Sさん
私が出かけたいタイミングと子どもが嫌がるタイミングが重なった時の良い声かけを知りたいです。
コーイチさん
いつもだったらどんな声かけをしていますか?
Sさん
「出かけるよ」って言います。
コーイチさん
「出かけるよ」って言って、「イヤだよ」となるとどうなるんですか?
「出かけるよ」「イヤだよ」が繰り返されるの?
Sさん
出かける用事を言います。
「幼稚園に行くよ」と場所を言ったりとか、
今日だったら「電車に乗る」と言って、「良いよ」となる時はすぐ出かけるんですけど、まず着替えから始まるので「着替えヤダ」から始まって、という感じです。
コーイチさん
用事と場所を言うんですね。それは子どもが行きたい所ですか?
Sさん
行きたいところの時もあるし、行きたくないところの時もあります。
コーイチさん
場所とか目的を言ったらどうなりますか?
Sさん
行く時もあります。
言っても「行きたくない」、「今じゃない」、「今はこれで遊んでいたい」と
言う時もあります。
コーイチさん
なるほど。「今は遊んでいたい」と。
子どもっていうのは、そう一筋縄ではいかないですよね。
Sさん
選択肢を2つ出しても3つ目のことを出してくるんですよ。
コーイチさん
おぉ、天才じゃないですか!例えば?
Sさん
例えば「ベビーカーとバスで出かけよう」って言うと
「電車乗りたい」と言ったりだとか…。
コーイチさん
「ベビーカーとバス」って言ったら「電車が良いよ」と言う。天才ですね。
電車じゃダメなんですか?
Sさん
電車に乗らなくても行けるところなんです。
コーイチさん
それをわがままと捉えるのか、この子は今そういう情報っていうかアンテナをキャッチいると捉えて全肯定して全BETしてみるのか。
Sさん
乗りたくなくて歩いて行ける距離だったらベビーカーでなるべく30分歩くんですけど、幼稚園は歩いては行けないので車に乗せたいんですよ。
バスもバスの時間があってそれに乗せたくてとかあるのですが…。
コーイチさん
幼稚園は行きたい時もあれば行きたくない時もあるんですか?
Sさん
今は行きたくないのでほぼ休ませています。
コーイチさん
それは良いんですか?
Sさん
幼稚園は良いんですけど、検診とか私が行きたいところとか笑
コーイチさん
なるほど。なかなかこれは深い話ですね。うちも一歳でまだ話せないので無理やり着せ替えていますけど、本当「ヤダー!」ってなった時はどうするんですかね。
Sさん
もう行くのを止めます。
コーイチさん
そうね。
Sさん
私は行くのを止めても良い?
コーイチさん
良いと思います。良いんじゃないでしょうか。
Sさん
でも私、お家にいるのが苦手なんですよ。
コーイチさん
何が苦手なんですか?多分ね、ちょっとごめんなさいね。
逸れちゃうかもしれないけどこの話は子ども云々じゃなくてSさんですね。
「Sさんの心の話」ですね。
子どもは写し鏡でしかないので、子どもを説得とか納得させてどうこうしても、
あまり意味がないです。Sさんの奥深い気持ちの方が大事です。
なぜ家にいるのが嫌なのか、
子どもを理由に何か満たしたいものがあるんでしょうね。
Sさん
私が?
コーイチさん
そうです。
子どもの理由で検診だ幼稚園だ、と言いつつも、
自分の心の何かを子どもが反応している風に見えます。
Sさん
どうすれば良いですか?
コーイチさん
その心の部分が何かが分からないので、まだ分からないですけど。
子どもとのやり取りでスムーズにいったとしよう。「言う事めっちゃ聞くなー」みたいな。子どもがすんなり行ってくれたとしましょう。
どういう気持ちになりますか?
Sさん
嬉しい。
コーイチさん
嬉しいだけ?
Sさん
助かる。
コーイチさん
助かる。
もちろん大事なことなんですけど、
Sさんとても「自分軸が強い」んですよ。
でも、「他人軸も大事」なんですよ。
「子どもが協力してくれて成長がハッピーだな」、「お母さんの想いを分かってくれて嬉しいな」が、あまりなくないですか?
自分の気持ちだけということです。「私が」助かる。「私が」嬉しい。大事なことなんですけど、子どもが言うこと聞くぐらい成長してお母さんとして嬉しい反面、寂しいなーみたいなものはあまりないですか?
良い・悪いじゃないですよ。自分の癖を分かってほしいんですけど。Sさんはある意味すごく子どもです。
他人軸というのは相手に対する共感性です。
共感性が多分薄いんですよ。だから人と関係性を築けないと思うんです。
子どもは写し鏡っていう発想。これ意味が分かりますか?
Sさん
投影?
コーイチさん
そうそう投影。
多分、僕は子育てを余裕で出来るんですよ。
なぜかというと、介護をやっているから。
介護現場に認知症の方がいるんですね。言葉も伝わらない、話したくても伝わらない。耳が遠くて大声で出しても聞こえない。筆談して教えてあげるとかね。相手の当たり前とこちらの当たり前が絶対違うじゃないですか。その人にどう共感するかって、こちらが完全に考え方を捨てない限り、向こうがどう考えているのかな、何が不安なのかなっていう向こう側に思いっきりフォーカスしないと分からないですよ。本当は分からないものなんだけど、分かろうとするということです。
「相手に興味を持つ」ということです。
Sさん
苦手です。
コーイチさん
そうですね、苦手ですね。
この感想が出るということは、悪いことではないですが、エゴなんですよ。
他人軸がありすぎてもだめなんですよ。自分がない人、「相手のために」という人も幸せになれないです。でも「自分、自分」という人も、なかなか難しい。人間っていうのは自分と他人の関係性を築くゲームみたいなものです。
だから、この突破口は「自分軸と他人軸を分かった上で共存する」ということです。
自分のことを分かっていないこともダメだし、相手のことも分からないと、この架け橋の掛け方が分からない。小手先の「どうしたら良いんですか?」、「どういう声かけとかやり取りをすれば良いですか?」というのは、あまり意味がない。
あなたが変わっていなかったら子どもも変わらないです。
Sさん
好きになれば良いんですか?
コーイチさん
無理やり好きになる必要はなくて、自分の課題をはっきりと認識すること。それをどう楽しんで、クリアしていくかということが大事です。
「自分はそもそも他人と関係性を築くのが苦手なんだ」、「あまりやってこなかったな」、「でもこれどうやら必要だな」みたいな。
「どうやってそれをクリアするのか」というゲームを自分の中で設定して日々を繰り返していく。子どもは練習相手です。
認知症のおばあちゃん、昨日言ったことを覚えていないし、靴下履いてって言っても「こうするの!」とか「こうやって!」とか、いちいち怒りません。「早く、早く!○時に行かなきゃいけない!」と言っても伝わりません。
どうするか?ってことですよね。
別に方法論とかの問題じゃなくないですか?
「その人に合わせたコミュニケーションを取ろう」とするしかないんじゃないですか?
おばあちゃん、着替えが遅いなと思ったら前もって動き出さなきゃいけないな。前日から準備しよう、みたいな話です。すぐ言ってすぐできる人ばかりじゃないでしょう。
ということはその人に合わせた事前対応、準備をしつつ、このAパターンが上手くいったらこれだし。Bパターン、Cパターン、Dパターンを練習していくことも大事だと思います。
Sさん
はい(涙)
コーイチさん
その涙は何ですか?
Sさん
分からないです。
コーイチさん
ぜひ介護をやってみましょう!(笑)みんな介護やれば良いと思っています。自分の都合じゃ動かないですもん。麻痺がある人、手が動かない人、耳が聞こえない人、全部パターンが違いますよね。それも個性じゃないですか。一人ひとり違う中で、こっちがどう他人軸に合わせていくかという練習なんですね、介護って。
この人はこちら側から介護した方が良いのか、反対側が良いのか全然違う。
それを一瞬で判断しなきゃいけない。その練習量が半端ないからすぐ分かっちゃうんですよ。
「この人こういう人でこうしなきゃいけないな」っていう。
Sさんはシンプルにその練習量が足りないです。
それを子どもが教えてくれているんです。特訓してくれてるんですよ。
「母ちゃん!母ちゃん!他人軸を学べよ!このパターンで行くぜ!、分かってねーな、お前!」みたいな笑
「今日はこうやってわがまま言って困らせてやろう!」という子どもに対して、
あなたはどう答えるのか、どう対応するのか。
「こういう時はこのパターンで来るのか」と研究する必要があります。
感情的になったら仕事はできますか?
「このボケたばあちゃん、このやろー!」みたいな笑。「なんでこの時にこう言うんだー!」って言うね。たまにブチ切れている介護士いますけど。
余裕がないといけない、余裕がある時にちゃんとこの子の分析をしてあげる。こういう時にはこういうパターンで、こういう時にはこういうパターンでした。その時にもちろん良いところも、「こういうところができるようになった」、「こういう一面もある」、みたいなものを毎日自分のノートにどんどん書いてあげたら良いじゃないですか。そうすると傾向対策見えてきます。「この時はこういう声掛けしたらこうなりました。」といった具合に。
介護にもそういう記録毎回書きますよ。「今日はこういう声かけしたらこう言われました」と。これをみんなに共有します。だから「こういう人にはこういう声かけをしよう」みたいになります。
Sさん
日記をつけるのが苦手です。
コーイチさん
苦手だとしても、自分が変わらない限り世界は変わらないし。
苦手ですけど、お母さん辞められますか?
Sさん
辞められないです。
コーイチさん
僕も介護で苦手なことがたくさんあります。でもお金をもらってる以上やらなきゃいけない、それがプロなんです。プロのママになったらどうですか?
プロのママだとしたらば、「苦手なのでやらないです」っていう選択肢はないですね。
まずやってみる。「プロのママになってやる!」みたいな、男性的な意気込みじゃなくて、「実はそれを通して自分の問題と向き合っている」という風に理解したら劇的に変わると思いますし、子どもはそれを投影してるだけなので。
わがまま言う時とか、「外だと良いんです」「中だとそうなんです」っていうのも同じようなことですけど、だとしたらどういう風に対応するのかっていうのは親の側も、やはりプロ意識だと思います。僕らもやはりプロの子育てをしていかないと子どもが可哀想じゃないですか。
僕は事業をしながら今一緒に活動をしている仲間に出会い、コミュニティを作ってきましたが、みんなを実の子どもだと思っているので真剣に子育てをやってきました。だからいきなり話されても答えらます。Sさんだけじゃないですよ、大変な人。いっぱいいるんですよ。
その人たちに苦手だったけど、付き合ってきました。良い・悪いじゃないんですけども、「奥さん」っていう個性もあるし「娘」っていう個性もあるし、「ここに来てくれているみなさん」っていう個性があって、全員が全然違う個性なんですよね。それに対して僕は「こうかな、ああかな?」って試しています。
それをお子さんに対してやっていくのが大事だと思います。
いかがでしたでしょうか?
次回も過去のお話会の様子をお届けする予定です。
「コーイチさんへの質問」では、
「自分だったらどうするかな?」「私も同じこと思っていたなぁ」といった
視点で読んでいただくとより学びが深いです。
次回も是非お楽しみに!!