"「政策評価」の理論と技法"を読んだのでまとめ
概要
政策評価の基本的な事項について、平易に解説した本。ウェブ企業勤めで、政策評価初心者の自分も読みにくさは感じなかった。はしがきでは、この本は、公務員、議会の議員、納税者などを読者として想定していて、異なる立場の人たちが同じ道具箱を用いて政策評価を論じることのメリットが語られている。
政策評価の各ステップのやり方をわかりやすく解説するだけでなく、コラムなどで実例が豊富に取り上げられているので、各ステップで何をやるか具体的なイメージがつかみやすい。
ところどころ、「意図された通りに政策が実施されていないため、失敗しているケースが案外多い」など、筆者の経験から気をつけなければいけない要注意ポイントに触れてあるのも面白い。
内容
政策評価がなぜ大事かといった話から始まり、政策評価の全体像を説明後、政策評価を構成する各プロセスについて詳しく説明していく形をとっている。
本書によると、政策評価は以下のようなプロセスからなるそうである。
セオリー評価
プロセス評価
インパクト評価
コスト・パフォーマンス評価
セオリー評価は自分の解釈では、「どういう理屈でもろもろ投入した資源が期待する成果に結びつくかを明らかにすること」 成果品がいわゆる「ロジックモデル」
プロセス評価はデザイン通りに施策が実施されているか調査する。
インパクト評価は、実際に実施された政策が効果があったか明らかにする。
コスト・パフォーマンス評価ではかかったコストに対してどれくらいの便益があったかを見積もる。
参考
http://evaluation.web.fc2.com/ から"セオリー評価","プロセス評価","インパクト評価", "コストパフォーマンス評価"などの各ステップをフォームに記入するだけで実施できるエクセルファイルがダウンロードできる。
今後
この本を参考に、居住している杉並区の行政評価報告書や、外部評価委員会の会議録などを読み込んで、杉並区という自治体レベルでどの程度まで政策評価が実践されているか調査する予定。