日本競馬の「顔」たるダービー馬
さて、今週はいよいよダービーです。
来年のダービーまでの1年間、日本競馬の顔として、国内はおろか、世界の競馬関係者に対しての『顔』になるのが『ダービー馬』なのです。
たとえば有馬記念馬や皐月賞馬や宝塚記念馬が海外に行って
『ええと、わたし去年の有馬記念馬です。宜しく!キラ~ん』なんて言って颯爽と名刺をきっても、外国馬様からしてみれば『あの~、おたくどなた様でっか?』ってなものです。
世界に行って通用する名刺は『ダービー』と『ジャパンC』の二枚だけです。海外からの出走がなくても『JC馬』の名刺はいまでも通用します。
『ああ、あのバカッ速い日本競馬のダービー馬さんですね、どうぞヨロシック。今度一緒に周りましょうか!』と礼節をもって迎えて貰えます。
従って、日本競馬を背負って立つだけの血統背景が求められるのは当然で、日本競馬の顔たる重要な金看板をその資格に乏しい馬にフロックで勝たれてしまう訳にはいきません。
ダービー2着馬が、その後にどのように無残な惨敗を続けようとJRAにとっては痛くも痒くもありませんが、ダービー馬には日本競馬の『顔』として活躍して欲しいというのがJRAの願いです。
あえて繰り返し申し上げます。ダービーとは生産から育成、そしてデビューまで、この世代の成果発表、集大成の検証レースです。
まさにその場、その瞬間の強さだけでなく、その一頭を取り巻く全ての環境、即ち【総合力】【競馬力】が問われる一戦。ダービー馬たるに相応しい【資質】が求められます。
競馬の成り立ちそのもの、競馬の存在意義に直結するクラシック競走なればこそ、単に勝ってきたという着順という結果だけではスンナリ決まらないのがダービーです。
ゆえに【運の良い馬が勝つ】という格言に繋がってきます。その点を明日の夜にでもまたお話ししましょうかね。
それではまた明日!
E高山