片付けられない人だった
私はかつて片付けられない人だった。子供の頃はどうだったのか覚えていないが、几帳面で家の隅々までクレゾールやアルコールで消毒していた母親が、私の身の回りを整えていたのかもしれない。
とにかく高校生のときには、いつも部屋が片付いていなくて、そのくせ一歩外に出ると片付け魔のような行動をしていた。
なぜなら、公共の場を汚すのは許せなかったからだ。厳しい母に育てられ、規範意識が強かった。いつも率先して掃除や片づけをする。ごみのポイ捨てなんてもってのほか。そのせいでデートが1度きりで終わってしまうこともあった。
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