12万円の牛丼
お疲れ様です。望月です。先日、1泊2日で日本に行きました。
どうしてもシンガポールで外せない予定があるため、実に日本の滞在時間16時間という超弾丸帰国です。
こんなタイトなスケジュールでいったい何のために戻ってきたかと言うと、築地市場にある吉野家の第1号店が来週で閉店する事をDFLメンバーから教えてもらい、だったら最後にこの記念すべき一号店の吉野家で牛丼を食べたいなと思ったからです。
「え?それだけのために?」
と思ったかもしれませんが、はい、牛丼を食べるためだけにシンガポールから帰ってきました(^^)
もちろんそれには理由があって、吉野家は私にとって実は恩人のような存在だからなんです。
サラリーマンの頃に膨大な借金を抱えていた私は、日々の生活もままならず極貧生活をしていました。なので当時はお金をできるだけ節約するため、吉野家の牛丼を食べていたんです。しかもほぼ毎日。
290円でお腹いっぱい食べるものって、牛丼くらいしかありませんでした。
ぶっちゃけ、家で料理するより安いんです。290円では食材も買えませんからね。
そんな時です。
それこそ、あの頃ちょうど狂牛病の事件があって、アメリカ産の牛肉は使えないからと、ほとんどの牛丼チェーン店がオーストリア産の牛肉に変更していく中、吉野家だけが、あえて牛丼の販売を辞めて豚丼を打ち出してきました。
この発表で吉野家の経営母体である吉野家ホールディングスの株価が暴落したとニュースでもやってたのでご存知かもしれませんね。
私は当時、毎日吉野家に通いつめていたので、なぜオーストリア産のビーフで牛丼を作らないのか?その方が絶対に儲かるのにと疑問に思い、その理由を仲良くなった店長に聞いてみたんです。そしたら、
「いえ、アメリカ産のビーフじゃないと、うちの味は出せないんです。お客様に最高の牛丼を提供するためには、アメリカ産のビーフじゃなきゃダメなんです。」
といちチェーン店の店長にまでも、そこまで企業理念が浸透してる事がとても印象的で、
この会社は本当に牛丼を愛してるんだな。
だから290円でもこんなに美味しいんだな。
応援したいな。
と感心したのを覚えています。
なので今回の吉野家の第1号店、吉野家の長い歴史の中でその発祥の地である築地市場店が閉店するという事は、新市場に移転するとはいえその想いは計り知れないものだったに違いありません。
私は昔貧乏だった頃に本当にお世話になったし、今の自分があるのはこの美味しい牛丼を安く提供してくれたからというこの会社に敬意を表する気持ちから、今回牛丼を食べるためだけに飛行機チケットを取り、ホテルを予約してシンガポールから来ました。
航空チケットとホテル代で12万円かかりました(汗
もはや12万円の牛丼と言っても過言ではありません笑
ちなみに吉野家は通常24時間営業ですが、この築地一号店は市場の中にあるため、この店だけが朝5時から昼の12時までという特殊な営業時間になってます。
そこできっと行列で並ぶかもしれないから朝に行こうと思いその情報を教えてくれたDFLメンバーと朝に合流し、今までの感謝と敬意を持ってこの一号店最後の牛丼を思いっきり食べてやろうとお店に向かいました。
やはりさすがは吉野家。
予想通り、早朝にも関わらず私達以外にも同じ目的の吉野家ファンの姿がちらほら見受けられ、私たちは期待に胸を膨らませながらまるでかつて苦楽を共にした戦友かの如く、初めて会った彼らに妙な親近感を抱きながら一点を見つめ歩いていきました。
ところが、です。
店の前についた時、そこには予想だにできない光景が広がっていたのです!!
「本日終了」
え?
一瞬、何が起こっているのか分かりませんでした。
平日なのに?
てか、もう閉店しちゃったの?
まだ8時過ぎなのに?
約3秒くらいの間に、色々な思考が頭を駆け巡りました。
あれれ???
あれあれーーーー??
そうです。まさかの築地市場休業日。
本来なら市場は平日は休みではないのですが、この時はなんかの理由で築地市場全体が臨時休業。よって市場内の吉野家も臨時休業...
おお、マジすかっ!!!
このためにシンガポールから来たってのにっ!!
テレビ番組の劇的ビフォーアフターっぽく言うと、
「なんということでしょう!」
まさに奇跡的とも言うべき偶然が重なり。
ようやく現実を理解した私たちは、もうしょうがないからせっかく築地市場に来たんだし、海鮮丼でも食べようかと考えたのですが全員、完全に「牛丼爆走モード」に入ってしまっていたため、結局、近くにあった何号店かわからない吉野家に行ってみんなで普通に牛丼食べましたとさ。
うん、やっぱ吉野家うめーな(^^)
これ食べるのに12万円かかったけど。
おしまい。
今日の内容はフィクションではありません。ノンフィクションです。笑笑
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