キャリアに悩むエンジニアに伝えたい、『カスタマーエンジニア』という選択肢
こんにちは!エモーションテックHR Divisionの志賀です。
本記事はエモーションテック Advent Calendar 2022の7日目の記事として投稿します。
エモーションテックでは最近、1人目の「カスタマーエンジニア」を募集し、12月に新しいメンバーが参画しました!
今回は「カスタマーエンジニア」の仕事内容やポジションの魅力について、インタビューを通して深堀していきたいと思います。今回インタビューに答えてくれるのは、Bizdevチームでチームリーダーを務める原田さんです。
Bizdevチームの役割と、カスタマーエンジニアの役割
ー まずはカスタマーエンジニアが所属するBizdevチームについて教えてください。Bizdevチームとはどんな役割を担うチームですか?
Bizdevとは一般的には「事業開発」を指します。外部と連携して事業を拡大させることをミッションとすることが多いですが、エモーションテックの場合、「エモーションテックの中で新しい価値を創る」ことがミッションになります。
今後のエモーションテックにおいては「プロダクトを伸ばしていくこと」が特に重要なテーマとなるため、現在はプロダクトに関わる仕事が業務割合の多くを占めています。他にも、ビジネスサイドのリソース不足を解消するプロジェクトを推進するなど、最終的に「エモーションテックの価値が高まる仕事かどうか」を意識して業務に取り組んでいます。
ー そのBizdevチームで「カスタマーエンジニア」というポジションを新設で募集することになりました。あまり聞きなれない職種名ですが、名前の由来について教えてください。
「顧客の問題解決をするためのエンジニア」という意味合いが最も強いです。
「ソリューションエンジニア」という名前と迷ったのですが、ソリューションエンジニアは「解決策を作るエンジニア」というイメージがあって。解決策を作る先には顧客がいるので、「顧客(カスタマー)に向いたエンジニア」という意味でこの名前を付けました。
ー カスタマー(顧客)の問題解決を担うエンジニアということですね。具体的な業務内容についても教えてもらっても良いですか?
メイン業務は顧客の課題解決・理想実現のための「提案」と「伴走」です。
自社のシステムを中心に、様々なシステム・ソリューションを組み合わせた提案をする点が特徴的です。
エモーションテックでは、CX(顧客体験)・EX(従業員体験)をマネジメントする仕組み作りをSaaSプロダクトとコンサルティングサービスで支援しています。
我々が提供するソリューションは、ブランドやサービスの顧客体験における課題を特定し、どこを目指して改善していくのか?というKPIを定義していくものです。
その上で発見した課題や定義したKPIを軸に、改善アクションの検討やKPIモニタリングの仕組み構築という日常業務のアップデートを支援していきます。
この「改善アクションの検討やKPIモニタリングの仕組み構築」のフェーズにおいて、カスタマーエンジニアが重要な役割を担うと考えています。
このフェーズで最適な提案をするには、顧客の運用方法や抱えているデータを適切に理解しつつ、他社システムも絡めた構成を考える力が必要です。
また提案だけでなく、実現のために具体的な構築支援を行える点も重要な点です。
弊社のコンサルタントは「顧客体験における課題特定やKPIの定義」に関しては非常に強い力を持っていると考えています。ただし、これは「改善アクションの検討やKPIモニタリングの仕組み構築」を最適な形で構成する力とはまた違うものです。
この不足する部分を埋める役割を、カスタマーエンジニアに担ってほしいと考えています。
また「顧客体験における課題特定やKPIの定義」のフェーズに関しても、カスタマーエンジニアが担う領域は多くあります。
例えば「他のシステムで取得できているデータを組み合わせて分析をしたい」「気軽にお客様の声を取れるようにしたい」という要望をいただくことは多くありますが、こうした要望に対して決まった回答はありません。
分析しやすい形にデータを加工するにはどうすれば良いか?どういった接点でお客様の声を聞けるようにすると良いか?など、顧客が実現したいことを適切に深堀りした上で提案とサポートをする必要があります。
もう少し具体的に掘り下げますと、エモーションテックの分析は基本的にはアンケートデータを軸に行います。ここに他のシステムのデータを掛け合わせる場合は、アンケートデータと他システムのデータが1:1の関係となるようにする必要があります。
例えば「アンケートデータに購入データを紐づけたい」とします。アンケートに1度回答した人が複数回購入した経験があるような場合、どのデータ同士を紐付ければ良いか?という話は普通に起こり得ます。ではこの購入データをどのようにアンケートに紐づけるのが正解でしょうか。
これは調査の目的によって微妙に変わります。普通は「何回購入したのか?」が分かれば良いはずですが、「ブランドごとの傾向が見たい」という要望があった場合、単純に回数だけとしてしまうと、その傾向は見ることができません。
こうした要望を適切に拾い上げ、要望を叶えるためには、どういう形で紐づけるべきか。そもそも購買データはどこから取って来れるものなのか。これらを適切に整理し、推進する力は非常に重要です。
このプロセスの中で実際にデータを抽出・加工するためのシンプルなエンジニアリングが必要となるケースも存在します。
ー 単純にシステムを提案するのではなく、外部ソリューションと連携するとどういうことが可能になるのか、データの持ち方や集め方など含めて提案をしていくんですね。
そうですね。ただ「こうなると良いですよね」と理想を語るのは簡単なんですが、実際にはその実現に向けてプロジェクトマネジメントまでしていくことが重要です。
提案したことが実現できないと顧客にとって意味がないと思うので、実現するところまで求められる仕事になります。
カスタマーエンジニアに求められるスキル
ー 提案から実現までを先導するためには、具体的にはどういうスキルがあると良いでしょうか?
必須なのは課題整理力です。カスタマーエンジニアは自分次第で「なんでもできる」職種なので、例えばプリセールスやPM、PdM(プロダクトマネージャー)に近い動きもできると思います。この3職種は「適切に課題を認識して整理すること」が必須スキルだと考えています。
またポジションの特性上、ビジネスサイドとエンジニアサイドの間に入ることが多くあるため、両サイドの課題を認識し、良い落とし所を見つけていくことが求められます。
ビジネスサイドからお客様の要望があがってきたときに、具体的にどういうことなのか課題を整理して開発側に伝えたり、開発側から「開発工数が足りない」と返答があれば、工数が足りないことの詳細を確認しつつ、両サイドを客観視しながら1番良い選択肢を考えることが必要です。
開発スキルも高ければ高いほど良いと考えています。
エモーションテックにおいてはデータを適切に扱うことのできるスキルが特に重要なので、SQLを書いた経験やテーブル設計の経験は活きる場面は多いのではないでしょうか。
外部システムと繋ぐという点で、APIを確認でき、AWS Lambdaなどを利用し外部システムと繋ぐ簡易な仕組みを作れるという点も重要です。実際の構築までをエモーションテックが担当する場面は少ないとは思いますが、顧客のシステム部門と話すに当たって自分自身がそうした処理のサンプルを提供できると非常に強力です。
あとは、当然ではありますが顧客ワークの経験もあれば尚良いと思います。
ー いっぱいありますね(笑)。ビジネスサイドとエンジニアサイドの間に入るということですが、実際にどういう役割の人と多く関わることになるのでしょうか?
ビジネスサイド、エンジニアサイドのどちらのメンバーとも関わる機会はあります。
新規営業を行うセールスチームとはプリセールス的な立場で関わると思います。既存顧客と向き合うコンサルタントのチームや、カスタマーマーケティングのチームとは既存顧客の課題解決の立場で関わると思います。プロダクトチームとは、そうしたビジネスサイドとの関わりで得られたナレッジをフィードバックする立場で関わることになると思います。
どの職種とも関わる機会は多いですが、その中でどのチームと深く関わっていくかは自分自身で決めていってもらえればなと。自分がどういう動きをするのが会社にとっても自分にとっても一番良いか、常に模索し続けてもらえると嬉しいです。
ーーーどこに深く関わりたいか、自分で裁量を持って決めても良いということですか?
ある程度は自分の意思で決めていいと思っています。当然「会社として今はこれをやってほしい、ここを優先してほしい」という瞬間はありますが。しかし、現状はどの領域も伸びしろがあるので、基本的には相談しながらも注力するべきところを自分で決めていけることが望ましいですね。
エモーションテックのカスタマーエンジニアの魅力
ー 自分が特に興味のある領域にまずは挑戦できるのはとても良いですね!他にこのポジションにはどんな魅力がありますか?
このCX/EXという分野は、全社横断の大きなプロジェクトになることが多く、そういった点で面白さがあります。
大企業のハイレイヤーの方と接点を持ちやすく、大きな提案を通しやすい状況であることが多いんです。大手のITコンサルタントであれば、大企業のハイレイヤーとの接点は当然あって、会社全体のDX戦略といった話もできると思うのですが、エモーションテックはベンチャー企業でありながら、そういった話ができる余地があり、そういった環境を作っていけるということがとても面白いなと。他のSaaSプロダクトの事業会社ではなかなか出来ないことだと思います。
ー エンジニアからキャリアチェンジするメリットなども教えてください。
エンジニアは「エンジニアとして技術を極めていく」という方法以外にも、価値を発揮することができるのではないかと考えています。技術は好きだとしても「技術だけを追求すること」に疑問を感じ始めている人もいるのではないでしょうか。また自分が関わったプロダクトを実際の顧客がどう活用するか興味がある人もいるかと思います。
そうした思いを持っているエンジニアにとって、このカスタマーエンジニアというポジションは、視野を広げることのできる面白いキャリアになるはずです。
カスタマーエンジニアは「なんでもできる」職種なので、キャリアチェンジの幅も広く、経験を積むことでより希少性の高いポジションを確立することができると思います。
例えばエンジニアに戻ることもできますし、経験を積んでPdMになることもできます。エンジニアに戻るにしても、「顧客ってよくこういうこと言うよね」という実体験を持っているエンジニアは強いです。
これまで培った技術力を活かして問題解決をしていきたいという人には合うと考えていて、エンジニアとは異なる視点でプロダクトを見る経験、実際の顧客と関わる経験を経ることで、より視野が広がるだろうと思います。
私はエンジニアとしてのキャリアが長いため願望も含まれていますが、カスタマーエンジニアのようなエンジニアスキルを活かしてビジネスサイドの動きができる人は、今後市場での重要性が高まると考えています。
世の中のプロダクトはどんどん進化していますが、人々はそのスピードについていけておらず、導入しても使いこなせないということも起きています。そのギャップを埋めることが出来るのはプロダクトではなく人の力ではないかと考えています。特にエンジニアとしてプロダクトづくりに深く関わってきた人だからこそ発揮できる力は大きいと思っています。
こうした市場の変化を当事者として感じられる可能性があるというのも面白いポイントです。
ー ありがとうございました。これからカスタマーエンジニアも増えてますます提案の幅が広がることが期待されます。エモーションテックでは他にもさまざまなポジションを募集中です。興味のある方はぜひエントリーください。