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【No.9】得意技7・ナイナイ星人

姑は食材の文句も多かった。いつでも冷蔵庫はいっぱいになってないと気が済まないの私、と自慢げに言ってたが、野菜室開けて2、3個の野菜しか入ってないとなったら「何もない」と評する。いやあるって。いつもそう言っていた私。私からすれば十分今晩の一品二品になるものやった。確実に「ある」のに、「ない」を見ていちいち口に出して嘆く人やったことも、徹底的に丁寧に自分を生きることを志し始めた私には耐え難かった。


ナイナイ星人の普段のセリフ例

姑:野菜室に何もない!
私:本当にゼロかと思いきや、2−3種類も野菜あるやん。晩ごはんは大丈夫。

姑:スーパー行けば玉ねぎが値上げになって大変な世の中になったわ
私:そんなに嫌なら買わんかったらええやん。今日のご飯に困らん。

姑:そこのスーパーはたいしたもの売ってないわ
私:近くに何軒も買える場所あるだけええやん、こんな便利な都会に住んでて。

姑:石鹸がなくなってるじゃない。
私:全くゼロちゃうやん。今晩には足りる。黙って単純に明日買ってこようでいいやん。

姑:(お団子渡しながら)このお団子屋さんの店主、全く愛想がなかったわ。
私:そんなん言われてもらった団子、美味しくなさそう。それ、わざわざ言わなあかん?せっかくのお土産、全く無駄よね。これで、文句ついた団子になってしまった。

とにかく「ない」にフォーカスされた言葉が日常茶飯事やった。1日の大部分を姑のいる一階にあるキッチンにいる私の脳は、そんな姑のとにかくほとんどの人や事を批判しない日は一日もない毎日に溶けてしまいそうやった。

感謝がないってこういうことだと理解した

ほんとに感謝がない人やなぁとその度に思った。「こんなちょっとしか入ってない食材で料理しちゃうあなたがすごいわぁ」なんて褒め言葉にしてたけど、ぜーんぜん嬉しくもなかったわ。ナイナイ星人なのでそれが本心かも怪しいし、まず否定から入るその半ば脅迫めいた響のある言霊がなかった方がよっぽど気持ちいいもん。そのくせ人の不幸話聞いてきてはその人をあたかも想ってるみたいな論調にしつつ、「私は有難いわぁ」と簡単に「有難い」という言葉を使うのも引っかかってしまっていた私。本当のところ全然感謝なんてしてないことが、冷蔵庫開けた時の一言でわかる。ただ単に、「この人より不幸じゃないから私は大丈夫ね」となんなら自分の立ち位置の不安を消すための道具にしてる形うやと私は思っていた。

「ない」にフォーカスする人生の末路

このタイプの人間は、常々「ない」を見てわざわざ「ない」と口に出して騒ぎ立てているので、何重もの「ない」を願っていることになっている。だから、「ない」現実をどんどん自ら創造しているのになぁ。何回かやんわり伝えてみたことあったけど、全然わかってくれやしなかった。私が直接的犠牲者ではない話でも、日常茶飯事誰かや何かの「ない」を愚痴るその言葉が何より私の心を疲弊させたよね。この人が何を言っていようと、私の耳が聞き流せたらよかったけど、いちいち私の反応を待つその姿があっては、なかなか難しかったな。

神聖なキッチンを目指して

キッチンって、本来は美味しくて健やかな身体をつくる食事を準備する、主婦にとっては時々しんどさ感じるにしても、私にとっては楽しくいたい場所であった。だけど姑との同居の後、悪口愚痴不平不満を長時間聞かされる牢屋のようになってしまっていた。愛する我が子たちを育てる上で、キッチンは長時間滞在する場所。ましてや子供達の体内に直接入る食べ物を準備するのに、聞きたくない言葉をたくさん浴びながらげんなり料理するなんて、食べ物に呪いをかけているようなものだと思った私は、自分の完全拒否反応が起きてしまうまでの過程で、具体的にキッチンに立たなくても済む方法論を模索し始めたのでした。

まとめ①|ナイナイ星人型エネルギー泥棒

  • 「少ない」「減ってきた」=「ない」ゼロのように認識し、騒ぎ立てる

  • 「ない」を騒ぎ立てることでニュースにして人から「大変だ」の共感をもらおうとする

  • 同意・共感しないと個人が「反論」されたと認識するため拗ねる

まとめ②|学びと対策

  • 絶対に同意や共感を匂わせる反応を示さないようにする(ターゲットにされないように)

  • 聞かなくて済む環境を整えるしかない(笑)

  • 同じ時間を過ごさないに限る

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