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医療支援現場からIT×医療にジョブチェンジ!メンタルヘルスケアが誰でも手に取れる世界を目指す

こんにちは!emol採用チームです。

医療業界で言語障害の支援現場に従事していた塚田さんは、現在emolで認知行動療法のセッション制作に携わっています。支援の現場で感じた医療業界の閉塞感や、自信が当事者として直面したメンタルヘルスケアの課題について語ってくださいました。

後半ではスタートアップのIT企業に転職した立場から、emolの仕事やチームの風土についてインタビュー。穏やかではあるものの、スタートアップならではの仕事に対する向き合い方やスピード感、チャレンジ精神を感じる話を聞けました。


SaMD事業部 シナリオライター
塚田 ひろみさん

武蔵野美術大学を卒業後、書店や出版社に勤務。コロナ禍を期に言語聴覚士として失語症の患者をメインに支援現場に従事する。2024年にemolにジョイン。シナリオライターとして、認知行動療法のセッション制作に携わる。

※言語聴覚士……言語障害(失語症、構音障害、高次脳機能障害)や聴覚障害、ことばの発達や遅れ、発声や嚥下(飲み込む機能)などに関する問題に対して、専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職であり、国家資格。



高額、予約困難……みずから直面したメンタルヘルスケアの課題

ー 塚田さんは医療に携わっていたキャリアなのですね。

はい、美術大学を出た後に出版関係の仕事を経て、言語聴覚士をしていました。

私の家族に医療従事者が多かった背景から、転職を考えた時に自然と医療の分野が選択肢に入ったんですよね。

「あなたは昔から言葉や文章が好きだよね」と家族から紹介を受けたのが、言語聴覚士です。話すことに困難を抱えている患者さんを初めて目の当たりにした時に「こういう症状を持っている方がいるんだ、私が役に立てることがあるのなら、やらなくては」と使命感を覚え、資格を取得しました。

ー 対してemolは、サービス内容こそ医療系ですが、IT系スタートアップ企業ですよね。どのような経緯で入社に至ったのでしょうか?

きっかけのひとつはコロナ禍です。当時子どもがまだ小さい時だったので、不安定な情勢に対応したく、リモートでできる仕事はないかと考えていました。

もうひとつは、言語聴覚士の仕事を通して認知行動療法の重要性を実感したことが影響しています。言語障害をお持ちの方は精神疾患も併発されている方が多いため、治療の存在を知っていました。

それに加えて私自身、慣れない土地で暮らし始めた時に心細い気持ちを誰にも相談できず悩んだ時期があったんです。ケアとして認知行動療法を受けてみようと思ったものの、予約の取りにくさや費用の高額さから、試すのも継続するのも難しい現状に直面しました。

そんな時に求人情報でemolを知りました。emolなら認知行動療法をアプリで実施できます。これならお子さんがいるなど身動きの取りにくい人も、症状が重く外出自体が困難な方も、手元のスマートフォンでケアができる。純粋にすごいなと思いましたし、課題の根幹を解決できるツールに出会った!と思いました。

サービスの根幹を担う「対話」

ー 塚田さんのポジションはコンテンツライターですね。どのような業務内容なのでしょうか?

当社が提供している、セルフケア認知行動療法アプリ『emol』のシナリオ、スクリプトのライティングがメインの業務です。

アプリではチャットを用いてキャラクターとユーザー側が対話(セッション)をします。キャラクターは、本来は心理職の方が担うカウンセラー的ポジションとして機能します。このキャラクターのセリフや会話の選択肢などを企画編集・ライティングするのがライターの役割です。

シナリオ自体は、専門家が理論に基づき考案されたものがベースにあります。それをアプリのシステム上に沿うよう翻訳しているイメージですね。

ー 言語聴覚士としての現場経験が活きる部分が大いにありそうですね。

そうですね、これまで接してきた方々の顔を思い浮かべながら、どういう言葉を使ってきたか、改めて考えながら取り組んでいます。

精神疾患の方に向けた会話はそもそも難易度が高いです。それを、アプリ上、かつユーザーがセルフで実施するので、どういった言葉が相手にどんな印象を持たれるか、慎重に熟考する必要があります。難しいと頭を悩ませることが多いですが、日々勉強を重ねるしかありません。

ー 自己研鑽がサービスクオリティに直結しそうなポジションですよね。

そうですね、セッションはサービスの根幹となるものなので、日々緊張感はあります。文科省が出している資料やテキストをメインにインプットを欠かさず、真剣に対峙している感覚です。やっていくうちに自分自身の言葉が磨かれるような感覚もあって、それがやりがいになっていますね。

ITと掛け合わさり、ひらかれる医療

ー アプリで治療を提供するのはエポックな課題解決だと感じますが、実用上の難易度も高いと感じます。

そうですね。私の立場から見る点で言うと、相手の反応を見てセッションをアレンジすることに限界があるので、その点が特に難しいです。対面の場合は反応を見つつ、多数ある訓練材料の中から、臨機応変に内容をシフトできますが、アプリではある程度幅が固定されてしまいます。

かと言って汎用的な返答に頼らず、豊かで有効な対話が成されるよう工夫が必要です。なので、メインのライティングは私が担当していますが、チーム内で議論して精査するステップを必ず挟むフローを採用しました。客観的な考えを適用し、より良い言葉を追求できる体制にすることで、セッションを洗練させています。

ー 逆にアプリだからこその良さはどんな点が挙げられますか?

1点目は、デジタルならではの利点だと思うのですが、セッションの素材準備のしやすさや、柔軟な変更のしやすさがあると思います。どうしてもアナログは準備にパワーが要るので、以前からある素材を踏襲しがちです。

もう1点はやはり、あらゆる人に良い物を届けやすいというアプリの性質ですね。

患者さんの立場で考えると、治療にアクセスするには、先述したような価格や予約のしにくさなど実際的な問題も立ちはだかります。なので、アプリという誰でも手に取りやすい形でサービスを提供していることはとても有意だと考えています。

ー デジタルの効用ですね。

そして、これは業界の性質面にも同様の現象を感じています。
というのも、医療業界の一角からemolに転職してきて感じたのは、医療の分野にITが掛け合わさると世界が大きく開かれる感覚があるということです。

医療業界が入り込む余地なく閉じている、という意味ではないのですが、いつも人手不足に困窮していて他分野を取り入れるだとか、違う業種との助け合いだとか、発展的なトライをする余裕がないと感じます。

いっぽうIT企業ではあらゆる立場やスキルをお持ちの方と一緒にプロジェクトを進めて目指す世界を実現しようという、扉が大きく開いているような印象があります。

ー ITと掛け算されていることで、医療業界外の人が課題に向き合うことにつながるわけですね。

スピード、チャレンジ、自分ごと化。3点拍子が揃うベンチャーマインドチーム

ー emolの社内はどんな雰囲気や文化でしょうか?

メンバーの共通点としては、穏やかで丁寧な方が多いですね。

同時に、私たちはスタートアップなので身軽に、スピード感を持って物事を進める文化も根付いていると感じます。やはりフェーズ的にどうしても目まぐるしく多忙な日々なのですが、素早く仕事を処理する人が多いですし、Slack上のコミュニケーションもクイックでこまめです。

ー スタートアップならではの動き方ですね。

そうですね。同時に、やはり小規模な組織なので色んな業務にチャレンジできるチャンスが得やすい、というのも特徴かと思います。

チャンスを掴むには一定の成果創出や適性、バックグラウンドは必要ですが、その申し出やフィードバックの対話はしやすい環境です。私も動画編集に興味を持ってチャレンジを申し出たことがあります。

ー これも風土が大きくかかわる点ですね。メンバーはチャレンジ気質の人多いですか?

そうですね。決められたことをこなすのではなく、自ら広げて拾っていくタイプのメンバーが多いですね。みんな常に「何かもっとできることないかな」と考えている気がします。

ー 会社のトピックを自分ごと化できている証だと感じます。

私ももともと自分の枠内だけではなく、少し外の範囲まで知りたいと思うタイプです。emolはまだ小さいチームなので、私のできることが増えた分だけチームも強くなるはず。貢献できる実感があるからこそ幅を広げる楽しさを実感できます。

それに、今のemolは事業を拡大していくフェーズで、ポジションも空いています。新しい業務にトライするきっかけも転がっている。せっかくチャンスが豊富な環境なので、逃さないよう掴み取っていけるよう、まずはできることに全力で取り組んで行きたいと思っています。

ー スタートアップ環境のメリットですよね。挑んでいくベンチャーマインドも感じます。

チャレンジで言うと、今後は事業やアプリなどプロジェクトの立ち上げに関わってみたいです。プロダクトを構築してリリースまでの当事者を経験したいですね。

emolはこれから拡大期です。メンバーもプロジェクトの数も増えていくと思うので、より密に身軽にコミュニケーションを取りつつ、ミッションである「メンタルヘルスケアを“当たり前”にし健康的な社会を創る」に一歩ずつ近づいていきたいです。

取材・文/橋尾 日登美

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