源氏香の仕組みを知ると街歩きが楽しくなります
根津にある、弥生美術館をご存じでしょうか。
弥生美術館の源氏香柄
弥生美術館は、東京都文京区にある私立美術館で、高畠華宵と竹久夢二の作品を収蔵、展示しています。併設に竹久夢二美術館があります。この美術館を設立したのは鹿野琢見さんという弁護士さんです。鹿野さんは、9歳の時に高畠華宵が描く「さらば故郷」というイラストを見て大変影響を受けて出征するまで部屋に大切に保管していました。その絵は失われてしまったのですが、戦後少しずつコレクションを集め、自宅の一部を「華宵の間」として公開うすることから弥生美術館は始まりました。
その後、竹久夢二美術館を併設し現在のかたちになりました。現在、企画展として、高畠華宵展が開催されています。
高畠華宵は、大正から昭和にかけての大人気イラストレーターでした。アール・ヌーヴォーの影響を受けたモダンな作品は当時の少年少女を熱狂させました。その中で婦人向けの雑誌に描かれた作品の中には今のファッション雑誌のように商品カタログとして使われた作品も多くあります。華宵が描いた服を求めて女の子たちは服を新調するために百貨店に出かけるのでした。その中に「源氏香」とよばれる古典的な柄の着物が描かれた作品があります。源氏香柄は直線の組み合わせによるデザインで、現在でも着物や帯だけではなく、駅や会社のロゴなどにも利用されています。
ロゴやアイコンで使用される源氏香とはいったいなんなのでしょうか。
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