國
とがる主宰の音楽レーベル"luv"より新しいイベント"國"を始めます。
とがるの活動のみではなかなか交錯し得ない形式としてのジャンルを飛び越えながら、どんな要素もリスペクトし、出演者、お客様と一丸になれるようなイベントにしたいと思っています。
理想的な国のようなイベントにしたいという願いを込めて、"國"と名付けました。
バンド結成当初から果てなくミックスやクロスオーバーに執着してイベントや楽曲を制作してきたつもりでして、今回はなぜそれを理想とするかについて記述していこうと思います。
まず、音楽的な出自について自分なりの考え方を述べたいと思います。
ぼくが、そして皆様が愛しているロックやヒップホップというものの多くが、諸説有るが1950年代のアメリカの黒人文化を根源としています。
奴隷として厳しい労働を強いられた人々が、農地を耕しながら、鍬が土を掘るそのリズムに乗せて、日々の痛みや苦悩を唄にしたことがロックの起源とされています。
その後、わずかながらも黒人音楽が商業的な営みができるようになる過程で、R&Bやブルース、カントリー等々に分類され、そこから時代を経るごとに進化と細分化が始まります。
詳しい歴史の記述はここまでにして、結論何が言いたいかというと、音楽の起源は遡れば概ね同じ所に帰結するということです。
そして、音楽を語る上で最も重要なことは、苦悩なり悲しみなり喜々なり、それら魂を抽象化して音にするその過程に他ならないということです。
どれだけ複雑な過程を辿り、様々な形態に変化を遂げても、その魂の部分はいまだに本質として受け継がれていると思っています。
だからこそ、あまりにも拡大解釈なのは百も承知の上で、形式として分類されたジャンルには商業的な意味合いしかなく、ロックだから、ヒップホップだから、という語りは差別思考に接近するものであると考えています。
ぼくはいつでも至極簡潔に、好きなアーティストや音楽家とバイアスの無いピュアな環境で音楽を聴いたり語り合ったりするのが理想だと思っています。
だからこそ、"形式としてのジャンル"を飛び越え、より本質的な部分で共鳴していきたいんです。
そして最後に、個人的な音楽体験に基づいた話をします。
ぼくは幼少期から随分と年の離れた兄の影響で、様々な音楽に触れて生活していました。
特段自主的に音楽へ没頭することは無かったものの、少なくとも高校時分に一番好きなバンドはThe Smithsだったし、理解されない寂しさを多少なりとも抱えて過ごしてきました。
そこから本格的に音楽を始めたのは、大学2年生の頃でした。
なんとなく観に行ったサークルのライブで、先輩らが演奏していたExplosions in the skyに感銘を受け、入部することになりました。
比較的特殊な人間が集うサークルだったことが功を奏し、Empire!Empire!で初めてエモを自覚できたし、quiquiやsans visageで激情HCを自覚できました。
そこからギターを始め、生来ある"自分にしかできないことがしたい"という欲求に従いながら、Fコードもまともに押さえられないまま、とがるをスタートさせました。
ですが、大学を卒業後もバンドを続ける友だちはほとんど皆無に近く、ファズの話を続ける者などいつの間にかいなくなっていた。
JavascriptやSaaSの話が交錯する中で、ビッグマフの中域について語ることに多少の躊躇がありながら、己の決意のもとずっとバンドを続けてきました。
だが、バンドをする人間はほとんどいなかったものの、DJとして音楽を続けている先輩、後輩は数人いました。
時おりクラブでのイベントに誘われ、彼らが喜々と音楽を流して楽しんでいる様子は、ぼくがファズをぶち鳴らしている時と相違は無いと思っていたし、なかなか嬉しいものでした。
彼らから教えてもらったアーティストはどれも素晴らしかったし、個人的に観に行ったりもしました。
そういった自分なりの音楽的な体験や出自に基づいたイベントをするとなると、どうしてもクラブシーンとの交錯は避けられないと思っていました。
本音を話すと、こういったコンセプトのイベントは結成当初から発想としてあり、随分と前から今回出演してくれるDJのNordOst氏に話していた記憶があるが、どうにも踏み込めずにいる時間が長かった。
が、もう正直言って、やるなら今しかないと、諸々のタイミングを踏まえて強く思いました。
そして最後に、ライブハウスから足を遠ざけ、クラブで遊ぶようになった友だちから、あくまで友だちという観点からなぜライブハウスに行きたくなくなったかについて話をされたこともありました。
その話を聞いた時に、分岐してしまったなんとなく悲しみのようなものと、その友だちが来てくれるようなイベントを作りたいという欲求が、前述にある自らの音楽的な解釈とコネクトして、かなり"自分にしかできないこと"マインドへ加速させていきました。
話が長くなってしまったのでここらで終わりとするが、あえて簡潔にまとめると、
個人的な音楽の解釈、体験、理想を体現するようなイベントを作りたいと思い、國を始めることにしました。
それでいながら、平均値としての"たくさんの人が楽しめる"よりも、様々な要素で突出してとがった結果、たくさんの人が楽しめるものの方が美しいなと思ったというのもあります。
とがるのGUITAR、luvの國、どちらもよろしくお願いいたします。
10月からはまた東名阪にてGUITARを催しますので、そちらも覚悟していただきたい。
駄文長文失礼しました。
ご一読いただき、ありがとうございます。
【ライブ情報】
2024.09.20(fri)
下北沢THREE
luv presents
"國 Vol.1"
OPEN/START 18:30/19:00
ADV/DOOR ¥3,000/¥3,500(+1D)
とがる
moreru
doggie
kegøn
safmusic
DJ: NordOst
VJ: 刀匠
✳︎ RESERVATION ✳︎
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