ひとり旅・自分と繋がる新しい自分へ・9話
137号線を左に曲がって、しばらく走ると木のトンネルがあります。
ハワイ島の西側にはない景色、色々な高さの木々の間をすり抜けるドライブ。細い道はアップダウンを繰り返し、くねくねとした道の両側には深い緑色、様々な高さの木々が生い茂り、ジャングルが活き活きとしています。
空気感が変わり、独特で濃厚なエネルギーはまるで違う次元へと移動したみたいに、、、もしかして、これがタイムスリップする時のような感覚なのでしょうか。。。色が、香りが、光が、気づいたら細胞がピキッ、ピキッっと敏感に反応し、早くも蘇っている感じです。全体が深く優しい木々のエネルギーに包まれていきます。
途中で車を止めて、ボーっとしてしまいました。乾いた西側にはない引っ付くような濃厚なエネルギーに魅了されてしまいました。まるで誰かにハグされているみたいな感覚です。何故だかわからないけど、急に涙が出てきました。ずっと奥に抑えていた感情がスクイーズされるみたいに溢れてきたのです。
その涙の原因は…
ハワイ州がロックダウン中の間、生活に必要な買い物以外はどこにも行かない、誰にも会わない、ひとり自宅でテレワークを徹底していました。
はじまりの頃は近所の人ですら話をすることもなく、久しぶりに会っても、目くばせであいさつを交わし、手を振るだけで、普通だった挨拶のハグも無くなり、人と人が触れ合うことが一切なくなりました。だぶん『引きこもり』とほぼ同じ。毎日の生活の中でコンピューターの画面の世界に入ることが増えていきます。テレビは所持していませんので、タイムリーなニュースは自分が求めなければ入ってくることはなかったので、幸い余計な情報を受け取ることはなく平和に過ごせていたと思います。
人恋しさに、つい、育てている家の中の植物たちに向かって会話したり、海の中に泳ぐ魚や海カメにコンタクトを求めたり、庭にやってくる鳥に餌をあげて手懐けてみたり、七面鳥や野生のイノシシにオーラやテレパシー送ってみたり…それはそれで今までにない新しい試みで楽しくもありました。何も知らない赤ちゃんの頃ってこういう感覚だったのかな???などと探ってみたり。子供の頃を思い出したり、毎日をいかに面白く楽しく過ごそうとかなり頑張ってました。
しかし、楽しい時間だけではありません。楽しく過ごそうと努力をすればするほどその反動が時として『思考』が勝手に歩きはじめて暴走し、不安が拡大して潰れてしまいそうになったり、寂しさに耐えきれずワインを飲みすぎて復活に時間を要したり、何日も眠れずに過ごしたり、話さなくなった日本語の壁にも突き当たり、書けるのに声にすると話ができなくなりました。
毎日を楽しく❕と頑張れば頑張るほど、過ごそうとすればするほど、どんどん虚しくなっていくのです。毎朝、『ああ、また目覚めてしまった。』と落胆する日もありました。楽しさと苦しさの繰り返しです。何度も何度も上がったり下がったりジェットコースターのように。特に下がった時は『思考』によって引き起こされるネガティブの渦の中、グルグル~、グルグル~、グルグル~っと抜け出せずにまわっていました。ありがたい事にご近所の人たちが気遣ってくれて、時々散歩に誘ってくれたり、お食事を頂くこともありました。この時は人の愛が身に沁みてありがたいと思いました。
とある日の事、師匠の声を聞いたのです。まるで『喝❕』のように。
その時、大好きだった気学の師匠の訃報を受けとりました。
即座に封印されていた教えを次々と思い出していきます。(続く)
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