白馬プレオープンで95%海外ゲストのなかで考えたこと
先日、プレオープンしたばかりの白馬へ、今季初スキーに行ってきた。
といっても、わたしは見てるだけだが、いろいろ見ていろいろ考えるのが楽しい。
平日月曜日、9割海外からのゲストで驚く。昨年までとは全然様子が違う。
チケット売り場は窓口2つ、コースはまだ1コース、フードコートのスタッフは極少、出せるメニューも半分。
慣らしなんだと思うが、それでも需要と供給がマッチしてなくて、チケット売り場もリフトもフードコートも長蛇の列(トップシーズンになったらスムーズになると思いたい)。
遊んで腹へって帰ってくるみんなのために、かあちゃんフードコートの列に並ぶ。
カツは売り切れてるし、他の丼ものはグッとこない。しゃーない。ポテトとチキンあたりのサイドメニューくらいにするか。
1時間くらい並んだのかな?
プレート並べられるあたりまで到着すると、驚くことに、並んでるお客さんのほとんどが日本語話せない人なのに、日本語しか話せないスタッフ4名(中2、表2)で回しているのがわかった。
わたしの前のチャイニーズ系の子連れ女性の丼ものが注文半分で、ごはんが売り切れ。10分後にごはんが炊き上がるとスタッフ同士が話してる。
どっちにせよ、すぐ手に入れられるのはサイドメニューだけか…と次の順番を待っていたら、「今つくっているから、残りの丼はあと10分待って」をスタッフはお客さんに日本語でしか伝えられず、でも女性は「あともう1つこの丼がほしいの」と何度も軽くキレ気味で英語で言っていて、スタッフの方は「どーしよーどーしよー」。
その耐えがたい空気に、わたしは思わず「シー、セイド。クッキング、ナウ。プリーズ、ウェイト、テンミニッツ」と口をついて出た。
「OH!OK(ニッコリ)thank you!」「ありがとうございます。助かりました」。拙い小学生英語でも間をとり持てたことにホッとする。両者に感謝され、照れくさくもうれしい気持ちになった。
山盛りポテトにケチャップ添えながら思った。今のが中2くらいのわたしの体験だったらなー。
「これが後の水原一平。そう、 大谷翔平の通訳で名を馳せた、水原の通訳原体験である」みたいな成長とかするかもしんないよなー、と。
もう50に手かけてると、10代の頃のような興味に対する強い湧き上がりはないもんね。
だけど、これだけ海外から田舎に人が来ているのに、受け入れ態勢ができていない状況は、子どもたちの図らずも体験学習の場も多いはずで、20年後あたりの日本のあり様が楽しみだったりもするんだよね。
以下は、滑らないわたしが見て思った、その他7つ。
1
フードコートのトイレで個室に入ろうとしたら、便座が濡れていた。
あらら、と違う個室に入ろうとしたら、そこも便座が濡れている。
ん?と思い、また別の個室へ。
そこも便座が…まあ、いいかと入り、濡れた便座をトイレットペーパーで拭いて座って、あっ!と思った。
便座の横に付いたウォシュレットの英語説明がない。正体はこれか!
よく見るインバウンド対応の間違ったトイレの使い方に関する貼り紙もない。
だからか、蓋のないサニタリーボックスに汚れたトイレットペーパーが軽い山になっていた。
代わりに、壁にはウィルス感染防止のために蓋を閉めて流してくださいの形骸化した貼り紙と、生理用品販売の告知。
お願いだから、今すぐ、意味のないコロナ対策貼り紙を剥がして、ウォシュレットの英語説明と、トイレの使い方ポスターを貼ってください。
さもないと、便座とサニタリーボックスが!
2
フードコートの2階席がテラスみたいになっていて、欧米人家族が1組だけ座っているのが見えた。気になって、トイレ帰りに見に行ったら、入口にマジックで紙に書いた「reservation seat 予約席」とあり、ほほ〜!と思った。
混んでいるフードコートで、家族全員そろって座れる席探すのも、ましてや並んで料理取りに行くのもめんどくさい。
メジャーリーグのクラブシートや大相撲の枡席のようなお食事も用意してくれる特別シートのシステム、スキー場もどんどん導入してほしい!
3
欧米人のスキーインストラクターが、初めてスノボーをしますって感じの欧米人とチャイニーズ4.5名にレッスンする様子を見て、へーと思った。
日本に来て、初めてスキーやスノボーをするという外国人って、そうか、いるんだ、と。
わたしはてっきり、カナダあたりですでにスキー経験があるスキー好きの人が、日本の雪がいいっていうので来日してるんだと思い込んでいた。が、そうでもないんだね。
英語対応のスキースクールは、白馬にもキッズ向けもマンツーマンもあるけれど、そこからもう少しつっこんだ、日本人が安く英語を学ぶためにフィジー留学をするみたいな、「現地、日本には英語でスキーレッスンしてくれる講師がいるから安心! 安く短期でスキーを日本で学ぼう!」っていうスキー留学ビジネスもおそらくすでにあるんだろうね。
4
白馬スキー後のわたしたちの定番!「みみずくの湯」がキャッシュレス対応自販機になっていて、さすが!とますます好きになった。
ここは元々、鍵付きロッカーは、誰得?な100円デポジット方式でも、有料ロッカーでもなく、ふつうの無料の鍵付き小銭レスロッカーだったが、入湯料もついにキャッシュレス対応になった。素晴らしい!
5
みみずくの湯の温度が少し下がっていたのは、個人的には残念だった。
熱い湯だけど、ここの湯はめちゃいいから!という軽い覚悟を持ってそっと入っていくのが、わたしにとってのこれまでのみみずくだったから。
が、これはわたし個人の思い出が背景にあるからに過ぎないので、これくらいの入りやすい温度で世界中の方に楽しんでいただけるほうが絶対良い!
6
脱衣所に貼ってあるピクトを見ながら、三男が「水着はダメ! 携帯電話やカメラはダメ! タバコはダメ! 歯磨きはダメ!」と言っていて、ピクトのユニバーサルな表現力に感動する。
「ママ、なんで歯磨きはダメなの?」って聞かれて、うまく答えられなかった。口から出す行為が日本人的には下品とかそういうことなんかな? 世界的にはどうなんだろ?
7
みみずくの湯受付で販売する温泉まんじゅうのいろんな意味での素晴らしさよ!
まず、1個売りのシズル感に、玄関を入った瞬間、わたしも長男も次男もやられた。「風呂出たら、まんじゅう買ってくれ」とふたりに言われ、断る理由が思いつかなかった。
こんなにみんなほしがるのだからと、1個売りのとなりの6個セットパックを買っちゃうよね。しかも、キャッシュレス対応。
近日、誰かに会う予定とか、お土産を渡したい人の顔が思い浮かんじゃったら、迷いなく、さらにとなりの紙で包装された10個入りも買ってたはず。
1個売りはシズル感、6個は必要性、包装はよそいき。
こういう商品づくり、売り方、買いやすさ、見習いたい!
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