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こころとからだはやっぱり一つ
「筋肉のよろいがこころを守る」で
“身体化”というこころの防衛機能について
「我慢のし過ぎは厳禁」で
じん麻疹を放置して大変になった体験を
書きました。
今回も自分の体験談を元に
こころとからだのつながりについてです。
今思えば、私は子供の頃から
とても「身体化」しやすかったのだと思います。
小学生の頃、新しいクラスになると、
ゴールデンウィークの頃に熱を出して
学校を休むと言うことがよくありました。
高校の時は大きく口を開けると
顎(あご)がカクカクして、
開けにくくなったのですが、
生活に支障がなかったので放置してました。
それでも、大学に入ると、
いつの間にか治っていました。
多分、受験のストレスからくる顎関節症だったのだと思います。
当時は全く気づいていませんでした。
最初にじん麻疹が出たのは
大学4年時の進路が決まらない状況で、
不安が高じた時でした。
それはごく一過性で、
進路が決まると治りました。
次にじん麻疹が出たのは、
大学院の夏休み中に
キャンプ場でバイトしていた時でした。
もう夏休みも終盤、あと少しでバイトも終わり
2年生が始まるなぁと思った時でした。
ふと1年生の授業についていくのに、
めちゃくちゃ大変だったことを思い出し、
「あの生活がまた始まるのか」と思い、
その大変さや不安な感覚は、
まるで大学の時にじん麻疹が出た
あの時の感覚と似ていると思った瞬間
本当にじん麻疹がさーっと出てきたのです。
「えー‼️」
とんでもなくビックリしました。慌てて、
いやいや、ちゃんと1年生も乗り越えたんだから
そんなに不安になる必要ない。
まだ始まってもいないんだし。
と考えると今度は
すーっとじん麻疹が無くなりました。
本当に不思議な体験でした。
からだもこころも過去の危機的な体験を
しっかりと覚えていて
それに近いことに遭遇すると
(しなくてもイメージするだけで)
症状がシグナルとして現れるということを
身をもって体験しました。
"身体はトラウマを記憶する"という本*があります。
本当にそうだと思います。
今、思い出しながら書いていて
あー、こんな体験をしていたから
じん麻疹は心理的なもので
ストレスが無くなったら治ると
思い込んでいたんだなと気づきました。
職場のストレスでじん麻疹が出た時に
我慢し続けた理由はこれだったのです。
過去に上手くいったからといって
同じ対処法がいつでも有効ではないんですね。
過去の成功体験は要注意です。
こころとからだはやっぱり一つのもの
分けられません。
どちらか一方のケアだけでは
回復できないこともあるのです。
じん麻疹から解放された話はまた今度に。
*“身体はトラウマを記憶する”
ベッセル・ヴァン・デア・コーク著
紀伊国屋書店
著者はトラウマ、PTSDの専門家・
オランダの精神科医で
複雑性PTSDという概念の提唱者です。