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多様性SF小説 「ニムロッド」

人間の最終形態はどうなるんだろう
それは肉体を捨て、生死の感覚を捨て
すべてがデジタルになってしまうことなんじゃないか
ざっくりそんな話なんじゃないかな、このお話は

仮想通貨を採掘するように命じられた主人公 中本
中絶、離婚を経験し飛行機では眠れない恋人 紀子
中本の先輩で鬱を抱えるニムロッドこと  荷室

ニムロッドは中本に
「駄目な飛行機コレクション」を送り続ける
駄目な飛行機とは、飛ぶことができない、着陸できない、重すぎるなど
飛行機としての機能がないまま生涯を終えた飛行機たちを紹介する文章

これを読んでいると、どこか心が安らぐ
人間も実は駄目な飛行機のようなものだから

ニムロッドは小説も書いて中本に送る
やがて人間が一つになる未来を描いた小説
エヴァの「人類補完計画」が思い出された

人間らしさとは何か
人間の価値とは何か
生きていく途中に発生したエラーを処理できなくなった時
それは人間から外れてしまったことになるのか

仮想通貨を人間の価値にたとえ
ただの信号になってしまうかもしれない人間の怖さ
他とは違うことに戸惑う感情という人間らしさ

多様性が叫ばれる中で
多様性という一定の枠が見えてきている社会

自分はどう生きるのか、を問われた小説だった


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