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プライドを拗らせたら虎になった話〜山月記〜

高校の教科書に載っていることでお馴染みの山月記を取り上げる。
しかし、読んだ記憶がない。
「虎になる」以外の知識がゼロだった故、きちんと向き合うために読んだ。

ざっくりあらすじ
舞台は唐の時代の中国。
難関試験の科挙に合格した李徴(りちょう)は、役人として働いていた。ただ「俺って才能あるし!」と詩人になる夢を諦められず仕事を辞めてしまう。

 数年後。なかなか目が出ず、家庭(妻子おったんかい)が立ち行かなくなった李徴は、「俺って才能無いかも…」と嫌々ながら地方公務員として復帰。しかし、かつての同期が上司になりこき使われることに嫌気が差しある日発狂して行方不明に・・・
 次の年、袁傪(えんさん・かつての同期)とその部下たちが虎に襲われる。その虎の正体が行方不明になっていた李徴だった。姿を見られたくない李徴は草むらから袁傪に語りかける。
 本人もなぜ虎になったのかはわからないが、日に日に虎化して「友達すら食べちゃうかも…」と人間の心が失われつつある。
ただ、人であったことの記録を残したいから詩を書き留めて欲しいとお願いする。
 自分の自尊心と羞恥心、妻子よりも詩人になりたい夢を優先してしまったことで虎になってしまった…などと語る。 
 最後まで茂みの中から姿を表さなかった李徴は袁傪に「振り返るな。遠くから自分の虎になった姿を見て、もうここを通らないでほしい」とお願いして別れる。丘の上から見えた虎の姿を、もう二度と見ることはなかった・・・。

感想
走り回ってバターになってしまう虎もいれば
自身の心の弱さにより虎になってしまう人間もいる。

才能ある!と思って詩人の道を進んだけどうまくいかなくて
出戻り役人になったけど同期に顎で使われるとプライドが許さなくて
これって現代でもよくある話。

最近はやりたいことをやるのが一番なんて風潮が強いけれど、誰も失敗の責任を取ってくれない。
やるなら覚悟を決めないといけなかったのに、すべてが中途半端になってたどり着いたのが「虎」

虎になったことで、自分をようやく顧みることができたものの、あとの祭り。

そもそも、本当に虎になっていたんだろうか?
姿を見た訳ではなく、最後に振り返ったら虎がいただけ。

何者にもなれなかった自分が、色々あって虎になったことにしたかった説もあるんじゃなかろうか。最後に紡いだ詩も、友達に才能はあるけどなんか足りないと思われてるし・・・

自意識過剰なのか、本当に才能があるかなんて
後になってみないとわからない。
ただ、自分を追い込みすぎないでほしい。
何者でも無いあなたも、周りと比べることだけはしないで。

そんな話なのかな、と虎になりきれない私は思いました。
序盤何の話か単語が難しくて理解できない箇所多々あるけど
細かいことは無視して、とりあえず虎になっちゃうとこまで読んでほしい。
15分くらいで終わります。

トップ画、勢いで描いてみました。
こんな二人だったらいいな、という気持ちを込めて・・・


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