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母としての理想を手放す

母は専業主婦の期間が長かった。
食事は基本的に手作りで、メインのおかずに数品+汁物。
レトルトやお惣菜も出ることはなく、外食もほとんどしなかったし、お弁当に冷凍食品が入ることもなかった。
服やレッスンバッグなどの小物も、幼い頃は手作りしてくれたし、家もいつも掃除が行き届いていた。

そんな環境で育ったので、自分もメインのおかずに数品は作って、掃除もちゃんとしなければならない…と思い込んでいた。

でも、実際は全然無理。
私は会社員として働いていて、朝は7時過ぎに出て、家に帰ってくるのが19時過ぎ。
疲れてヘトヘトでお惣菜に頼る日もあれば、週末にまとめて掃除をすることだってある。
子どもが小さい頃には、絵本の読み聞かせをしながら寝てしまって顔面に絵本を落としたり、そのまま寝てしまって朝に絶望したり。
ちゃんとできない自分がつらくてつらくて、泣きながら家事をしたこともある。
同じようにできないのは自分がダメな母親だからだと思っていた。

ある時、なんでこんなに苦しいんだろうと思った。
家に帰るより仕事してる方が楽だから、帰りたくないなぁ思うほどに。
夫も私と同じような家庭で育ったけれど、お惣菜に頼ったり、週末に家事をまとめて片付けても、絶対に怒ったりしないし、むしろいつも助けてくれる。
自分で自分を追い込んでまで、育った家庭と同じようにする必要ってあるんだろうか?
私は自分の家族を作ったのだから、自分の家族が笑顔で過ごせればそれがいいに決まってる。

それに気づいてからは、自分を責めることも、無理をしてやることもなくなった。
頑張れる時は頑張るし、頑張れない時は頑張らない。

疲れた日には心置きなくお惣菜や外食に頼るし、
掃除も平日はついで掃除をやって、しっかりやる掃除は土日にまとめて。
子どものものも睡眠時間を削って手作りするより、一緒に既製品の中からあれこれ好きなものを選ぶ時間を楽しめばいいと割り切った。(今はもう大きいから手作りは恥ずかしがるし…)

疲れてイライラしながらやっていた頃は、家の中の雰囲気も悪かった。

疲れた時は最低限の家事を済ませて、さっさと寝る。
きちんと寝れたら次の日は頑張れるから。

理想を手放すことも時には大事なのかも。
自分と家族にとって楽しくて幸せなことが1番。

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